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『漂流』平成の漂流事件、海で2度行方不明になった男
2016年08月27日本書は、平成に起きたある漂流事件の詳細をつづったノンフィクションである。また、未解決行方不明事件を追うルポルタージュであり、沖縄における海洋民の成立と広がりを歴史的に考察する一書でもある。…more
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埋もれた歴史の謎を解く『漂流の島 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う』
2016年06月27日鳥島は「漂流の島」でもある。ここには記録に残るだけで17世紀後半から幕末にかけて累計約100人もの男たちが漂着している。練馬区の10分の1ほどの面積しかない小さな火山島に、繰り返しこれだけの数の漂着民がいる――—。しかも記録に残っているという……more
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覚悟を持って戦後を生きる。『戦争とおはぎとグリンピース』
2016年05月27日本書は、西日本新聞の女性投稿欄「紅皿」に寄せられた投稿のうち、42編を収録したものだ。西日本新聞は、福岡県を中心に九州で発売されている地方紙で、「紅皿」は敗戦から9年がたった昭和29年、「婦人の日日の明るい経験や意見、主張や(略)真実の声をほ……more
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図鑑は「積ん読」でいい!?『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』
2016年04月27日本書は進学塾で講師として活躍した著者が、辞書、地図、図鑑を使って子どもの知的好奇心を刺激する、また知識を吸収し思考する力を育てる方法を指南した1冊である。リビングに辞書、地図、図鑑を置くことによって、すぐにその場で調べられる環境を整え、子ども……more
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将来のためじゃない、面白いから好きになる『算数好きな子に育つたのしいお話365』
「わかった!」「解けた!」「できた!」ではなく、「なんで?」「ふしぎ!」がベースにあること。どうしてそうなるのか、それはどうすれば証明できるのか、考えてみたくなってしまう。しかし、1話は1ページなので、そのお話の背景は詳しく語られないのだ。子……more
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こんな風に優しく社会と繋がる未来がほしい『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』
2016年01月27日九州の介護施設が発行する雑誌『ヨレヨレ』。編集方針は「読んで面白い雑誌」。介護に縁のない人たちが読んで、「腹を抱えてげらげら笑ってもらえたら最高」、その内容は介護施設で起こったエピソードが中心だ。発行元は「宅老所よりあい」。世話人としてその活……more
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地場の小売店が地域の一員として商売を続けていくことのヒント『まちの本屋 知を編み、血を継ぎ、地を耕す』
この本は、田口氏が書店員として積んできた経験の中から、書店の仕事をするうえで大切にしていることを具体例で紹介している。それはあくまでも書店の仕事のノウハウなのだが、実際に読んでみると小売業のノウハウ本であると言ってもいい。…more
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虫探偵が名解決!害虫事件簿『招かれざる虫』
事件は決まって、事務所の電話のベルが鳴るところから始まる。製粉会社や商社の担当者、はたまた友人知人が、突然見舞われた虫禍の解決を求めてベルを鳴らす。虫嫌いの虫探偵による害虫事件簿は痛快な面白さ!…more
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カレーライス成立の謎に迫る食文化ミステリー!『カレーライスと日本人』
2015年08月27日日本におけるカレーライスは、いったいどのようなルーツを持ち、どのようにして生まれ、そして現在の形になったのだろうか。歴史を紐解くだけでなく、文化人類学的手法を使い、見事にカレーライス文化を体系的に明らかにした本書。体当たりで解き明かされていく……more
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擬態写真を撮りためて45年、集大成に興奮!『自然のだまし絵 昆虫の擬態 進化が生んだ驚異の姿』
2015年06月27日本書は、自然写真家・海野和男氏による擬態昆虫の写真集だ。海野氏は東京農工大で日高敏隆研究室に在籍中、擬態に出会い魅了されたという。1970年から45年かけて撮りためられた写真の集大成が本書である。そうと聞くだけで昆虫好きなら買わずにはいられま……more
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名作ノンフィクションの舞台裏『探検家の憂鬱』
2015年05月27日温かく親しみ深い人間性と、探検家としての孤高性、ノンフィクション作家としての冷徹さ、そのどれもが角幡氏の魅力だ。長編ノンフィクションの舞台裏をのぞくことができるのも嬉しいが、作家の内実に触れることで、更にその作品を深く味わうことが出来るだろう……more
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時代に相応しいやり方で、生活と思い出を守る『遺品整理士という仕事』
遺品整理士という仕事をご存じだろうか。彼らは民間資格を有したプロフェッショナルである。遺族の気持ちに寄り添いながら遺品整理を管理するコーディネーターだ。…more
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新感覚の歴史教育本『アニメで読む世界史〈2〉』
歴史の面白さを、新しい見方で伝えることは出来ないか、と考えられたのが本書である。歴史にもっと興味を持ってもらいたい、歴史を知ることのワクワク感を伝えたい、30代の若手研究者を中心に寄稿された本書は、熱意に溢れている。…more
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読む場所注意!爆笑必至『最後のおでん ああ無情の泥酔日記』
2015年01月27日面白い。面白い。本当に心から面白い。著者、北大路公子氏は過去フェミナ賞を受賞したこともあり、現在はエッセイストとして人気の文筆家。ウェブ日記「なにがなにやら」が評判となって2005年に寿郎社から出版された『枕元に靴 ああ無情の泥酔日記』(新潮……more
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マイ茶室を持っているという方は挙手願います。『茶室がほしい。 茶室から入る茶の湯の愉しみ』
2014年12月27日永江さんは新聞、雑誌方々で活躍する売れっ子ライターで、今年だけでも5冊を上梓した人気の文筆家。『茶室がほしい。茶室から入る茶の湯の愉しみ』は、そんな永江さんがどのような経緯でお茶と出会い、茶室を求め、つくり、そしてその後どうしているのかが語ら……more
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