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こんにちは。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。本業が休暇のため、前文の作業を事務局にぶん投げて、海にでも行こうと思っていたのですが、先週のメルマガを数行で終わらせてしまったため、「そのくらい書け」、「普段から休みみたいなものだろ」といわれかねず、渋々書き始めた次第でございます。宴会で数時間放置されたビールのような切れ味のない、相変わらずのグダグダな始まりです。
さて、ビールで思い出しましたが、私、ビールを飲みながら本を読むことを最高の喜びにしているのですが、休暇に突入したこの5日間、本を1ページも読んでおりません。ビールばかり飲んでおります。知識は膨らまず、下っばかり大きくなる日々です。
もう開き直って、残り少なくなった夏を楽しむためにも、お祭りに行って、飲んで踊るしかありません。そんなわけで、今週の編集者の自腹ワンコイン広告は『今日も盆踊り』。タイトルと表紙だけで買いたくなる一冊です。この宣伝をするために、重いからだを奮い立たせました。今週もメルマガスタートです。
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集英社インターナショナル |
100年続く会社を作ること。100年続く老舗をめざすこと。100年続く事業を育てること。本書には100年という言葉が何回も出てくる。学ぶべき先輩企業は創業180年目を迎えようとしているエルメスや、室町時代からつづく和菓子の虎屋だという。この… more
成毛 眞 |
第二次世界大戦中に米国戦略諜報局(OSS)が作成したサボタージュマニュアルの翻訳本である。このマニュアルは枢軸国の占領下にある市民にできるかぎり仕事を怠けさせ組織の非効率化を図ることにより、枢軸国側の占領政策を混乱に陥れ、士気の低下や軍需物… more
鰐部 祥平 |
何といっても先週に引き続き、今週もあの伝説の奥義が飛び出してしまったわけです。これでは黙っているわけにもいきません。 それではさっそく、今週の人気記事の中からAmazon在庫切れの本を紹介していきましょう。 more
内藤 順 |
人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第2回は「「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ーー 未来が後ろにあった頃」について。未来の指す方向から読み解く、時間と空間の… more
集英社インターナショナル |
2011年7月から始まったHONZでは、第二次世界大戦関係の本をたくさん取り上げてきた。終戦70周年の記念に、この4年間で紹介してきた関連書をもう一度紹介しよう。日本だけでなく、ヨーロッパ、アメリカ、中国と国の事情もさまざまである。興味を覚… more
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青汁は、野菜不足を補うだけですが、ユーグレナには魚の持つDHAやEPAも。
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日本の夏、海に花火に盆踊り。みなさん最近「盆踊り」行きましたか? HONZ読者のみなさんのような大人世代は、実は盆踊りに接する機会は少ないかもしれません。ましてや、盆踊りのために旅したり、徹夜で踊ったりなんて「何それ?」と思われることでしょう。はい、担当者も2年前はそうでした。それが「人見知り男子」と「リズム感不安な野宿女子」という盆踊りにハマったふたりに出会い、一緒に踊ってみて、その深さおもしろさにときめいて作ったのが本書 『今日も盆踊り』 です。
著者ふたりはともにミニコミ編集長、『恋と童貞』の小野和哉さん、『野宿野郎』のかとうちあきさんです。ディープなミニコミを作るふたりのこと、面白いものへの嗅覚は鋭いわけですが、なぜに盆踊りだったのか。そもそものきっかけは、ママチャリで日本一周していたかとうさんが金沢に行く途中、たまたま遭遇した「郡上おどり」。朝まで熱狂的におどる徹夜おどりに衝撃を受けて、地方独自の盆踊りに出かけるようになったそうです。
かとうさんに誘われた小野さんの盆踊り初体験は、東京下町の「佃島の盆踊り」。本書では「DJジジイがマイクとバチを握り江戸のビートを刻む」と表現していますが、確かに行ってみたらやぐらの上のご老人の、絞り出すような生唄と太鼓だけでゆったりとした動きで踊る、シュールな盆踊り。「炭坑節」や「東京音頭」がかかる、いわゆる近所の盆踊りとはまるで違うカルチャー。いや驚きでした。
日本全国にはさまざまな盆踊りがある。何より盆踊りって楽しい!ということに目覚めたふたりは、昨年夏からほぼ1年かけて、日本全国さまざまな盆踊りに参加してその体験を綴っていきました。青森のキリスト祭「ナニャドラヤ」、最近復活し反原発運動でも踊られていた福島・会津の「かんしょ踊り」、注目の秘境、奈良県十津川村に伝わる無形文化財の盆踊り、現代音頭作曲家山中カメラさんが新しく作った松山・道後温泉の「道後湯玉音頭」などなど、ユニークで魅力的な盆踊りの数々を紹介しています。
そのほか、盆踊り達人たち(年間100本以上踊る盆おどラー、盆踊り情報個人サイト管理人、祭りデザイナーなど)へのインタビュー、盆踊りの魅力を語り倒す対談なども。盆踊り好きには生歌派とレコード派がいて、それぞれ行く会場が違うとか、東京でいちばん早く開催される(6月中旬)会場でのあいさつは「あけましておめでとうございます」とか、錦糸町河内音頭は踊らずに音楽を聴きにいくミュージシャンも多いとか、実に深い世界がひろがっています。
冒頭にあげたように、小野さんは「人見知り男子」、かとうさんが「リズム感不安な野宿女子」です。ライブに行ってもリズムにのれなくてイマイチ楽しめない、というかとうさんは振りが決まってて究極の反復運動だからトランス状態になれる、と。各盆踊りのレポート部分は小野さん担当ですが、知らない土地で知らない音頭を踊り、地元の上手なマダムから教わったり、「昔はこうだったんだよ」なんておじいちゃんたちの話を聞いたり、踊りを重ねていくうちにさまざまな発見をしていく、人見知りボーイの成長物語としても読めるのではと思います。
こうして、踊りながら、踊り好きな人に聞きながら、なんとか盆踊りシーズン直前にできた本書です。刊行記念のイベントでは「しゃべるよりも踊りたい」と、生歌生演奏での盆踊り、河内音頭大会など急遽行って盛り上がりました。そのなかで、昔からある盆踊りを今につなぐものとしてよみがえらせた甲府の「新縁故節」という音頭では、その場にいる人に歌詞を考えてもらい、即興で歌い踊る、という試みをしました。歌詞は都々逸、七・七・七・五にのせるというもの。ここで不肖担当が考えた歌詞を披露させていただきます。
今日も盆踊り明日も盆踊りを踊るふたりは(そらさこらさ)
*甲府弁で「しょうがないね」という意味
踊るこの世は踊るこの世はラブ&ピースさしょんがいね*
初めて会った人たちと輪になって踊る、そこで生まれる多幸感、これはまさしくラブ&ピース。お盆は死者の供養である一方、盆踊りは夜に堂々と男女が出会う場であり恋愛、性、生命の誕生の象徴でもあるといいます。夏、平和を考えるこの季節にこのピースフルな体験をすることは、もしかして今必要なのかもしれない…踊りながらそんなことが頭をよぎるのでした。
刊行イベントをひととおりこなし、著者ふたりは早速盆踊りの旅へ出かけていきました。今頃は、郡上か、秋田か、それとも地元か…今はシーズン真っ最中で踊るのに忙しいけれど、いつか「『今日も盆踊り』盆踊り大会」を開くのが、目下の野望…踊りたくなった方、ぜひご一緒に!
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