-
『誰が命を救うのか 原発事故と闘った医師たちの記録』指揮命令系統が崩壊するなか、最前線に立った人々の記録
東日本大震災の原発事故。その大混乱のなか、負傷者の受け入れ先になったのは福島県立医科大学付属病院。県内で唯一の二次被ばく医療機関の指定を受けていた。対応を任されたのは救急外来のリーダー長谷川有史。しかし彼には原子力災害から発生した負傷者を診療……more
-
『Learn or Die 死ぬ気で学べ』最先端AI企業の挑戦
日本最大のユニコーン企業であるPreferredNetworks社。「噂には聞くがいまいち何をしているのかよく分からない会社」と言われる同社の内幕を明かす初の書だ。…more
-
『贈与の系譜学』純粋な贈与を考える知的冒険
本書が面白いのは、真に純粋な贈与の思索を深めていることである。それは、かけがえのない唯一の最愛のものを贈ることであり、見返りや返礼をまったく求めないことである。そんなことはあるのだろうか。日常的に行うプレゼントや冠婚葬祭のお祝いや香典には、お……more
-
『とうがらしの世界』進化の過程から各地の料理まで
2020年09月11日トウガラシの起源は中南米である。1492年にコロンブスが数種類のトウガラシをスペインに持ち帰ったという記録があり、それが世界中に伝播し、その先で独特な進化を遂げ、料理のレシピに不可欠なスパイスとなっていった。…more
-
『その名を暴け #MeToo に火をつけたジャーナリストたちの闘い』なぜ彼女は声を上げたのか、その先に何を見出したのか
2020年09月11日ひと口に調査報道というが、調査することも報道することも、全体からすればパーツの1つにすぎない。調査に至るまでの情報提供者の説得、被害者を公表するうえでの情報戦略、取材プロセスを公平なものにするための加害者側とのやり取り、そして報道後の協力者の……more
-
『交響曲第6番「炭素物語」 地球と生命の進化を導く元素』
2020年09月10日題名にちょっとクラクラ来てしまったが、サブタイトルにあるように地球と生命に関する正統の科学書である。メインテーマは宇宙に大量にある炭素原子で、我々の身体を作る大切な要素でもある。「交響曲第6番」というのは炭素が6番元素で、地球を初めとして壮大……more
-
崖っぷちボクサー、狂気の挑戦 『一八〇秒の熱量』
2020年09月09日激アツな一冊だった。我を忘れてシャドーボクシングをはじめるくらいに。本書は、36歳のB級ボクサー米澤重隆が日本チャンピオンに挑む日々を、同世代の映像作家がまとめた本だ。心に残るラスト10秒まで、著者と共に沸々と心がたぎっていった。常識的な人生……more
-
『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』孤独に死にたくなければ、自分から胸襟を開くほかない
2020年09月08日この著者の本を読むのは初めてではない。なので、怖さはある程度予測できた。それでも、幾度となく背筋が凍る思いがした。この本で語られている現実は、人生の選択において誰もが避けたいと考える結末である。社会からの孤立。家族と無縁で、友達はゼロ。そして……more
-
『美術展の不都合な真実』新聞社やテレビ局が主催する現状
2020年09月07日著者は美術展を20年ほど企画してきた人物だ。本書では企画展がなぜ混雑するのか、美術作品はどのようにして選ばれるのか、展覧会自体はどの程度売上があるのか、それら事実を赤裸々に伝えている。竹橋にある東京国立近代美術館のように、学芸員の企画水準が極……more
-
『KGBの男 冷戦史上最大の二重スパイ』ソ連のエリートがMI6に、歴史を動かした二重スパイ
2020年09月05日スパイ小説といえば007シリーズの作者イアン・フレミングや、ジョン・ル・カレといった英国の作家の名が頭に浮かぶ。「やはり、スパイ小説は英国に限る」と通ぶってみたくなるが、実は、ノンフィクションの世界にも同じようにスパイ分野の第一人者といえる作……more
-
『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』自衛隊特殊部隊では普段なにをしているのか、元隊員が赤裸々に語る
2020年09月03日すでに5万部に届く勢いだというドキュメント・ノベル『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』は、そのあまりのリアルさが話題になっているとか。そこでも垣間見える特殊部隊員の日常は、破天荒で、やることなすこと同じ世界の住人なのかと驚くことばかり。代表……more
-
『同調圧力』を買ったのは、どういう人たちなのか?
2020年09月03日8月に発売になった『同調圧力』(鴻上 尚史, 佐藤 直樹)が好調です。店頭に並び始めた8月20日前後から一気に売上を伸ばし、重版を繰り返しながらもまだまだ品切れ店が多い状態が続いています。サンプル数が少ない中ではありますが、首都圏と比較すると……more
-
『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』元特殊部隊員が伝える、「特別警備隊」創設の舞台裏と尖閣隠密上陸のあらまし
2020年09月02日北朝鮮でクーデター勃発! ミサイル発射を企む北の軍部に対し、米国がピンポイント爆撃へ。しかしその標的そばには、日本人拉致被害者がいるとの情報。自衛隊特殊部隊は、彼らを救出することはできるのか――? そんなシミュレーションをし、あまりのリアルさ……more
-
『眠りがもたらす奇怪な出来事──脳と心の深淵に迫る』 夢遊運転病、セクソムニア、非24時間睡眠覚醒症候群
著者のガイ・レシュジナーは、睡眠を専門とする高名な神経科医である。彼が勤務するロンドンの睡眠障害クリニックには、種々の問題を抱えた患者がイギリス中から集まってくる。それらの症例はじつに不可思議で、彼らの経験談はじつに衝撃的だ。その点を鮮やかな……more
-
『伝説の「サロン」はいかにして生まれたのか コミュニティという「文化装置」』リモートワークの時代に創造的な場をどう作るか
2020年08月29日特定の時代や場所に、すごい才能の持ち主がなぜか集まることがある。新しい芸術や思想を生み出した19世紀末のウィーン、あるいは1920年代のパリ。歴史をひもとけばいくらでも例を挙げることができる。 本書はクリエイターたちが特定の場所に集まる……more
人気記事
-
12020年 今年の一冊
-
2『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 こうして私は職業的な「死」を迎えた』げに恐ろしき、出版界の裏事情を綴る真摯な暴露本
-
3『2016年の週刊文春』個人的2020年のベスト・ノンフィクションはこれ!
-
4時間とはいったいなんなのか?──『時間は存在しない』
-
5『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション!
-
6『2040年の未来予測』2040年の未来から見た我々は、今、何をしなければならないのか?
-
7『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相』驚愕の結末
-
8『ソッカの美術解剖学ノート』全クリエイターにおすすめ
-
9『殺人鬼ゾディアック 犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』ミステリーと家族の再生
-
10『喧嘩の流儀 菅義偉、知られざる履歴書』「ガースー」を笑えたら・・・。
-
11『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』 ターニングポイントは親との決別
-
12これから出る本 2021年1月
-
13『患者の話は医師にどう聞こえるのか』コミュニケーションにこんなにエビデンスがあるのか!
-
14『人間の土地へ』シリアに魅せられた登山家
-
15これから先も、株式会社は必要か 『株式会社の世界史 「病理」と「戦争」の500年』