医学・心理学
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医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』
難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)に冒され動かなくなった身を、自らが策を弄して設立した湘南鎌倉病院に横たえている『ゴッドドクター 徳田虎雄』。かつて、医療革命の風雲児として喝采を浴びた男の一代記だ。その壮絶な生き様から、昭和から平成にかけての……more
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麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』
2019年12月25日本書『意識と感覚のない世界』は三〇年以上麻酔科医としての経験を重ね、時に七〇〇グラムの未熟児から、時には人間ではないゴリラまで、幅広い存在に対して麻酔を施してきた著者ヘンリー・ジェイ・プリスビローによる、自身の仕事についてのエッセイである。…more
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楽しく読めて役に立つ『からだと病気のしくみ講義』はサルでも読める医学書だ!(←自著誇大広告です)
2019年12月25日近年、医学は飛躍的に進歩し、昔だったら治らなかった病気も治せるようになってきました。大きく進歩した分、ある意味ではややこしくなってしまったのですが、その現代医療の恩恵をきちんとうけて、健康で長生きするためには、これまで以上に自分の体のことを理……more
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『思いどおりになんて育たない: 反ペアレンティングの科学』あれこれ子育てに悩んだら、真っ先に読んだらいい
本書は、現在のペアレンティングと呼ばれるものの考え方は、科学的、哲学的、政治的な観点から、そして人の生活という面から根本的に誤りであると主張している。巷にあふれるハウトゥー本をぶった切る。自分が子育てハウトゥーに毒されていないかをチェックする……more
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『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち
具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」。…more
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『アスペルガー医師とナチス 発達障害の一つの起源』現代の精神医学とナチス 光と闇の意外なつながり
2019年08月24日アスペルガーは、ナチス統治下のオーストリア・ウィーンで小児科医として活躍した。敬虔なカトリック教徒でナチスにも入党しなかった彼は戦後、ナチスに抵抗した人物として評価された。だが本書で描かれるアスペルガーの人物像は、これまでの慈愛と反骨のイメー……more
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『死の海「中河原海岸水難事故」の真相と漂泊の亡霊たち』あの日、彼女たちは何を見たのか?
昭和30年7月28日午前10時ごろ、三重県津市の中河原海岸で女子生徒たちが溺れ36人もの死者を出した。足をさらわれ、泳ぎの得意ではない女子が海の下の方へ引き込まれ深みに落ち込んだ。何者かに引きずり込まれたという証言もある。この事故はなぜ起こり……more
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『習慣の力〔新版〕』変えるためのコツは、意外とシンプル
2019年07月19日習慣をコントロールしたくても、なかなかうまくはいかない。でもしくみを知って、ままならないなりに多少抵抗したい。そんな人たちのための一冊である。アルコールやニコチンといった定番から、爪を噛む癖まで。さまざまな例とともに、習慣のしぶとさ、繰り返し……more
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『僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から』 「佐世保小6殺害事件」被害者の兄ふたりの“その後”
2004年6月、長崎県佐世保市の小学校で6年生の女子児童が同級生の女児にカッターナイフで喉を切られ死亡する事件が発生した。学校内で起こった前代未聞の事件に報道は過熱した。 だがその熱もやがて醒め、似たような子供同士の殺人事件などが起こると、……more
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「『こわいもの知らずの病理学講義』につまずいた人、必読!」ってどういう意味やねん! 『おしゃべりながんの図鑑 病理学から見たわかりやすいがんの話』
2019年07月07日おしゃべりなおばちゃん病理医による「がんの図鑑」。著者自らのイラストを駆使しながら、がんとはどういう病気か、が、わかりやすく解説されていきます。日本人の二人に一人が、がんになる時代です。読んでおいて決して損はありません!…more
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『ストーカーとの七〇〇日戦争』ストーカーは病気である!
本書は被害当事者が、ストーカー行為の一部始終を赤裸々に語った数少ない本である。一度は信頼した人が変貌していく過程に総毛だつ。…more
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『「うつ」は炎症で起きる』 「それは体の問題」という新たな視点
若い医師はあるとき、リウマチ性関節炎と診断されていた女性患者がうつ病をも患っていることに気づいた。そのささやかな発見に気をよくした彼は、上機嫌で先輩医師にその旨を伝える。だが、先輩医師から返ってきた反応はきわめて淡白なものであった。「うつ病?……more
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『Dr. ヤンデルの病院選びーヤムリエの作法』を読んで病院選びの達人をめざそう
2019年06月08日あのDr.ヤンデルの本である。と言われても「?」の人が多いかもしれない。ツイッターのフォロワー数10万人近く、間違いなく日本でいちばん有名な病理医だ。そのヤンデル先生がヤムリエを買ってでてくれた。病院をえらぶソムリエ、病やまいのソムリエでヤム……more
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『世にも危険な医療の世界史』を買ったのは、どういう人たちなのか?
2019年05月30日発売した瞬間にHONZメンバーがどよめく、というか「おおっ!」と沸くことが最近頻発しています。面白いノンフィクションが次々と世に送り出されている事の証左でしょう。この『世にも危険な医療の世界史』もそんな1冊でした。 エビデンス、エビデン……more
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読めば気分が…、医学譚全61話 『爆発する歯、鼻から尿―奇妙でぞっとする医療の実話集』
2019年05月27日珍書というべきか奇書というべきか、何しろ驚愕の一冊である。『鼻から尿』?、それに『爆発する歯』?そんなことあるはずないやろ!という気がするのだが、いずれもがれっきとした医学雑誌に載っている症例報告なのである。17世紀から19世紀の医学雑誌に……more