
小松 聰子
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『女子高生 制服路上観察』女子高生の着こなし戦略は、自分らしくチューンナップすること
2018年01月12日本書のタイトルだけ見るといわゆるJKビジネス的な何かを連想してしまう人もいるかもしれないがそれは全くの誤解だ。制服メーカーのマーケッターが「なんでこんなヘンテコな着こなしや改造を施すのだろう??」と現場に張り付いてこれでもかと聞き込んでたどり……more
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『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か
2017年09月13日本書では、「えっちなのはいけないと思います!」という理論が特権階級男性 → 一般男性 → 女性 → そして児童へと展開されていったという仮説を提示している。えっちであることがいけなくないのは自立した人間のみで、自立していない人間にとってえっち……more
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『バッタを倒しにアフリカへ』面白いっ! だけじゃないんです、 泣けるんです!
2017年05月28日私はドキドキしながらページをめくる。するとどうだろう、面白いのに読めば読むほど目から水があふれそうになるではないか。おかしい。この本は笑うための本ではなかったのか? あんなバッタコスプレ姿で泣かせにかかろうというのか。なぜ胸熱目から水ジャージ……more
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『科学者の網膜 身体をめぐる映像技術論』「ありのまま」に挑んだ5人の科学者たち
2017年05月10日本書は19世紀末から20世紀初頭にかけての5人の科学者を中心に語られている写真文化論だ。 タイトルでもある「科学者の網膜」とは、19世紀後半頃に写真に対して呼び称されたもので、それは科学的な観察手段として人間の認知以上に正確に事象を捉えるこ……more
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『「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝』エロいものとエロくないものの両立は可能か?
2017年02月23日ジュニアという音からは、エロい匂いがしない。カンノウはエロい雰囲気だし、ましてやカンノウショウセツは絶対エロい。エロくないものとエロいものというのを同じ人間が書き分けることは可能なのだろうか?本書はジュニア小説誌で少女たちを熱狂させ、さらには……more
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『方言萌え』SNSで加速する、方言コスプレとは何か?
2017年01月31日本書は地域に結びついた素の言葉である「方言」ではなく、テレビやラジオ、インターネットから地元のお土産物まで様々なコンテンツの中で加工編集された「ヴァーチャル方言」が、どのようにして広まったのかを調べた一冊だ。「萌え」とタイトルに有ることから分……more
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『わたしと統合失調症 26人の当事者が語る発症のトリガー』リカバリーを生きるということ
2017年01月11日本書は26人の統合失調症当事者=「リカバリーを生きる人々」の体験談と、編者の精神科医・佐竹直子氏の解説により構成されている。本書の体験談は発症時のトリガー、そしてその後本人がリカバリーし、どのように病と向き合って生きているのかを中心に書かれて……more
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『10分後にうんこが出ます』悲劇と情熱がウンをもたらした!
2016年12月15日本書はうんこにまつわる切実な問題「いつ出てくるのか?」、を超音波を利用したウエアラブル排泄予測装置の開発によって解決しよう考えた、とある青年の2年あまりの記録である。著者がうんこと向き合うきっかけとなったのもまた、強烈な体験からだった。彼は米……more
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『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで
2016年12月11日『ブルマーの謎』は、最近ではすっかり見ることもなくなった女子体操服の「ぴったりブルマー(密着型ブルマー)」をテーマにした一冊である。長年研究を続けた社会学者が手掛けており、ブルマー研究の決定版とも言える内容だ。しかしこの画期的な研究が始まった……more