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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは、元学生メンバーの刀根明日香です。「元」学生メンバー、なんて甘美な響きでしょう。思い起こせば今年4月、栗下直也にメルマガで留年を暴露されて以来、卒業のためにできることは何でもしてきました。

栗下に「激励会をしてくれ」と懇願した結果泥酔した栗下の面倒を見る羽目に陥ったり、事務担当遠藤陽子に「宿題のレポート、いくら払えば代理で書いてくれますか」と泣きついてみたものの遠藤は「今週のいただきもの」の300字が限度で何の役にも立たないことが判明したり、それはもう、苦難の連続でした。

しかしそんな数々の試練を乗り越え、この秋ついに卒業しました。
すぐさまHONZメンバーに報告したものの、卒業報告なんて面白くない、とちっともメルマガに書いてくれないため、やむなく本人登場となりました。就職は来年4月なので、この半年は私のすべてをHONZに捧げます。栗さん、メルマガ休みたいときはいつでも私に言ってくださいね。それでは今週もメルマガスタートです。

……の前に、ひとつお詫び。
うすうすお気づきの方もいらしたかもしれませんが、上記すべて遠藤が刀根になりすまして書きました、ごめんなさい。

先週末、栗下より「緊急事態発生!メルマガ代行頼む」と連絡がありまして、何でいつも私なんだよ、学生メンバー暇じゃないのかよ、と思い連絡してみましたが、忙しいそうでして……名前だけ借りる形となりました。

なお上記は「私のすべてをHONZに捧げます」以外すべて事実に基づいており、掲載については刀根の了承を得ております、念のため。それでは改めまして、今週のメルマガスタートです。

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今週の「読むカモ!」今週のレビュー予定です(変更されることもあります)


『ビジネスマンへの歌舞伎案内』 編集者の自腹ワンコイン広告

ビジネスマンへの歌舞伎案内 (NHK出版新書 446)
作者:成毛 眞
出版社:NHK出版
発売日:2014-11-06

恥ずかしながら、30代も中盤になるまで歌舞伎を観たことがなかった。興味はあった。だが、きっかけがなかったのだ。

いや、正直に言うと、近頃はテレビドラマなどで歌舞伎役者が活躍することが多いため、先輩方から「観に行ってみないか」とお誘いを受けることもあるにはあった。だが、ハードルが高く感じられて最初の一歩を踏み出せずにいたのだ。

そういうわけで、著者である成毛眞さんから最初に「歌舞伎」というテーマが出たときも、いまだから白状すると、少し不安だった。

しかし、打ち合わせなどで、成毛さんの「歌舞伎はフェスである!」「わかろうとするのはむしろ野暮だ!」という力強いお言葉をいただいているうちに、フェス好きで、そもそも全然わかっていない自分は、もしや本書の担当にピッタリではないかと思えてきた。単純なものである。

実は、成毛さんも最初のうちは、「歌舞伎はつまらない」と感じていたのだそうだ。それが、いまでは20年超の歌舞伎ファン。その経緯については本書を読んでいただければと思うが、なぜ誰ももっと早くこの面白さを教えてくれなかったのかという気持ちはずっとあったという。

だから比較的早いうちに、この本はまだ歌舞伎を行ったことがない人、あるいは一、二度行ってつまらないと思ってしまっている人に向けたものにしようということだけは、すんなりと決まった。

そういう意味では「ビジネスマンへの」と書名に掲げているものの、本書は必ずしも「ビジネスマンだけ」に向けた本ではない。目次にも、そのことはよく表れている。

目次
第一章 忙しい現代人には歌舞伎が必要である。
第二章 知らないと恥ずかしい歌舞伎の常識
第三章 教養として押さえておきたい演目一二
第四章 歌舞伎見物をスマートに楽しむ
第五章 ビジネスに歌舞伎を役立てる
付 録 より深く歌舞伎を味わうためのブックガイド

悩んだのは、そういう人たちに果たしてどういう情報が必要かということである。そこで盛り込んだのが、後半にあるような、やや実用的な内容だ。食事 はどこで食べたらよいだとか、イヤホンガイドを借りるのは恥ずかしいことではないだとか、成毛さんの経験や体験を元に書いていただいた。

前半は、少し抽象的な言い方になるが、「歌舞伎の面白がり方」のようなものが中心だろうか。本書の中にも書かれているが、読書にしろ、歌舞伎にしろ、「何かに役立てよう」という下心を持ってしまうことが一番いけない。そんな気持ちでは決して長続きしないからだ。

じゃあどうすれば長続きするかというと、自分自身がその対象を虚心坦懐に面白がる必要がある。前半には、そのためのコツが書かれていると思っていただければいい。

面白がり続けていれば、いつしか何かに役立つのを実感する日がくるかもしれない。そういう意味では、歌舞伎の効能は、漢方薬のそれと似ている。すぐには実感できなくても、あとからじわじわ効いてくるというわけだ。

それは、本文中の次の言葉に象徴的に表れていると思う。

「一年に一回、嫌々でも三十代から観ておけば六十代になったとき、若かったころの自分に感謝することであろう」。

師匠、私もこの言葉を胸に刻んでこれからも歌舞伎を観続けたいと思います。

山北 健司  NHK出版・放送学芸図書編集部
料理、園芸テキストの編集部を経て、2012年より現職。主に新書を担当。

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