>> 正常に表示されない場合はこちらから

HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。本年もよろしくお願いいたします。みなさん、今年の初読みは何でしたか?私は意識は高く、腰は低くを2017年の目標に掲げ、大晦日に『時間と自由意志』をポチりました。これ序文を読んで面白そうだったのですが、いまだにamazonの梱包をといておりません。いきなり躓いております。そんな私の今年の一冊目は『仁義の報復 元ヤクザの親分が語る埼玉愛犬家殺人事件の真実』でした。この本、人が行方不明になりすぎて、ヤバいです。

結局、いつもどおりの読書で新年を迎えたのですが、今年の元日は休日祝日当番で出勤でした。とはいえ、当然ながら、年明け早々することがあるわけもなく、インターネットを見ていましたら、編集長の内藤順が恒例の元旦レビューを更新していました。『人質の経済学』。内藤順は元日から面白いな、偉いなーと、家に帰るとその内藤順から年賀状が届いておりました。

「おお、内藤さんからだ」と、裏面を見ますと、よろしく!の文字の脇には、湯気が立つ「ふん」のようなモノが書いてありました。「ふん」って「ふん」ですよ。何度みても、とぐろを巻いた「ふん」にしか見えない。年賀状に「ふん」。酔っ払ってるのか、私は。あまりの衝撃に親族に「これ、『ふん』だよね?小学生時代に地理で習った温泉の記号じゃないよね?」、「こりゃ、『ふん』だね」などと正月らしからぬ会話が栗下家では繰り広げられました。

内藤順のみが、あの絵が何なのかを知っているのですが、まあ、あれが何であろうと、どうでもよいのかもしれません。年明けのメルマガのネタ枯渇を気にして、崖から飛び降りるような気持ちで「ふん」のような物体を書いてくれた気概が嬉しいではないですか。と、超前向きに捉えて、今年は生きたいと思います。「ああ、栗下に書くことねー、あいつ返事もよこさないし、『ふん』でも書いとくか~」ってな理由では決してないと信じております。私も他者のために頑張れる一年にしたいものです。

今年もメルマガスタートです。

最新記事

『わたしと統合失調症 26人の当事者が語る発症のトリガー』リカバリーを生きるということ

本書は26人の統合失調症当事者=「リカバリーを生きる人々」の体験談と、編者の精神科医・佐竹直子氏の解説により構成されている。本書の体験談は発症時のトリガー、そしてその後本人がリカバリーし、どのように病と向き合って生きているのかを中心に書かれ… more


 小松 聰子

年末年始は書籍の売上が絶好調! 『サピエンス全史』の勢いが止まらない!?

今年も年末年始は書籍の売上げが好調! 幸先良いスタートを切ることができました。2014年~2015年の年末年始はピケティの『21世紀の資本』が大ブレイク、それを読んでいた人が2015年~2016年の年末年始で読んだのは『ギリシア人の物語[I… more


 古幡 瑞穂

20代の自分に読ませたい 『コンプリメントで不登校は治り、子育ての悩みは解決する』

本書の主張は力強い。「親の力で子どもの心に自信の水を満たせば、不登校は治る」と断言しているのである。しかも、その主張は実証研究に基づいている。教育現場で読まれる雑誌『教育技術』の編集長の薦めでまとめられたというから、その信頼性は高い。前著『… more


 吉村 博光

『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い

わたしたちの記憶はどうして移ろいやすいのか。また、記憶がときとして大きく歪められてしまうのは、いったいどうしてなのだろう。本書は、そのような問題にイギリスの若手研究者が迫ったものである。著者のジュリア・ショウは、「過誤記憶(false me… more


 澤畑 塁

『パリの住人の日記Ⅱ1419‐1429』

英仏100年戦争の後半期、1405年からパリの住人(名前不詳)が日記を書き始め、それが写本の形で残った。15世紀初頭のパリの実相を伝える貴重な資料としてホイジンガの「中世の秋」にも度々引用されている。本書はその名訳で(Ⅰ巻は2013年刊行)… more


