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HONZの「今週はこれを読め!」

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

メルマガ編集長・栗下直也が未だ正月気分が抜けず社会復帰が遅れておりますため、本日の前文はお休みさせていただきます。次週以降にご期待ください。

<HONZ事務局>

最新記事

“土人”の土産か『アートにとって価値とは何か』

パリでいうならルーブルやオルセー、 ニューヨークであればメトロポリタンやMoMA、グッゲンハイムといった 各都市にはこれだ!という代表的美術館がある。 対して日本には「これが日本の美術館だ!」と言えるようなものが無いような気もする… more


 新井 文月

『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』 多様性があなたの野生を呼び覚ます

本書の主張はシンプル。人類は600万年前の誕生から1万年前に農耕を発明するまで野生の生活を送っていたため、人類の体も脳も野性的な狩猟採集生活、つまり「ワイルド」な状態に最適化されている。そのため、ワイルドという人類本来の状態に身を置けば、よ… more


 村上 浩

『オートメーション・バカ』快適さの代償は、どれくらい?

タイトルからも一目瞭然であるように、本書はオートメーション化していく世の中に対して警鐘を鳴らす一冊である。とは言っても、不可逆な流れに抗うドンキホーテのような視点ではなく、またいたずらにテクノロジー失業を煽るようなものでもなく、オートメーシ… more


 内藤 順

『昭和の名編集長物語』いぶし銀の裏方たち

本や雑誌づくりにおいて扇の要のような役割を担っている、編集者という職業。その中でも編集長の座に就く人物は、作品の良し悪しを左右するキーマンといっても差し支えないだろう。しかし、読者の目の前にその姿がクローズアップされることは少ない。ましてや… more


 峰尾 健一

マイ茶室を持っているという方は挙手願います。『茶室がほしい。 茶室から入る茶の湯の愉しみ』

永江さんは新聞、雑誌方々で活躍する売れっ子ライターで、今年だけでも5冊を上梓した人気の文筆家。『茶室がほしい。茶室から入る茶の湯の愉しみ』は、そんな永江さんがどのような経緯でお茶と出会い、茶室を求め、つくり、そしてその後どうしているのかが語… more


 野坂 美帆

『かぜの科学:もっとも身近な病の生態』 祝!文庫化記念。

人は一生に平均200回の風邪をひくという。しかし予防薬もなければ特効薬だって現れない。もし一発で風邪が治る薬が発明されたら、それだけでノーベル賞ものなのだそうだ。風邪の一種だと思われていたインフルエンザはワクチンもでき、治療薬も数種類見つか… more


 東 えりか

『進化とは何か?』by 出口 治明

本書は、とりわけ個性的な天才学者、ドーキンスによる進化論の講義である。しかもただの講義ではない。1825年、ファラデーはロンドンの王立研究所でティーンズを対象にクリスマスレクチャーを始めた(ファラデーの「ろうそくの科学」という名レクチャーは… more


 出口 治明

『進化とは何か』編・訳者あとがき by 吉成 真由美

この本は、リチャード・ドーキンス(オックスフォード大学、進化生物学)が「宇宙で育つ」と題して1991年に英国王立研究所で行なった、子供たちを対象にした「進化」についてのレクチャーを編集・翻訳し、それに新たに行なったインタビューを加えて、一冊… more


 早川書房

『現実を生きるサル 空想を語るヒト』人間らしさを知ることは、社会の未来を見据えること

本書『現実を生きるサル 空想を語るヒト―人間と動物をへだてる、たった2つの違い』は、人間とそれ以外の生物(特に霊長類)との間にある「ギャップ」(本書の原題は"The Gap")を考えることで、人間とは何かを追った一冊です。 more


 小林 啓倫

12月のこれから売る本-ジュンク堂書店大阪本店 持田碧

「フィクション」と「ノンフィクション」の境界線上にある本、いわゆる自伝や書簡集、日記などに昔から心を惹かれます。事実は小説より奇なり!という面白さはもちろんですが、それ以上に、いつもの日常や無名の人生といった平凡な題材が言葉の力で磨きあげら… more


