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『バッタを倒しにアフリカへ』ストイックすぎる狂気の博士エッセイ
書店内でいやでも目を引く、虫取り網をかまえこちらを凝視する全身緑色のバッタ男の表紙。キワモノ臭全開の本書だが、この著者はれっきとした博士、それも、世界の第一線で活躍する「バッタ博士」である。本書はバッタ博士こと前野ウルド浩太郎博士が人生を賭け……more
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『ヒトの遺伝子改変はどこまで許されるのか ゲノム編集の光と影』イノベーションに突きつけられた、大きな課題
2017年02月06日生殖医療技術と遺伝子改変技術の目覚しい進展により、人類はすでに、自分たちの遺伝子を改変する時代に入っている。本書の「遺伝子改変は"どこまで"許されるのか」というタイトルは、いま議論すべき喫緊の課題である。本書では、生命倫理学の専門家である著者……more
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『衛生害虫ゴキブリの研究』年季入りの本格的ハードコア・ゴキブリ書
2016年11月24日何のてらいもないタイトルの通り、本書は、屋内で遭遇する衛生害虫ゴキブリの研究書である。著者は、民間の研究所などで50年以上にわたってゴキブリ研究に従事してきており、ちなみに昭和7年生まれ。そして本書には、著者らによる圧巻の研究成果の数々が、こ……more
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『ゲノム編集の衝撃 「神の領域」に迫るテクノロジー』来るべき未来に備えて正しい理解を
2016年08月18日「今、もっともエキサイティングなバイオテクノロジーは何か」。この質問に対し、多くの生命科学者は次のように答えるだろう。「それはゲノム編集だ」、と。本書は、ゲノム編集がどのような技術で、この技術がいかに未来を変えうるかについて解説した良書である……more
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松尾芭蕉マニアもいる?!等身大の北朝鮮がみえてくる『実録・北の三叉路』
本書は北朝鮮系の人々を描いたノンフィクションである。北朝鮮、といっても、日頃の報道番組が扱うような、政治的な話にフォーカスしたものではない。スポットライトが当てられているのは、北朝鮮に暮らしていたり、北朝鮮にルーツをもつ、いたって普通の人たち……more
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我々は特別な存在か。宇宙的バランス感覚を養う一冊『生命の星の条件を探る』
生命の星、地球。都会のようなコンクリートジャングルにおいても雑草が茂り、アリたちが闊歩する。だが、地球以外の天体に由来する生命体は、現在までまだ見つかっていない。はたして、生命を育んでいる惑星は、この広い宇宙で地球だけなのだろうか。生命体が棲……more
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昆虫研究者に囲われた、セクシーすぎる愛人たちの図鑑『きらめく甲虫』
2015年07月10日「これまでの昆虫図鑑の概念を覆した」。本書のことを、こう紹介しても過言ではないだろう。従来の昆虫図鑑では体現できなかった、圧倒的な質感と光沢。本書では、各ページがひとつの標本箱、いや、宝石箱になっている。その中にそっと指を入れれば、掴めてしま……more