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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。暑いのか寒いのかよくわからない天気が続きますが、みなさまお元気でしょうか。栗下直也です。

さて、前号で触れたノーベル賞の発表も終わりましたが、例年関心がとりわけ低い経済学賞は行動経済学の権威である米シカゴ大のリチャード・セイラー教授が受賞しましたね。まあ、かなりざっくりいうと、経済学がかつては人間は合理的に行動するという前提を置いてきましたが、人間は合理的じゃないと。合理的じゃない前提から出発して、世の中をよくしよーぜって理論です。たぶん。で、それを彼は「ナッジ(小さな誘導)」と呼びました。そんなのあたりまえじゃねーかよと思うかも知れませんが経済学にそんなに多くを望んではいけません。

で、前置きが長くなりましたが、今回の焦点はセイラ-教授ではないのです。HONZレビュアーの澤畑塁です。

twitterを眺めていたら、澤畑塁が
”「ナッジ」の話を身の回りのことと絡めながらたびたび妻に説いて聞かせているので、リチャード・セイラーがノーベル経済学賞を受賞したというニュースが流れたとき、「またあの話を聞かされるのかよ」とウンザリした表情を浮かべる妻であった。”
とつぶやいており、それは妻じゃなくてもそのような表情を浮かべるわと思った次第です。自宅のトイレの汚れなどをナッジで説明されるんでしょうか。今度、居酒屋で是非、説いて聞かされたいと思ったものです。

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