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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。先週、HONZサイトで告知いたしました「『ノンフィクションはこれを読め!2014』刊行記念HONZ公開大忘年会」(12月26日20時~、下北沢B&B)の開催が迫ってきました。

「忘年会を公開して需要があるのでしょうか?」、「私はガバガバ飲むけど、そんなの公開しちゃっていいのかしら」という遠藤陽子の心配は杞憂に過ぎなかったようで、残席わずかになっています。年末の馬鹿みたいに忙しい時期に、「他にすることがあるだろ」とメンバー一同、自分たち自身に突っ込みをいれたくなる中、お付き合いいただき誠にありがとうございます。

私個人としても、公開朝会は半分は二日酔いで半分は寝不足という状態でしたので、ついに夜会の公開となり、時が来たと万全を期するものがあります。

と、文脈上、「期するものがある」と書いてしまっただけで本当に期しているかは怪しいのですが、当日は会社関係の忘年会で数十分ほど燃料を投入してからフルスロットルで参戦する予定です。興味がありながらも、申し込みがまだの方は是非、御参加ください。

もはやノンフィクションサイトの集いのお知らせではなく単なる飲み会の案内になっている気もしますが、今週もメルマガスタートです。

今週のニュース

【12/21(日)】出口治明さん × HONZ × d-labo × Book Lover's Day

『もっと、本を手に取るきっかけをつくりたい。』をコンセプトとした 森の図書室主催の「Book Lover's Day」 で、この度、豪華なイベントの開催が決まりました! more

 東 えりか

最新記事

世界地図のいろいろ『オン・ザ・マップ』

地図に思いを馳せるーー残念ながら私はそんなロマンチストではなく、地図も全く当てにできない方向音痴だ。しかし、宝の地図や、新大陸と聞けば、やはりワクワクせずにはいられない。古代の人々にとって、地図とはそのようなものであった。南北アメリカが初め… more


 刀根 明日香

『ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌』 第45回大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞作

2014年2月6日発売の週刊文春において、佐村河内守が作曲したという楽曲全部は新垣隆という音楽家が作ったものである、という記事が出た。すぐに記者会見が開かれ、小柄で弱々しい感じがする男性が、すべてを明らかにした。週刊文春は二の矢、三の矢を飛… more


 東 えりか

『深海8000mに挑んだ町工場』町工場の快進撃!

本書は、衰退する東京下町工場が世界初の偉業を成し遂げるまでの過程を追ったノンフィクションであり、町工場のおじさんがぶち上げた深海探査機の開発構想が実現に至るまでの紆余曲折を描いている。新規プロジェクトのワクワク感と産みの難しさが詰まった一冊… more


 久保 洋介

科学の女神ここに微笑む 『サバからマグロが産まれる!?』

どんな研究がいい研究か?いろいろな考えがあるだろうけれど、わかりやすい研究がいちばんだ。気の利いた小学生高学年の子にわかるように説明できる研究、というのがひとつの条件だと常々思っている。この本の著者である吉崎さんの研究目的はほんとうにわかり… more


 仲野 徹

刑事の凄みが匂い立つ 『張り込み日記』

実際の殺人事件を捜査する刑事たちに密着・撮影した、実録写真集。時代は、戦後まもない昭和33年、モノクロの陰影がバラバラ殺人の謎を深めていく――神保町でイギリス人に「発見」され、フランスの出版社を経て、日本でも刊行された評判の写真集をもう見ま… more


 足立 真穂

『サバからマグロが産まれる!?』 ヤマメはもうニジマスを産んでいる

 サバがマグロを産むとはなんとも信じがたいが、東京海洋大学の著者らは既に、ヤマメにニジマスを産ませることに成功している。結論から言ってしまえば、まだサバからマグロは生まれていない。それでも著者は、この研究は頂上までの道程の9合目に達している… more


 村上 浩

あなたも絶対欲しくなる! 新刊超速レビュー
『スター・ウォーズ英和辞典 ジェダイ入門者編』

タイトルどおり、英和辞典である。中学レベルの英単語を約1,000語。英和辞典としては、訳語と活用形くらいしか書かれていないので、最低限の情報しかない。が、それぞれの単語には、例文が添えられている。その文章は、すべて、映画スター・ウォーズで使… more


 仲野 徹

『孝謙・称徳天皇』by 出口 治明

意欲作の多いミネルヴァ日本評伝選の1冊である。異例の女性皇太子を経て即位、恵美押勝の乱に勝利し、道鏡を用いて仏教を基軸とする政治を推進した奈良時代最後の天皇を描いた力作である。専門書に近い内容で簡単に読み進める訳ではないが、この個性的な女帝… more


 出口 治明

『小説フランス革命13巻 サン・キュロットの暴走 』文庫解説 By 東 えりか 

『小説フランス革命」の解説を依頼いただいたときに、最初に思いだしたのが『複合大噴火」、そして歴史気候学について読んだ一連の災害とその影響である。18世紀の百年は、大きな自然災害が重なった。本書8巻の解説で永江朗氏が書いているように1783年… more


 東 えりか

出版業界に新風!『コミック 証明の探究 高校編!』

やあやあお久しぶりですお元気でしたか、と挨拶を交わした後、私は途方に暮れていた。とある本について熱く語る営業氏に、正直とても困っていた。・・・営業氏から目をそらす。しかし、くじけてはならない。・・・斬新すぎる新刊販促企画、想像の斜め上いって… more


