医学・心理学
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『中医養生のすすめ』日本人中医医学博士が紹介する中国伝統医学での「未病」の治し方
2020年07月30日中医学の治療思想の根本は「未病を治す」ことだと著者は語る。これには発病する前に予防する措置を取る「未病先防」、罹患した場合でも先手を打ち、悪化に対する予防線を張る「既病防変」があり、医師の指導だけでなく患者自身が取り組む「セルフ養生」が必要に……more
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なぜ彼女は逮捕され、自殺してしまったのか 『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ──「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと』
2015年7月、アメリカはテキサス州プレーリー・ビューでの出来事。車を運転していたサンドラ・ブランドという若い女性が、ひとりの警察官から停車を命じられた。彼女が車線変更をする際に方向指示器を出していなかったというのだ。――そう、たったそれだけ……more
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『患者になった名医たちの選択』に生き方を学ぶ
医師だって人間だ。他の人と同じように患者になる。そうなった時、医学を知っているだけに、いかに病気を受け止めるかは一般の人とは異なっている。がん、脳出血、心筋梗塞、網膜色素変性症、筋萎縮性側索硬化症、アルコール依存症、性同一性障害など。名医たち……more
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認知症患者の視点から見た世界──『今日のわたしは、だれ?』
2020年05月25日認知症患者がどのようなことに困っていて、彼らはいったいどのような世界を見ているのか。何をしてもらったら嬉しくて、何が悲しいのかといった彼らから見えている世界。そして、認知症はただ喪失の過程であるだけではなく、楽しいことも楽しめることもまだまだ……more
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病から医者という「ひと」を見る『患者になった名医たちの選択』
2020年05月24日人の命に密接に関わる医療の世界と医師という存在に対して、私たちはどこか、特別な感情を抱きやすい。だが、医師たちも同じ人間。彼らにも病は等しく降りかかる。 本書は、病にかかり「患者」となった経験をもつ18人の医師の経験談をまとめた一冊だ。…more
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『人間に向いてない』きっとあなたは三回嘔吐く。その後暖かいなにかに満たされる。
『人間に向いてない』の文庫が発売されるタイミングで、このパンデミックが起こったことに、因縁めいたものを感じてしまう。本書に描かれる「異形性変異症候群」という奇病が荒唐無稽なものだとは到底思えなくなってしまったのだ。 一夜のうちに人間を異形の……more
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『病魔という悪の物語 チフスのメアリー』あなたは本当に“大丈夫”
約100年前のニューヨークで、腸チフスの無症候性キャリアで会った女性が、離島に合計で25年余り隔離された事実を追った物語である。彼女は「チフスのメアリー」と呼ばれ、亡くなったのち現在まで「毒婦」「無垢の殺人者」の意味でその名は残った。…more
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『ステレオタイプの科学』 色眼鏡で見られると本当にできなくなってしまう
2020年05月03日「女性は数字に弱い」「高齢者は記憶力がわるい」「日本人はアフリカ系の人に比べて身体能力で劣っている」。わたしたちはしばしば過度の一般化を行い、特定のステレオタイプをとおして周囲の人を眺めてしまう。そして、そうしたステレオタイプがときとして深刻……more
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そうだったのか!『ウォーキングの科学』で健康に
2020年03月12日健康を維持するには適度な運動が必要だとよく言われます。しかし、適度な運動って何なんでしょう?一日一万歩はキリがいいけれど、医学的根拠は薄いと以前から言われてました。この本では、7000人以上のデータから「インターバル速歩」が有効であることがエ……more
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『がん免疫療法の突破口(ブレイクスルー)』ブレイクスルーに至る100年史
2020年03月05日がんの治療の世界で、今世紀に入ってから、まさにそのブレイクスルーが起こった。本書は、そのブレイクスルーに至るまでの、100年以上にわたるがん免疫療法の歴史の解説書だ。医学的な解説書としても貴重だが、その歴史に関わってきた人たちが織りなすドラマ……more
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新型コロナウィルスだけじゃない、伝染病のノンフィクションを読んでみよう!
2020年03月01日主だった感染症のノンフィクション一覧です。雑誌に掲載されたのは10年ほど前ですが、いま読み直してみても、歴史的に価値のある作品ばかりです。絶版になっているものが多いのですが、興味のある方は探してみてください。…more
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『Gift-物語るケア』人はどう生きどう死ぬのか 看護・介護現場の貴重な証言集
2020年02月27日本書は日本看護管理学会例会「病院看護と訪問看護のコラボ ― 本当に“事例から学ぶ”しくみを作ろう」というコンセプトから作られた「いいね♡看護研究会」の活動から生まれた。 看護実践の一場面の写真と、撮影の意図をポスターのように掲示し、研究会参……more
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『「その日」の前に』よく生きよ、死を思え
カリフォルニアにあるプロヴィデンス聖十字架医療センターに入院する緩和ケアを受ける患者たちひとりひとりに対峙し、写真とともに彼らの考えや歴史を語ってもらう試みは2年間に渡った。20名の患者は年齢も性別も人種も違うし、育ってきた環境もみな全く異な……more
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年収が上がれば上がるほど幸せになれるのか?──『幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』
2020年02月05日幸福とは何なのだろうか。ほしかったものを手に入れた時、おいしいものを食べた時、僕は幸福を感じるが、どれほどの幸せでもすぐに慣れてしまうのはなぜなのか。年収の高い人は低い人よりも幸せなのか。幸福感と生活の質はどの程度関係しているのか、我々は自分……more
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アフリカのエイズをなくせ! 『撃ち落とされたエイズの巨星』
サブサハラにおけるエイズ・HIV感染の撲滅を目指してばく進したオランダ人医師ユップ・ランゲの物語である。その内容は多くのエイズ本とはかなり異なり、尊き個人の壮絶な戦いの記録である。筆者はランゲに励まされて医師になったイスラム系の女性。その内容……more