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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。昨夜、神田で飲んでいたのですが目が覚めると「高尾」って駅にいました。どうやら高尾山の高尾らしいことに気づくのに数十秒かかりました。15年ぶり3度目の意図せずしての深夜の高尾です。なぜか普段かけている眼鏡もなく、看板読むのにも一苦労です。埼玉方面の私の家からは全くの逆方向です。ちなみに、深夜に登山する趣味はありません。もちろん電車はすでになく、泥酔した頭で、「このタクシー代で面白い本がたくさん買えたのに、乗り過ごしてもせめて日野駅までだろ」と激しく後悔しながら今に至ります。ああ、あの本もこの本も買えたのではと呟きながら今週もメルマガスタートです。

今週のニュース

「HONZ×東洋経済オンライン」がスタートしました!

本日7月5日より、東洋経済オンライン内に「今週のHONZ オススメ書評はこれだ!」というページがオープンし、HONZからの記事配信がスタートしました。新世代リーダーを読者層とする東洋経済オンラインにおいても書評へのニーズは高く、より幅広い読者の方にノンフィクション書籍の面白さを伝えていければと、考えております。 more

 内藤 順

最新記事

『愛を科学で測った男』 愛情と孤独のあいだ

本書は、サルによる実験を通じて「愛情」の研究を行ったハリー・ハーロウ教授の伝記である。 著者は、「霊長類を動物実験として用いることについての倫理問題」を論じた連載でピュリッツアー賞を受賞し、当初はハーロウ教授が行った実験について批判的であ… more


 高村 和久

鼻孔をくすぐる悲しみ『世界はフラットにもの悲しくて』

洋書の写真集が好きな私は、大型書店を訪れた際には必ず洋書コーナーで様々な写真集を眺める。必ず手に取るのは、ファッション写真と報道写真だ。ファッション写真は人間の美しさを私に教えてくれる。そして報道写真は広い世界に渦巻く人間の業と悲しみを教え… more


 鰐部 祥平

孤高の理想家『僕はポロック』

芸術家にも色々なタイプがいて、ミケランジェロのようにルネサンスのギルドでその腕を発揮する人もいれば、ゴッホのように耳を裂き苦悩しながらも純朴に内面美を追求する人もおり、ピカソのように頭脳と腕を駆使して王座に君臨する人間もいる。ジャクソン・ポ… more


 新井 文月

つなげ!つなげ!『紙つなげ!』たすきを渡し、思いよ届け!

つなげ!つなげ!つなげ!人は常に誰かを必要としている。そしてきっと、誰かに必要とされている。生きている限り、いくつものたすきが様々につながり続け、行き来し続ける。受け取って、渡す。渡して、受け取る。幾重ものつながりのなかに、いる。その永々と… more


 麻木 久仁子

『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』新刊超速レビュー

昨年、地元の駅が改装されて、その中に成城石井ができた。それからというもの輸入菓子や、ワインなどをよくそこで購入するようになった。輸入菓子はちょっと高いけれども、成城石井じゃないと売ってないものも多くとても重宝している。 more


 田中 大輔

「上書き保存」で、記憶を編集する

「パーシャル・リコール」では、記憶の一部 --もう少し具体的に言えば、トラウマなるような強い恐怖など-- を消去できるかもしれない、という話なのです。こう言われると、「えっ! 記憶を操作するなんて、そんなことやっていいの?」、「記憶って、個… more


 青木 薫

7月のこれから売る本-山下書店南行徳店 髙橋佐和子

7月といいますと、まだ梅雨が続きます。じめじめして雨ばかり降って洗濯物が乾かない。普通なら好きではない季節なのでしょうけれど、私は結構好きな季節だったりします。とは申しましても、正直、じめっとした中で食欲が減少してしまうときもあります。本は… more


 髙橋 佐和子

7月のこれから売る本-日販 古幡瑞穂

惹句に「世界24ヵ国同時刊行! 未公表の最高機密文書、多数収録!」という賑やかな言葉が踊る『暴露―スノーデンが私に託したファイル―』が今月のテーマです。 more


 古幡 瑞穂

今週のいただきもの(7月第1週)

うっとうしい雨の日が続いていますが、梅雨はゆっくり本が読める時期でもありますね。 私は先週、城のつくりや攻め方、守り方についての本を読んだところ、急激に城への興味が高まり、この週末は愛知へ城めぐりに来ています。 more


 遠藤 陽子

今月読む本

7月の今月読む本 その1

2011年7月に立ち上がったHONZは無事に4年目を迎えました。パチパチパチ! みなさまのご愛顧に感謝し、レビューアー一同、なお一層面白いノンフィクションを捜し、読み、書いて多くの方に興味を持っていただきたいと思っています。どうぞよろしく… more

 東 えりか

7月の今月読む本 その2

梅雨らしい日々が続いていますね。本読みにはいい天気ですが、ゲリラ豪雨にはまいってしまいます。カバンの中に入れておいた本までグショ濡れには泣きたくなりました。紙は本当に水に弱い。HONZで強力プッシュ中の『紙つなげ!』のことを考えながら、扇風… more

 東 えりか

PRえ!?あなたまだ青汁ですか?

