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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。前号で元横綱朝青龍氏の断酒になぜか言及しましたが、先日千秋楽を迎えた大相撲春場所の結びの一番に対する氏のコメントが話題になっていましたね。詳細は省きますが、ネット上では総スカンを食らっているようです。確かに、褒められたものではありませんが、シラフであのような発言をできるなんて、「このままではブラックな人間になる」と思い断酒した意味が全くないではないかと妙に感心してしまった次第です。私などホッピーと日本酒を5杯ずつちゃんぽんしても小心者なのであんなこと言えません。

私、先週号のメルマガで元横綱朝青龍に倣って断酒と書きました。「酒飲まなくても人間変わらないじゃん」と思ったわけではありませんが、4日で解禁してキンミヤ焼酎750ミリリットルを買って家路につきました。幸せでございます。

さて、ここ数号、思いつきで無理矢理にでもHONZのメルマガらしく本の紹介をしてきましたが、今週のイチオシは『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』です。アナキスト大杉栄のパートナーで関東大震災後に大杉とともに虐殺された伊藤野枝の評伝です。

ちなみに私、アナキストでも全くなく、どちらかというと「最低限のルールを守らない奴はあの世に逝ってください」と思っているタイプの人間です。個人の思想に関係なく、読んでひたすら笑えるノンフィクションです。

最近、栗下標準では節度のあるメルマガの前文を心がけてきたからでしょうか。頁をめくって腰を抜かしました。いきなり「あの淫乱女!淫乱女!」と太字で書いてあります。東京メトロ丸ノ内線の通勤ラッシュ時に立ちながら読み始めた自分を呪いました。隣のおねーさんがかわいそうでなりませんでした。決してあなたのことではありません。

小見出しだけ拾ってもひどいこと、ひどいこと。「お父さんは、はたらきません」、「ど根性でセックスだ」、「青鞜社の庭にウンコをばら撒く」、「カネがなければ、もらえばいい、あきらめるな!」、「マツタケをください」。これでそそられなかったら、何にそそられるってフレーズが並びます。春本番を迎えながらも鬱屈したあなたにぴったりの一冊です。

今週もメルマガスタートです。

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今週の「読むカモ!」今週のレビュー予定です(変更されることもあります)


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