アート・スポーツ
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『アート戦略 コンテンポラリーアート虎の巻』ルールはシフトした、視覚から頭脳へ
2018年05月05日本書はアートビジネスに関する本として際立っている。アートをこれだけ現代社会や世界経済と整合的に紐付けして論じた本というのは、日本人の手によるものとしては、かつて見たことがない。本書の中に、「資本主義芸術」という言葉が出てくるのだが、アートの本……more
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『スポーツ国家アメリカ - 民主主義と巨大ビジネスのはざまで』米国発祥スポーツを通して見るアメリカ
2018年04月19日本書はアメリカ発祥のスポーツを通して、米国社会の歴史を眺めていく1冊である。焦点が当てられるのは、野球・バスケットボール・アメリカンフットボールだ。これら競技の成り立ちには、その時代のムードが確かに反映されており、後々もアメリカ社会の変化と密……more
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『日本画とは何だったのか』そして日本における近代性とは何だったのか?
2018年03月08日「日本画とは何なのか?」、この問いに正面から答えられる人がどれだけいるだろうか。 日本画という芸術を成り立たせているのは、膠や墨や顔料などの日本画材なのか、日本画様式なのか、或いはその両方なのか、若しくはそれ以外のものなのか。…more
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『印象派への招待』絵画の見方
2018年02月14日本書は印象派への手引書となりそうだ。登場する作家はルノワール、ドガ、ゴーギャン、モネ、スーラ、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ロートレック。画家の死後、名をあげたものを含め印象派のオールスターである。…more
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『カラヴァッジョの秘密』
既に十分すぎるほどのオマージュを集めてきたカラヴァッジョ、17世紀以降の西洋絵画に絶大な影響を与えた稀有な天才について、今更、何かを書き加えることがあるのだろうか。そう思う人は、ぜひ、本書を紐解いて欲しい。優れた作家が、周知の事実や数多の論及……more
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『絶滅危惧職、講談師を生きる』人気の若手講談師が本気で語る革命的芸道論
本書は、いつかは名人と呼ばれることになるであろう講談師と、文芸評論家にして作家でもある杉江松恋の掛け合いで構成された読み物だ。しかしけっして安易な対談などではない。杉江の絶妙な方向付けと補足説明、そして丁寧な裏取り取材を適度に入れ込んだ、まさ……more
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『運慶への招待』一門を纏める仏師
2017年12月07日本書は運慶の入門解説書である。運慶関連の本は、展示会のガイドブックを含め多種出版されているが、本書はフルカラーで実際の作品を眺めながら見どころの要点がポイントで纏められている。 …more
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『麿赤兒自伝』憂き世 戯れて候ふ
自伝とあるので敷居が高いように思えるが、全くそんなことはない。むしろ本書は、気軽に楽しめる喜劇エンターテインメンだ。喧嘩に明け暮れた70年代のアングラ時代から、高く芸術表現を評価される現在までをユーモアを交えて綴っている。…more
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『ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学』
2017年11月07日本書を読んで私がまっさきに思い浮かべたのは、某有名CDショップが使う「NO MUSIC, NO LIFE」(音楽なしじゃ生きていけない)というキャッチフレーズだった。調べてみると、この宣伝文句が使われはじめたのは、もう2……more
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『どうしても欲しい! 美術品蒐集家たちの執念とあやまちに関する研究』理想の自分に近づきたくて
2017年11月06日本書は、古美術品の私的コレクションを築き上げた人々の動機と自己認識について分析した一冊である。著者は美術品犯罪研究の専門としてアメリカで唯一の大学教授で、「古美術品コレクターの執念は虚栄心によるもの」とする世間の単純化されたイメージに反発して……more
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『この椅子が一番!』ゆったりと座るか、それともただ眺めるか
椅子に一家言を持つ人というのは意外に多い。デザイナー、インテリアコーディネーターや家具職人となれば、なおさらのことだろう。本書はそんな椅子に関わる専門家たち104人が、アンケート形式で椅子の特徴やエピソードを答えたものを集めた一冊だ。…more
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『殴られて野球はうまくなる!?』「効き目」があるから、なくならない?
2017年09月24日昔に比べたらはるかに減っているものの、暴力は以前として野球界に生き続けている。本書は立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験した著者が、元プロ野球選手・指導者・元高校球児など何十人もの野球関係者にインタビューを行い、今な……more
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『PHOTO ARK 動物の箱舟 絶滅から動物を守る撮影プロジェクト』
写真家のジョエル・サートレイは、ナショナル ジオグラフィックと共に「PHOTO ARK(フォト・アーク)」プロジェクトを立ち上げた。これは世界の動物園・保護施設で飼育されている約1万2000種の動物すべてを記録する活動だ。本書はその活動から、……more
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『芸術・無意識・脳』人の心は、どこまで解明されてきたのか
「ウィーン1900年」という特異な時代を起点に、本書は芸術と脳科学という二つの側面からのアプローチを通じて、芸術の創造や鑑賞を可能にする人の心、即ち、精神の本質が科学的にどこまで解明されてきたのかを論じている。 同時に、本書は1929年……more
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『無冠、されど至強』影のナンバーワンと呼ばれたサッカー集団
2017年08月30日大文字の歴史で語られることは少ないが、戦後サッカー史で在日朝鮮人のチームは「影の最強チーム」と称された。例えば社会人などで結成された「在日朝鮮蹴球団」は1961年に結成され、1980年代まで日本のトップチームを相手に9割6分の勝率を残している……more