
アーヤ藍
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見えなくても、聞こえなくても、映画を一緒に楽しむ『夢のユニバーサルシアター』
2019年11月01日「見えない」のは、何か力を失った状態ではなく、「視覚に頼らない」という力をもつことでもあるのだと、ここ数年、いろんなご縁のなかで感じている。その”ご縁”のひとつが、東京・田端にある小さな"ユニバーサルシアター" Cinema Chupki T……more
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数百分の1の時間で追体験すべき『ストーカーとの七〇〇日戦争』
「なんとかしてこの体験を書かねば、吐き出さなければ、今後自分は文章を書いていくことができなくなってしまう。」 本書『ストーカーとの七〇〇日戦争』あとがきで、著者の内澤旬子氏が綴っている言葉。 本書はすでに発売直後に東えりかと栗下直……more
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人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号
2019年07月18日都市計画やまちづくりに関わるシンク&ドゥタンクが出版不況のなか、新たな雑誌を創刊。人の可能性を探求する「〜able(できる)city」に詰まっているヒントとは。…more
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「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」の発明家が綴る『無駄なことを続けるために -ほどほどに暮らせる稼ぎ方-』
200以上の「無駄なもの」をつくり、YouTubeで6万人以上、Twitterで5万人近いフォロワーを誇る、発明家の藤原麻里菜さん。捻くれていたり鬱屈としている自分を、「無駄づくり」を通して笑いに昇華させてきた彼女の、つっこみたくなるほどに真……more
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"本の虫"の首相が牽引する『沸騰インド 超大国をめざす巨象と日本』
インドは今、猛烈なスピードで成長を遂げている。人口は近い将来、中国を抜いて世界最大となり、経済も日本の追い越して世界第3位となることが予測されている。"沸き立って"きたインドがこの先どこへ向かうのか?そしてそのインドと日本はどう向き合うのか?……more
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『バーフバリ 王の凱旋』勝手に絶叫上映 in HONZ
2018年06月12日映画を爆音で楽しむために選ばれた会場は、渋谷のど真ん中にあるパセラリゾーツ。みんなほぼほぼ時間通り到着しています。バーフバリ様のためなら、万難を排して駆けつけてしまうのでしょう。部屋に到着すると、麻木久仁子がカバンをガサゴソあさりはじめます。……more
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『カミングアウト』伝えられない想い。伝える希望。
2018年05月29日勝間和代さんが現在同性のパートナーと暮らしていることを「カミングアウト」した。異性カップルであれば、ここまで「勇気をもって公表する」必要はなかっただろう。 セクシュアルマイノリティが、「そのままの自分」を他者に伝えるとき、どんな障壁があり、……more
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衰退は楽しんだもの勝ち!『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』
2018年04月30日「衰退はかなしいことではない。ポジティブに受け入れ、楽しむべきものなのだ。」 消滅自治体、縮退都市、限界集落…。成長を追い求め続ける経済・社会の限界については、日本国内だけでなく、世界で問題視されている。そうした「限界」や「衰退」に日本より……more
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きっと本屋を開きたくなる 本ブームの謎に迫った『本の未来を探す旅 ソウル』
韓国の首都ソウルでは、いま空前の本ブームが起きている。「独立書店」と呼ばれる個人開業の書店が週に1軒は生まれ、「独立出版物」と呼ばれる個人出版の本も、1日1冊のペースで出版されている。一体なぜこんなムーブメントが起きているのか。書店主や編集者……more
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ダマされても憎めない『ananの嘘』
雑誌はその時代のトレンド、社会の流れを掴むもの。だから1冊の雑誌の来歴をたどれば、自ずと、時代ごとの社会の変遷を読み取ることができる…。そんな普段とは異なる「雑誌の楽しみ方」をみせてくれるのが『ananの嘘』。『負け犬の遠吠え』他の著者でもあ……more
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レイプはなぜ続くのか『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』
19.3%、実に5人に1人のアメリカ人女性が、年齢を問わず、これまでにレイプ被害を受けたことがあるとされる。これほどにも「ありふれた犯罪」である一方、被害者の約8割は警察に被害を届け出ず、アメリカ国内でもっとも報告率の低い重大犯罪でもある。 ……more
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欲しかった言葉ときっと出会える『翻訳できない 世界のことば』
2016年05月23日心に湧いてくる感情にぴったり合う言葉が見つけられない。言葉で表現しようとすると、ひどくまどろっこしくなってしまう。誰しもそんな経験を一度はしたことがあるのではないだろうか。 本書はそんな「痒い所に手が届く」言葉と、言葉を入り口とした“新しい……more
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伝えることで、世界は変わるのか『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』
2016年04月30日本書に綴られているエピソードの多くは、暗く、重い気持ちになるものだ。だが、筆者自身の感情をなるべく抑えて穏やかに語られる言葉の数々は、まるで現地の人たちと直接向き合っているような感覚を覚えさせる。彼らが私たちと何も変わらない、家族と仲間を愛す……more
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ブータンや北欧も越える?! 災害をものともしない『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』
2016年03月13日先月、史上最大規模のサイクロンが、南太平洋に浮かぶ島嶼国フィジーを襲った。だがその後間もない時期にSNSで目にしたのは満面の笑みのフィジー人たちだった。災害もものともしない、この笑顔はどこから生まれるのか…。幸福度調査で世界一に躍り出たフィジ……more
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ちいさい箱に詰まった大きな世界『おべんとうと日本人』
本書は、お弁当箱に詰め込まれた色とりどりのおかずを1つ1つ食べていくかのように、「おべんとう」に紐づく多種多様なテーマを取り上げている。そして食べ終わった(読み終わった)後のカラのおべんとう箱に、日本社会が浮かび上がってくるような一冊である。……more