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こんにちは。栗下直也です。
めっきり涼しくなってきましたがいかがお過ごしでしょうか。私も、暑さに頭がやられず、まともな前文がかけそうな季節が到来し、うれしい限りです。
先週来、ネット界を震撼させたのが、『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』の内藤順編集長による書評。本日午前9時45分時点で5702いいね!を記録しております。もはや、書評のいいね数というよりも、安居酒屋のお会計みたいな数値にただただ驚くばかりです。
内藤編集長がサイトの価値向上に奔走するだけでなく、精力的にレビューを書くなか、メルマガ編集に携わる私とメルセデス新井のコンビは酔いどれ日記を書いたり、四コマ漫画やらを載せたり。やりたい放題で、HONZの運営に全く貢献している気配がありません。
さすがに危機感を覚え、ネタでも探そうと書店にぶらりと行ったら、何ともメルマガ向きの本を見つけてしまいました。
『東大名誉教授の私が「死ぬまでセックス」をすすめる本当の理由』(マキノ出版)
「東大名誉教授」と「死ぬまでセックス」の決してが同じ空間に配置すると思われないワードが並び立った奇跡。表紙が若干、墓っぽく、直感的に死を意識せざるをえない装丁。ほれぼれするマーケティング能力です。レジが妙齢の女性でなければ、黙って即買いの一冊です。
本当はここで、『東大名誉教授~』の内容を紹介しようと思ったのですが、何だかページを開く前にお腹一杯になってしまいました。まさかのタイトルと表紙のみの感想という我ながら斬新すぎる展開です。
本来ならここで「今週もメルマガスタートです」と雪崩式に終えるのですが、夏が過ぎ秋になり、HONZメルマガも無駄に粘り強さを発揮しします。自分自身に呆れながら、パソコンをいじっていたら、どこかに書いた同じ著者の『なぜヒトだけがいくつになっても異性を求めるのか』の書評が出てきました。タイトルからして内容は似ているから、とりあえず載っけときます。
超高齢社会への突入を控え、老人の性生活はどうなっているのか。東京大学で医学部長まで務めた七十代の著者が五十代から九十代の男女、約八十人に聞き取り調査をした。「高齢者の高齢者による高齢者のための性生活読本」と言うべき一冊だ。
「七十八歳までは元気すぎて困るくらいでした」(八十歳・男)、「外に女がいた主人とは、八十歳のころまでありました」(八十四歳・女)。聞き取り調査で明らかになるのは、性生活が高齢者にとっても生活に不可欠な意外な実態である。
調査を受け本書の後半では他の動物と異なり、体の仕組みや機能的に人だけが死ぬまで現役でいられることを最新の医学情報に基づき、解説する。
日本では戦後の高度成長期の「モーレツ」な働き方が家庭から性生活を駆逐してしまった。ただ、皮肉にも「失われた十年」の後の低迷でサラリーマンの働き方は転換点を迎え、ライフスタイルが見直されつつある。「死ぬまでセックス」は決して雑誌の煽り文句ではない。
てか、何なんでしょう、このノリ。明らかに週刊誌の煽り文句だと思います。はい。戦後の高度成長期とか格好付けています。最後の段落の「何か言っているようで何も言っていない」感がすごいです。ショーンKか。古いか。かすかな自尊心が垣間見えるところがなんとも苦しいです。大丈夫か、三年前のおれ。
とにもかくにも、『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』は面白いですよ。
今週もメルマガスタートです。
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