青汁は、野菜不足を補うだけですが、ユーグレナには魚の持つDHAやEPAも。
59種類の栄養で、野菜・肉・魚の持つ栄養をバランスよく補います。
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『慶應小論文で鍛えるロジカルシンキング』 編集者の自腹ワンコイン広告

慶應小論文で鍛えるロジカルシンキング
作者:池田 五律
出版社:翔泳社
発売日:2014-06-24

こんな入試問題があることを知っていますか?

この本は、小論文試験の中でも最難関とされる慶應大学の経済学部・商学部の入試問題をベースに、ビジネスパーソンに必要な経済学的思考とロジカルシ ンキングを身に付けようというものです。実は、慶應大学の入試科目には「国語(現代文、古文、漢文)」はなく、多くの受験生は小論文入試を受けています。

小論文試験というのは、簡単にいうと現代文よりも長い課題文を読み、問われた内容について100字~800字で解答するというものです。

たとえば、2008年の経済学部入試問題では、ユニークな展示で有名な北海道の旭山動物園の取り組みを紹介した課題文と、以下のような設問が出題されました。

ある市には動物園がまだありません。そこで市立動物園を新設することを検討しています。あなたがこの市の職員だとして、市立動物園解説について市民 が賛成してくれるように訴える文章を書くことになりました。課題文のみに囚われず、あなたの考える根拠も含めて、行政側から市民を説得する文章を300字 以内で書きなさい。

解答例は本書を読んで頂きたいのですが、「みなさん、わが市にも動物園をつくりましょう。観光資源にもなるので、経済が活性化します~」などという単純な解答ではほとんど得点になりません。自分で問題設定をして、説得力のある文章を論理的に書かないといけないのです。

ユニークで骨太な入試問題は東大以外にもある

著者の池田五律先生は河合塾で20年以上小論文の指導をしている大ベテランで、私の恩師でもあります。私が東京の出版社で働くようになったある日、 「そういえば、池田先生は酒が大好きだったな。久々に会ってみよう」と声をかけて、新宿の思い出横丁において再会を果たしたことが縁で本書の企画が立ち上 がりました。

池田:「昆君、慶應大学の小論文試験って本当によくできてるんだよ」
私:「僕が受験生のときは『家族問題を論じよ』とかありましたね」
池田:「環境情報学部では『21世紀にふさわしいモノやサービスを発明してください』とか出題されるし、経済学部では高校では教わらない最新経済学がテーマになるんだよ」
私:「面白そうですね。今度読んでみます」

14年ぶりに赤本を購入し、受験生の目線ではなく、編集者の視線で読み直してみると、「論理的思考」「他者を説得する文章力」「経済学的なセンス」を問う非常に骨太な内容であり、大学生だけでなく社会人にとっても有益だということがわかったのです。

また、「最近ではほとんどの航空会社が旅客機の中を全面禁煙にしている。本文の内容を前提とした場合、その理由として考えられることを100字以内で書きなさい」といったように、問題文自体もユニークで頭の体操になるものが数多くありました。

「東大のユニークな入試問題は度々ニュースのネタになるが、いやいや、慶應もなかなかのものじゃないか。ぜひ、これを題材にしたビジネス書をつくろう」――。これが、本書が生まれたきっかけです。
(ちなみに、環境情報学部や総合政策学部も十分面白いのですが、問題文があまりにも膨大なので、比較的コンパクトな経済学部と商学部から選ぶことになりました)

慶應小論文試験は未来のビジネスリーダーへのメッセージ

慶應大学が国語ではなく、この試験形態にこだわる理由はなんでしょうか?著者は、本書でこう分析しています。

論理的思考と教養を伴った経済学的思考なしには、企画・研究・開発をリードするような問題解決型思考ができる人材は育ちません。そういう人材を育てるのが大学の使命である…。小論文入試を重視する慶應大学には、そうした志を感じます。

経済がグローバル化するなかで価値観の異なる人々と仕事をするには、「なぜこれをする必要があるのか」を論理的に説明できなければいけません。また、複雑化する社会問題を分析したり世界経済の動向を見通すためには経済学的思考は不可欠です。

慶應大学の建学の精神である「実学」、そして実業界で活躍する人材を多く輩出している事実を考えれば、入試問題自体が未来のビジネスリーダーへのメッセージといえるのではないでしょうか。

そうえば、かつて「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という東大の入試問題が話題になりました。真意は分かりませんが、小学校で円周率を3と教えていたことへのアンチテーゼではないか?と分析する人もいました。

本書の目的はロジカルシンキングと経済学的思考を身に付けることにありますが、入試問題を通して慶應大学を分析するという視点で読んでも面白いかもしれません。

昆 清徳
1980年生まれ。自動車部品メーカー、ビジネス誌の編集者を経て翔泳社へ。『 年収300万円の残念な働き方 』『 ど素人がはじめる株の本 NISA対応版 』『 ど素人でも稼げるネット副業の本 』『 実家のたたみ方 』などビジネス書や実用書を担当。

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