 持田 碧

12月のこれから売る本-山下書店南行徳店 髙橋佐和子

今回で私の担当が最後となる。HONZと出会えた感謝を込めて丁寧に言葉を紡ぎたいと思う。ミシマ社の営業さんと話をしていると、真剣に本の良さを伝えようとしているのが分かる。こちらも自然と届けたいと思える雰囲気になる。本書を読み、三島さんの考え方… more


 髙橋 佐和子

今週のいただきもの(12月第4週)

昨日は今年最後の公開イベント――「HONZ大忘年会」@下北沢B&B――でした。 年末のお忙しい時期にもかかわらず遊びに来てくださったみなさま、どうもありがとうございました! そして、「今週のいただきもの」も今日が今年最後です。 毎週た… more


 遠藤 陽子

今月読む本

2014年 HONZ 今年の1冊、そして年末年始に読む本

12月も押し詰まった26日の金曜日。多くの会社では仕事納めで一杯飲んで帰るのが普通だろうに、HONZはこの日を忘年会にした。すべて遠藤陽子の陰謀である。その上、B&Bに話をつけて、なんと公開忘年会という暴挙を企画。年の瀬の忙しい時にひとなん… more

 東 えりか

PRえ!?あなたまだ青汁ですか?

青汁は、野菜不足を補うだけですが、ユーグレナには魚の持つDHAやEPAも。
59種類の栄養で、野菜・肉・魚の持つ栄養をバランスよく補います。
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今週の「読むカモ!」今週のレビュー予定です(変更されることもあります)


『「働き方」の教科書 「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本』 編集者の自腹ワンコイン広告

HONZ読者の皆さまには「HONZ客員レビュアー」としてお馴染みのライフネット生命会長・出口治明さんによる「世代別」仕事論です。

HONZ掲載の出口さんの書評は、歴史から科学、文学まで幅広いジャンルにまた がり、それらすべてが深い教養と鋭い洞察に裏打ちされています。簡にして要を得た文章からは明晰な知性がにじみ出ていますし、出口さんがただ者でないこと は皆さまもすでにお気づきのことかと思います。しかもベンチャー企業のトップとして多忙な日々を送っていながら、これだけレベルの高い書評をコンスタント にお書きになっているのです。

そんなスーパーマンのような出口さんは、これまでどのように仕事をしてきたの か。誰しも気になるところだと思います。もちろん出口さんはこれまでにも仕事に関する本を何冊か書かれています。私もそれらの著作を読んできましたし、そ の歯切れのいい物言いや独創的な仕事論に夢中になってきました。ただしそれらの本は、基本的にライフネット生命を起業したときの話がメインでした。今回の 『「働き方」の教科書』がそれと大きく異なるのは、ライフネット生命起業前の話にも重点を置いていることです。

出口さんはどうやって就職先を選んだのか。20代のときはどんな仕事をしていたのか。初めて部下をもったときや、大きな組織を率いたときの話など、出口さんがどんなことを考えながら仕事をしてきたのかが、講義を受けているかのごとく伝わってきます。

本書の中から、出口さんらしいユニークな言葉で語られた仕事論を、いくつか要約でご紹介します。

「仕事は人生の3割」
1年間を時間で表すと8760時間になります。それに対して日本人の労働時間は約2000時間。サービス残業を加えたとしても3割弱にすぎません。この数 字を見れば、人生の本質は3割の仕事(ワーク)ではなく7割の生活(ライフ)の方にあることが分かります。「仕事は人生の3割」と割り切ることが重要なの ではないでしょうか。それを忘れて「仕事がすべて」だと思うと、仕事がうまくいかないだけで、人生がすべてうまくいかないと錯覚をしてしまいます。これは もちろん仕事をおろそかにしていいという話ではありません。仕事は人生の3割にすぎないのだから、失敗を恐れずに思いっきりやるべきなのです。

「仕事はスピード」
人間の能力はチョボチョボで大差がありません。世界最速のウサイン・ボルトは100メートルを9秒58で走りますが、日本の高校生も13秒くらいで走りま す。その差は2倍もありません。人の能力は意外と平等なのです。仕事はスピードと能力で決まります。しかし能力にはたいした差がないので、すべてはスピー ドで決まります。20代のうちはとにかくスピードを意識して仕事をすることが重要です。

