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先月出た本 2020年10月
2020年10月05日このコーナーでは「これから出る本」として、予約本ランキングを発表していますが、直前に出るなど必ずしも売れた本と予約数が比例するわけではありません。そして、世の中に対して発表されるランキングでは、上位にノンフィクションが入ってくることは少なく、……more
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『とてつもない数学』
2020年10月04日「数学苦手人」に打って付けの好著が出た。本書は東京大学理学部数学科を卒業し数学塾を経営する著者が、生徒指導のノウハウをふんだんに散りばめた科学エッセイである。「とてつもない」という切り口から、数学の魅力を古今東西にわたって存分に語る。…more
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『コロナ禍日記』未知なる状況下の日々が記録されたアンソロジー
2020年10月03日本書は日本および世界各地で暮らす17人がコロナ禍に見舞われた日々を綴った日記のアンソロジーである。登場するのは小説家、漫画家、ミュージシャン、評論家、店舗経営者ら。コロナ関連の日記のアンソロジーは他にも出版されているが、本書の魅力は一人ひとり……more
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出版社の皆さまへ:献本の受け取り再開について
2020年10月01日昨今のコロナ禍の状況から、献本の受け取りをしばらく停止させていただいておりましたが、10月より事務局の体制を再構築することとなり、献本の受け取りも再開させていただくことになりました。…more
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『生と死を分ける数学 人生の(ほぼ)すべてに数学が関係するわけ』
2020年09月30日著者は、読者に数学と現実との強い結びつきを皮膚感覚でわかってもらうために、1本の式も使わず、次々にアナロジーを繰りだして、現実と数学がどのように関わっているのか、そのさまざまな接点を説明している。したがってこの作品は、原書が刊行された2019……more
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『ぼくは挑戦人』世界で活躍するジャグラー 在日コリアン3世のあゆみ
2020年09月29日本書は、「自分は何者なのか」を問い続けた在日コリアン3世の著者が、「挑戦人」として生きるに至るまでのヒントや糧をもらった人たちとの出会いの記録だ。…more
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我々は操られているのかもしれない『マインドハッキング:あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア』
2020年09月27日トランプの大統領選勝利、英国のEU離脱、オルタナ右翼の台頭。いずれにも関与していた民間組織がある。その名はケンブリッジ・アナリティカ。いかにしてデータが集められ、いかにして人心は操作されるのか。ソーシャルメディアの時代、われわれのプライバシー……more
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『自閉症は津軽弁を話さない』文庫版著者あとがき
2020年09月26日妻の何気ない「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」というひとことに、私は10年ものあいだ「本当に?」「どうして、なぜ?」と問い続けました。そして同時に湧き上がった疑問。 「なぜ、他の人は目の前にあることを不思議に思わ……more
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『LIFESPAN(ライフスパン) 老いなき世界』人類の生命観と人生観を覆す新たな啓蒙書
2020年09月26日本書がこれまでのアンチエイジング本と違うのは、単なる科学技術の記述だけではなく、人口増加、環境問題、格差拡大、さらには長寿化によって社会がどう変わるのか、それにどう対処すべきかなど、社会制度や人生観といった問題の記述に、かなりの分量を割いてい……more
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『食べることと出すこと』想像しようという努力、想像できるという傲慢
2020年09月24日本書は、単に「難病患者の苦労話」ではない。当事者として丁寧に事実を積み上げてこそ見えてきた、私たちの社会のあり方への、大事な視点の提示である。 私自身、いままで無自覚に放ってきた言葉の数々について、一旦、立ち止まって考えざるをえないなと感じ……more
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『全体主義の克服』「現代の全体主義」に立ち向かう二人の哲学者
2020年09月24日本書は、マルクス・ガブリエルと中島隆博という、ドイツと日本を代表する哲学の泰斗が、これまでとは全く異なる視点で哲学のあり方を論じた新しい啓蒙書である。…more
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『人新世の「資本論」』未来を構想する新しい思想の誕生!
2020年09月23日この興奮が醒めないうちに書いておきたい。凄い本を読んだ。マルクスを現代にアップデートさせた研究で世界的な注目を集める俊英・斎藤幸平の『人新世の「資本論」』である。新書の世界には何年かに一度、画期的な本が現れる。物事の見方に新しい方向から光を当……more
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これから出る本 2020年10月
2020年09月20日政局が大きく動いています。菅新総理の過去の著作が復刊されるなど店頭にも動きが出てきました。またアメリカも大統領選を前に様々な本が出版されています。10月のノンフィクション売場はどんな様子になるのでしょう。…more
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"不可能" を追い求めた科学者の冒険 『「第二の不可能」を追え! ― 理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』
宇宙物理学を専門とする著者スタインハートは、ちょっとしたきっかけから、「準結晶」という状態─水晶のような結晶でもない、結晶構造を持たないガラスのようなアモルファスでもない状態─がありえるのではないかという理論を思いつく。それが冒険の始まりだっ……more
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『ドキュメント 感染症利権 医療を蝕む闇の構造』国民の健康より省益優先、感染症の意思決定の歴史
2020年09月19日「隔離」は感染症対策の基本だが、元患者や家族が日常生活を送れなくなるのは異常だろう。例えば、ハンセン病は21世紀になってようやく、患者への隔離政策に違憲判決が出た。しかし、その後も元患者への差別がなくならないのが日本の現実だ。 社会をす……more
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