 野坂 美帆

出版業界のミュージックシーンを変える!『コミック 証明の探究 高校編!』その後

とある夜、晩御飯の後、焼酎の湯割りを片手にいそいそとこたつに潜り込む。つまみは『証明の探究』、前回ご紹介した『コミック 証明の探究 高校編!』の元となった本である。 more


 野坂 美帆

まだ間に合う!2014年はこれを読め!
HONZ年間アクセスランキングを発表

12月というと、出版業界にとっては様々な「年間ベスト」が発表され、お店の売場が賑わう時期です。今年は年末に興味深い本が数多く出版され、読みたい本・積ん読本の数と読書に使える時間が反比例しております。 こんな時期なので、私も何かベストっ… more


 古幡 瑞穂

12月のこれから売る本-大垣書店烏丸三条店 吉川敦子

一年の終わりが近づいています。振り返ると、いつも周りの方々に助けられ、励まされ、支えられてここまでこれたなぁとしみじみ思います。とりわけ仕事関係の方々には大変お世話になりました。 more


 吉川 敦子

今週のいただきもの(12月第2週)

12月も半ば、忙しくて本を読むどころではないという方も多いのではないでしょうか。かくいう私も今月は忘年会に追われ、まだ一冊も読めておりません。 もっとも私の場合、村上浩に会うたびに「遠藤さんって、ほんと本読んでないよね」と言われております… more


 遠藤 陽子

PRえ!?あなたまだ青汁ですか?

青汁は、野菜不足を補うだけですが、ユーグレナには魚の持つDHAやEPAも。
59種類の栄養で、野菜・肉・魚の持つ栄養をバランスよく補います。
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今週の「読むカモ!」今週のレビュー予定です(変更されることもあります)


『僕たちが結婚できない理由』 編集者の自腹ワンコイン広告

僕たちが結婚できない理由
作者:大宮冬洋
出版社:日経BP社
発売日:2014-12-03


「結婚できない」のか「結婚しない」のか。30代、40代の独身男性が増え続けている。少し前のデータになるが、2010年の国勢調査では30歳から34歳の男性の未婚率が47.3%に達している。ほぼ2人に1人が未婚という状況だ。

電子書籍「僕たちが結婚できない理由~ロスジェネ未婚男22人の本音~」は30代の独身男性にフリーライターの大宮冬洋さんが取材し、恋愛や結婚に対する本音を引き出したインタビュー集だ。

この世代は大学3、4年生で就職氷河期を経験したことから「ロストジェネレーション(失われた世代)」と呼ばれている。同世代の大宮さんが友人や仕 事仲間など気の置けない人々と酒を飲みながら、恋愛や結婚について本音で語り合うコラム企画としてWebに連載され、絶大な人気を集めた。掲載は2008 年から2009年で、独身男性50人に話を聞いた。

2011年からはその50人を追跡取材し、再びコラムとして連載した。取材に応じてくれたのは38人。毎月1人ずつ取材して3年余りで連載を終えた。大宮さんのアイデアで両連載をまとめて、未婚だった男性22人のインタビューを電子書籍化した。

未婚者のインタビューだけを集めたのは受け答えのダメっぷりが読んでいて面白いこともあるが、作品としてまとめることで、男性たちが結婚しない、できない理由が見えてくるのではと思ったからだった。

当初は年収で区分し2冊にする構想もあった。22人を年収順に並べ、2分した場合区切りは550万円だった。男性の結婚において、年収は非常に大き な要素だ。男性の年収と婚姻率には因果関係があることは「男性不況」(東洋経済新報社、永濱利廣・著)でも指摘されている。実際に大宮さんのコラムで取材 したケースでも、男性の年収が多いほど結婚している確率は高いし、独身でも彼女がいる割合は高い。

結局、年収では分けなかった。22人のインタビューを繰り返して読んでいると、収入の問題ではないな、との実感を持ったからだ。登場人物には年収 2000万の弁護士や医師、キャリア官僚もいる。むしろ、読めば読むほど、登場人物の自己愛の強さを感じる。とにかく、自己中心的な人々なのだ。恋愛でも 結婚でもまずは自分優先という人ばかりだ。

大宮さんは「あとがき」で、結婚できない、というより「しない」男たちと総括した。校正のために読み直して、そう感じたそうだ。大宮さんが指摘する ように、彼らは他者を切実には求めていない。誰かと一緒に住んで、気遣いをするぐらいなら独身生活の方が気楽で自由に過ごせるのだ。確かに今どきの結婚は 彼らにとって必須ではなくて「趣味嗜好の一つ」に過ぎないのかもしれない。

私もあとがきをもらった後、いったんは書名を変更しようかとも考えた。彼らは「結婚しない」ことを自ら選択していると感じたからだ。悩んだ末に「結 婚できない」を選択した。彼らの生活は気ままで楽しそうではあるが、読んでいてそう幸せそうには見えない。積極的に「結婚しない」ことを選択しているとは 思えず、どこか逃げていると感じた。だから「結婚できない」の方が彼らにはよりふさわしいのではと考えた次第だ。

登場人物は「結婚相手に出会えない男」「結婚に踏み切れない男」「結婚に積極的になれない男」など6タイプに分類した。友人、同僚、部下など、あなたの周囲の独身男性と比べてみてほしい。彼氏が登場人物にどこか似ていると感じた女性は特に注意が必要だ。

西村 勝彦  日経BP社 nikkeiBPnet編集長
日経ビジネス、日経ロジスティクスなどの雑誌記者を経て、Webサイトのコンテンツ編集を手がける。2013年4月より現職。

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