
東 えりか
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『永訣 あの日のわたしへ手紙をつづる』 3月11日の自分に書く手紙 そこには希望が綴られている
本書は、SFやファンタジー小説のようなタイムワープができたら、という設定がなされている。あの大地震と原発事故の被災者であり、年齢も性別も違う31人が、あの日の自分に手紙を書いている。…more
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『存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』“女性は虐げられている”は勘違いじゃない!
本書ではブラジル生まれの英国籍を持つジャーナリストで女性権利活動家のキャロライン・クリアド=ペレスが、日常生活のなかで常識として通ってきた「女性に不利なこと」をデータで明らかにしていく。身近なことで言えば真夏のオフィスの冷えすぎた冷房温度や男……more
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『「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」言論』最先端科学で探る、「色」の世界
小学校の教室で健康診断が行われている。順番に並んで身長、体重、座高などを測定し、最後に視力検査。さらにそのあと、変な絵を見せられた。オレンジと緑で書き分けられた数字を読み取るという簡単なテストだ。それが分からない人がいるんだって、と帰宅してか……more
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2021年初のHONZ朝会、ZOOMにて開催しました。(その2)
2021年02月08日HONZ朝会の続きです。 ZOOMでの会合は意外とみんな自由です。声をミュートして本を読んだり、お茶を飲んだり、何か食べたり。しばらく写真が貼り付けてあるので「どうしたの?」と尋ねたら「お風呂入ってました!」にはちょっと驚きましたけど。 ……more
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2021年初のHONZ朝会、ZOOMにて開催しました。(その1)
2021年02月07日巣ごもり生活も約1年になり、ZOOMで行われるHONZ朝会も第2回になります。出席者は21人と今回もなかなかの盛況でした。久しぶりに代表の成毛眞も顔を見せてくれました。 朝会ではHONZのメンバーが一人一冊、「これから読む本」を紹介します。……more
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子はみな幸せであるように『「ちがい」がある子とその親の物語Ⅰ』『こどもホスピスの奇跡』『にほんでいきる』
2021年02月03日国籍や肌の色、病気や障害などに関わらず子どもは幸せになって欲しい。その願いを込めた本を3冊紹介したい。…more
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『黒魔術がひそむ国 ミャンマー政治の舞台裏』呪術合戦は、安倍晴明と蘆屋道満の戦いさながら!
ヤンゴンに新聞記者として駐在していた著者は、情報省の中堅幹部との会談で「テインセン大統領の誕生日を確認できない」と愚痴をもらした。答えは「国家指導者はアウラーンを恐れているから決して生年月日を明かさない」というものだ。ビルマ語のアウラーンとは……more
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『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』 ターニングポイントは親との決別
2020年12月19日ビル・ゲイツ、オバマ夫妻に絶賛された全米400万部超の記録的ベストセラー。アイダホ州クリフトンで父親の思想が強く反映された反政府主義を貫くサバイバリストのモルモン教徒の両親のもと、7人兄弟の末っ子として生まれた著者は公立学校へは通わせてもらえ……more
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『浪花節で生きてみる!』女一匹、魂の咆哮
私にとっての奈々福さんは浪曲師であり、大衆芸能の探究者である。奈々福さんの浪曲を聞いたのはまだ10回に満たないので、ファンです、というのもはばかられる。 その奈々福さんが初めて書いた本は、まあ、面白かった。まずは聞くべき浪曲の数々を丁寧に解……more
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『人間の土地へ』シリアに魅せられた登山家
24歳の時、世界で最も困難な山だと言われている世界第二位の高峰、パキスタンのK2に日本人女性で初めて登頂に成功した著者。その後、彼女は世界を旅して、最後にシリアに辿り着く。そこで出会った青年との恋は、内戦で引き裂かれた。…more
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『諏訪式。』諏訪湖を中心にした文化圏の謎を探る
2020年11月16日中央自動車道の岡谷ジャンクションの近く、諏訪湖サービスエリアは温泉施設が併設されドライバーに人気がある。諏訪湖を一望のうちに見渡せ、まさに絶景のスポットなのだ。 諏訪湖は中央構造線とフォッサマグナの二大断層が交差する地質的に複雑な場所で、……more
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『バブル』幻冬舎の元看板編集者が語るあのボスとの出会いから別れまでー。
2020年10月16日著者の山口ミルコさんは1965年生まれ。89年には24歳。新卒時は、まさにバブル期のど真ん中で働く保険会社の普通のOLのひとりだった。あるきっかけでボスに紹介された著者は角川書店に転職した。そこから20年ほどの間、彼女は怒涛の編集者生活を送る……more
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『京都に女王と呼ばれた作家がいた』時代の寵児を描いた覚悟の評伝
2020年10月11日山村美紗の訃報は衝撃的だった。1996年9月、帝国ホテルで執筆中に心不全を起こし62歳の生涯を終えた。超売れっ子の作家の死は大騒動となる。亡骸は京都に戻り、ゆかりのお寺で葬儀が営まれ、参列者には出版関係者はもとより、テレビ、映画関係者や俳優……more
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『がんと闘う病院』知りたい情報を得る手掛かりに
2020年10月08日20年1月末、武漢から帰国した在留邦人の患者を収容した都内の病院の一つが都立駒込病院だ。1879年に感染症の専門病院として開設された経緯から、新型コロナ治療でも最前線を担っている。1975年には、「がんと感染症」に重点を置く総合病院に生まれ変……more
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『誰が命を救うのか 原発事故と闘った医師たちの記録』指揮命令系統が崩壊するなか、最前線に立った人々の記録
東日本大震災の原発事故。その大混乱のなか、負傷者の受け入れ先になったのは福島県立医科大学付属病院。県内で唯一の二次被ばく医療機関の指定を受けていた。対応を任されたのは救急外来のリーダー長谷川有史。しかし彼には原子力災害から発生した負傷者を診療……more