 出口 治明

年の初めのウンだめし『タイムマシンで戻りたい』

大きな声では言えないけれど、誰もがみんな疵を持つ。ああ、こんなエピソード、こんな記憶。 もしこの体験が無い人は幸いである。できればこの先、一生、味わうことの無からんことを。 more


 東 えりか

『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』

本書『Heirs to Forgotten Kingdoms』は、アラビア語とペルシア語を流暢に操り、イギリスおよび国連の外交官を務めた経験をもつ著者ジェラード・ラッセルが、中東の宗教的少数派のコミュニティを訪ねて旅し、現地の言葉で丁寧に話… more


 亜紀書房

世界をより鮮明に理解するために──『ホワット・イズ・ディス? むずかしいことをシンプルに言ってみた』

すべての人間が一カ所に集まってジャンプしたり、光速に近いボールを投げたらどうなるか? といった現実的にはありえない質問に対して、ユーモアたっぷりのイラストと科学的に正確な解説を添え、愉快に物理や数学のおもしろさを体験させてくれた『ホワット・… more


 冬木 糸一

『京舞つれづれ』人間国宝の家元が綴る、男子禁制の舞、花街の宝

著者は京舞井上流のお家元、五世 井上八千代さんである。本書は自身の生い立ちや、舞のなんたるかを後世に伝えるべく、お家元みずからの言葉で書き綴ったお宝だ。いまどき珍しい函入りの本で、美しく装丁された上製本だから、粋人であれば是非にも書棚にいれ… more


 成毛 眞

宇宙植民の可能性を問う──『宇宙倫理学入門──人工知能はスペース・コロニーの夢を見るか?』

近年イーロン・マスク率いるスペースX社を筆頭に、民間企業による宇宙開発が加速している背景があるが、本書は「宇宙倫理学」と書名に(聞き慣れない言葉だ)入っているように、そうやって人間が宇宙に出ていく際に不可避的に発生する倫理/哲学的な問いかけ… more


 冬木 糸一

『人質の経済学』地球を駆け巡る、壮大なるブーメラン

本書は、そのデリケートさゆえにあまり報じられることのない誘拐ビジネスや人質交渉の舞台裏を起点に、グローバル化した世界経済の闇の部分を描き出した一冊だ。著者はテロ・ファイナンスを専門とする女性エコノミスト。犯罪ネットワークの全貌や歴史的な背景… more


 内藤 順

『ロレンスがいたアラビア』

ロレンスがいたアラビアには、他にもロレンスと同じような境遇の尖った若者がいたのだ。アメリカ人イェール(スタンダード・オイルの情報員)、ドイツ人ブリューファー(学者でスパイ)、ユダヤ人アーロンソン(シオニストのスパイ組織の首謀者)である。本書… more


 出口 治明

2016年 今年の一冊

決められないのは分かっている。それでもやりたくなってしまうのが、本読みの性。今年も2016年最高の一冊を決めるコーナーがやってきた。とにもかくにも、今年はノンフィクションの当たり年だったと思う。次々から次へと読み切れないくらいの良書が発売さ… more


 内藤 順

『地方創生大全』唯一最大の課題は、稼ぐことと向き合うこと

木下氏は、地方再生のポイントは「稼ぐことと向き合うこと」であると喝破して、次のように語っている。「稼がず、再配分の資金をもらって適当にやるのが楽でいちばん良いという発想こそ、地方衰退の原因でもあります。唯一最大の課題は、ちゃんとやる気になっ… more


 堀内 勉

今週の「読むカモ!」今週のレビュー予定です(変更されることもあります)


送信専用メールアドレスから配信されています。
このメールにご返信いただいても内容の確認・回答はできません。
お問い合わせ、ご不明な点は info@honz.jpまでご連絡ください。配信解除はこちらからお願いいたします。

ノンフィクションはこれを読め!http://honz.jp/
Copyright © HONZ All Rights Reserved.