
白揚社
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『魚たちの愛すべき知的生活―何を感じ、何を考え、どう行動するか』
2018年11月30日本書は、あまり知られていない魚たちの環世界と生態を科学研究の成果と個人のエピソードを織り交ぜて紹介してくれる内容ゆたかな本です。しかし、それだけにとどまりません。著者のバルコム氏が魚も社会生活をもって個として生きる存在であり、その点では陸に生……more
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『蜂と蟻に刺されてみた 「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ』
2018年07月08日ハチやアリの毒針は、そのライフスタイルを映し出す鏡らしい。ひとくちにハチ・アリ類と言っても、じつに多彩で、みな独特の生き方をしている。しかし、その毒針の機能は、見事なくらいその生存戦略にぴったり合っているのだ。毒針の痛さとライフスタイルの、切……more
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『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』
2017年07月08日ネイティック研究所は兵士の装備品や食糧の研究開発を行なう施設である。戦時には極限状態に置かれる兵士にとって、体力を維持して士気を高めるために食事がもつ意味はとても大きい。栄養と味だけでなく、戦場という特殊な環境では輸送や保存にも特別な条件が求……more
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『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』
2017年04月28日本書は、「Diet Myth」(ダイエットの神話)という原題が示すとおり、そうした「ダイエット(そして栄養全般)の神話」を明らかにしていこうという本だ。ダイエットをはじめとする、栄養と健康の話で多いのは、この栄養素は体に良い、この化学成分は体……more
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『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』
2016年12月15日本書ではまず、もともとは呪術者や王侯貴族専用の「魔法の薬物」だったチョコレートやコーヒー、お茶など、カフェインの入った飲食物が一般大衆にも嗜好品として普及するようになった歴史的過程をたどる。古代には神官や呪術者など、一部の限られた人たちが伝承……more
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『脳はいかに意識をつくるのか 脳の異常から心の謎に迫る』
2016年11月05日『脳はいかに意識をつくるのか――脳の異常から心の謎に迫る』は、Neuro-Philosophy and the Healthy Mind: Learning from the Unwell Brain(W.W. Norton & Compan……more
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『酒の科学 酵母の進化から二日酔いまで』
2016年08月07日本書はAdam Rogers著『Proof: The Science of Booze』の邦訳です。著者は、微生物の生理作用と人類の叡智とが共同でつくり上げた「奇跡の飲み物」について、科学に基盤をおきながらも美酒の香りただよう世界へと読者を導……more
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『サイボーグ化する動物たち ペットのクローンから昆虫のドローンまで』
2016年08月06日本書では新進気鋭の科学ジャーナリスト、エミリー・アンテスが、さまざまな技術を駆使して動物のからだに手を加える最先端の取り組みに注目し、ユニークな研究を進めている人々を訪ね歩く。そのような研究で新たに生まれている生きものについて、「厳密に言うと……more
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『世界の不思議な音 奇妙な音の謎を科学で解き明かす』
2016年06月01日私自身、本書の翻訳に取り組んだ数カ月で、音に対する認識がずいぶん変わった。何気なく聞き流していた環境音が、じつは気持ちに大きく影響していることを知った。著者が随所で披露してくれる音響学の知見のおかげで、自分の周囲で生じるさまざまな音響効果の仕……more
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『本当の夜をさがして』夜を喪う
2016年04月19日光が氾濫する現代に生きていると、夜が本当の暗闇に包まれていた時代を思い描くのは難しい。安全や便利さと引き換えに、当たり前の存在であったはずの星空を失なったことは、生態系や私たちの生活・健康にまで影響を与えているという。本書は、もっとも明るい都……more
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『蘇生科学があなたの死に方を変える』
2016年03月24日本書は、蘇生術の歴史を丹念に説き明かすともに、蘇生科学の研究の最前線を追い、さらには、タブー視されがちな倫理の問題にまで踏み込んだ骨太な力作である。「どんな場合に、どんな方法で、蘇生科学の力を利用して命を復活させるべきなのかを、私たち一人一人……more
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『戦争の物理学 弓矢から水爆まで兵器はいかに生みだされたか』
2016年02月19日「科学知識の普及の一助となるよう願っている」と著者が序文に書いているように、本書の対象はあくまでも「科学者でない人々」だ。説明に際して数式はあまり使われていないし、数式が登場する部分は「読み飛ばしてもかまわない」とまで書かれている。冒頭の「カ……more
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『ありえない生きもの 生命の概念をくつがえす生物は存在するか?』
2015年12月18日著者のデイヴィッド・トゥーミーはアメリカ合衆国のマサチューセッツ州立大学アマースト校の英文学科の准教授として、プロフェッショナル・ライティング&テクニカル・コミュニケーション課程のディレクターを務めています。著者は、生命とは何かを論じる上で、……more
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『信頼はなぜ裏切られるのか―無意識の科学が明かす真実』
2015年11月16日「信頼」は手強い代物でもある。なぜなら、人を信頼するということは、自分の運命や成功を一部なりとも人の手に委ねるということなので、そこには当然リスクがあるからだ。自分には自分の、他者には他者のニーズがあって、それらはぶつかり合うし、それぞれのニ……more
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『市場は物理法則で動く 経済学は物理学によってどう生まれ変わるのか?』
2015年08月02日市場均衡、合理的期待、効率的市場仮説...。これまでの経済思想では、もはや現実の世界を説明することは出来ない。物理学の視点から、経済学の常識へ果敢に切り込んだ『市場は物理法則で動く』。本書の翻訳者解説と、物理経済学の歴史的な経緯を紐解いたソニ……more