「部下はみんな『変な人間』である」
部下をもったときに胆に銘じなければいけないのは、自分と他人はまったく違う人間だということです。生活の面倒をすべて見ている我が子ですら自分の言うこ とを聞きません。まして生活の面倒を見ているわけでもない部下が自分の言うことを聞くわけがありません。人というのは、みな変な人間であり、立派でもな く、なまけものです。そんな部下をうまく働かせるのが上司の役割です。30代ではこのような視点を持つべきです。

「40代になったら得意分野を捨てる」
20代では1人でやる仕事を覚え、30代ではチームで仕事をします。そして40代になると比較的大きな組織を率いて仕事をする人も増えてきます。そのよう な立場に選ばれる人はプレーヤーとして優秀だった人が多いため、プレーイングマネージャーになりがちです。しかしプレーヤーとマネージャーはまったく違う 仕事です。所管が広くなれば、すべてを緻密に見ることはできません。人間の能力には限界があることを知り、得意分野を捨てて、全体を「粗く」見ていくこと が必要です。

「50代ほど起業に向いた年齢はない」
出口さんによると、50歳は人生の真ん中です。人は20歳前後までは親に育ててもらっているから一人前ではありません。20歳で人生が始まるとすれば、寿 命の80歳までは60年。中間地点は50歳というのがその理屈です。50歳になれば会社の中での立ち位置も見えてきますし、子どもの将来もだいたい分かっ てきます。つまりリスク(予測不可能な費用)がコスト(予測可能な費用)になるのが50歳です。仕事のやり方を一通り覚え、リスクがコストになった50代 は、実は若者よりも起業に向いた年齢と言えます。

いかがでしょうか。

一般的なビジネス書には、働く人を駆り立てるような言葉が並びますが、出口さんの仕事論にはどこかホッとするような雰囲気があります。それはおそら く出口さんが歴史や社会といった大きな視点から仕事や会社というものを見ているからだと思います。皆さんも仕事に疲れたときは、この本を読んで、自分の置 かれた状況を少し遠くから見て、肩の力を抜いてみてはいかがでしょうか。

さて、最後にひとつご案内です。

この度、出口さんの『「働き方」の教科書』と、さわかみ投信の澤上篤人さんの『 長期投資家の「先を読む」発想法 』の刊行を記念して、紀伊國屋サザンシアターでトークショーを開催します。出口さんがライフネット生命を起業するときに澤上さん話を聞きに行ったのがお2人の出会いだそうですが、それ以来、「ウマの合う」友人としてお付き合いが続いています。

そんな2人にはいくつかの共通点があります。終戦直後に生まれたこと(澤上さんが1947年、出口さんが1948年)。金融業界で40年以上働いて きたこと。ヨーロッパの金融ビジネスを学んでいること。会社を辞めて、金融ベンチャーを立ち上げたこと。そして、何より大の「本好き」であること。

2人の読書に共通するのは、ビジネス本よりも古典を読み込んでいることです。出口さんについてはHONZ読者の皆様はご存じだと思いますが、澤上さ んもマーケットの「先を読む」唯一の方法は、「人間社会の本質についてトコトン考え抜くこと」で、そのためには「古典を徹底的に読み込むのが一番」と断言 しています。そんなお2人がこれからの日本の経済と日本人の生き方について語ります。ご興味のある方は、ぜひ足をお運びください。

◆第149回紀伊國屋サザンセミナー「投資も人生も長期で考えよう」概要
日時 2015年1月19日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場 紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7F)
定員 468名 ※定員に達し次第、受付を終了させていただきます。
料金 1,000円(税込・全席指定)

■前売取扱(店頭販売)
◎キノチケットカウンター(新宿本店5階/受付時間10:00~18:30、12/31~1/3は休み)
◎紀伊國屋サザンシアター(新宿南店7階/受付時間10:00~18:30、12/30~1/3は休み)

■電話予約・お問合せ
◎03-5361-3321(紀伊國屋サザンシアター/10:00~18:30、12/30~1/3は休み)

内山 淳介  新潮社 ノンフィクション編集部
月刊誌編集部などを経て、2013年より現職。これまで担当した本は、清水潔著『殺人犯はそこにいる』、東条健一訳『決定版カーネギー 道は開ける』など。

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