事件・事故
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『人喰い ロックフェラー失踪事件』精神世界と現代社会、両者間の深刻な断絶
2019年05月18日事件は1961年のオランダ領ニューギニアで起きた。ロックフェラー家の一員として輝かしい未来を約束されていた、マイケル・ロックフェラーという米国の白人青年が、現地のアスマット族によって殺されたのだ。単なる殺人ではなく、首狩りに遭い、その後食べら……more
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『トッカイ』バブルの後始末はまだ終わっていない
本書は「トッカイ(特別回収部)」と呼ばれた人々の戦いの記録である。トッカイは、経営破綻した住宅金融専門会社(住専)や銀行から選ばれ、バブル崩壊で焦げ付いた100億円以上の大口の債務者からの回収を担当した人々だ。しかもただの債務者ではない。借り……more
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『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』その何気ない行動が、ゾウの生死を分ける
2019年05月08日サバンナのダイヤモンドとも言われる象牙。本書は、元アフリカ特派員の著者がアフリカ南部における象牙マーケットの全貌を描き出し、取引された象牙の行く末と私達の生活を結びつけた衝撃のノンフィクションである。…more
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『わたしが「軽さ」を取り戻すまで シャルリ・エブドを生き残って』死を免れた女性漫画家の“その後”
2015年1月7日11時30分、フランスのパリ11区にある風刺新聞社「シャルリ・エブド」に武装した覆面男2人が侵入し、編集会議中の社員に発砲した。編集長、風刺漫画家、コラムニスト、警察官ら合わせて12人が死亡、多数の負傷者を出した。カトリーヌ……more
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では、あの犠牲とは何だったのか?『生かされなかった八甲田山の悲劇』
日露戦争を前にした訓練で、厳冬期の青森県八甲田山麓に入った陸軍歩兵第五連隊が遭難。199人もの死者を出した、八甲田山雪中行軍遭難事故。大惨事の教訓は、その後の日本に生かされたのか? それが『八甲田山消された真実』の続編にもあたる本書のテーマで……more
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『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』”でっちあげ”を超える悪夢
2019年01月31日世間にモンスターが跋扈している。患者が、消費者が、視聴者が、そして親が、モンスターとなって理不尽な要求を言い募る。今では社会現象の一つとして、対応方法のマニュアルまで製作されるほどだ。困った人の扱いには注意しろ、社会人の心得の一つである。…more
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『肉声 宮崎勤30年目の取調室』初めて明かされた「肉声」が語る真実
2019年01月29日1988年8月から翌年の6月にかけて、埼玉と東京で相次いで幼い女の子が誘拐され、殺害される事件が起きた。「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」だ。事件は劇場型犯罪の様相を帯び、女児の遺体を切断し遺棄するという残虐な手口は世間を震撼させた。だが逮捕……more
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トラブルを未然に防ぎたいなら ”巨大システム 失敗の本質”を読め!
世の中にはとんでもない事故がおきることがある。その多くは防げたはずの事故である。『巨大システム失敗の本質』はどうしてそのような大事故が起きやすくなっているのか、そして、どうしたらそのような大事故が起こらないようにできるかを教えてくれる。その方……more
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『生き残る判断 生き残れない行動』知識も準備も経験も、危機を察知できてこそ活きる
2019年01月21日災害・テロ・事件・事故。もしもの時の、とっさの判断が本書のテーマである。有事に何をすべきかを並べた、マニュアル的な内容ではない。なぜ、人は非常時に誤った判断をしてしまうのか。その背景には、人がそもそも持っているどのような思考のクセが影響してい……more
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アメリカ特殊部隊の戦い方を変えた『ドローン情報戦』
アメリカ陸軍特殊部隊がここまで作戦上ドローンを重宝していたとは驚きの事実だ。本書は、アメリカ陸軍特殊部隊のドローン戦略最前線、現代版の戦闘を知る上で一級の資料となっている。本書は、そんな元特殊部隊情報分析官とピュリッツァー賞受賞ジャーナリスト……more
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『地面師』積水ハウスはなぜ55億円を騙し取られたのか
2016年10月、東京・新橋の歓楽街の一角。資産家の女性の白骨遺体が発見された。自宅と隣家のせまい隙間に、うつぶせに倒れていた。これだけでも十分きな臭いが、驚くべきことに彼女の土地は何者かによって転売されていた。地主になりすまして、不動産をだ……more
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『麻原彰晃の誕生 』
2018年11月07日私は彼のことを生来の異常者だと決めつけないよう注意を払いながら、可能なかぎり当人を知る人びとから話を聞き、等身大の人間像を描き出したつもりでいる。それは高度経済成長から終わりやまぬ近代主義のまっただなかを生きてきた、貧苦の生い立ちをもつ少年の……more
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『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』を買ったのは、どういう人たちなのか?
2018年10月28日事実は小説より奇なり、というのはHONZ読者にとってはしばしばぶちあたる事だと思いますが、『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』はその中でも有数のインパクトのある本でした。「これ、ミステリ読みだったら即、本屋さんに走り……more
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『サリン事件死刑囚 中川智正との対話』15回の面会の記録
本書の奥付は2018年7月26日。著者と中川智正との約束で、彼の死刑執行後に出版されることが決まっていた。あとは出版されるだけというゲラを持っていた編集者はどんな気持ちだったのだろう。多分、一生心に残る本になったと思う。…more
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『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む
2018年09月07日一般に、本は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷……more