民俗・風俗
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『最期の言葉の村へ──消滅危機言語タヤップを話す人々との30年』 言語とともに消え去っていくものたち
「言語はなぜ消滅してしまうのか」。1980年代、当時大学院生だった本書の著者は、その謎を明らかにしたいと切望し、単身で熱帯雨林の奥地に潜り込む。当時、どんな地図にも載っておらず、そこを訪れた白人もほとんどいなかった、湿地の村ガプン。その村では……more
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東京が生んだ奇跡、代官山『HILLSIDE TERRACE 1969-2019』
2019年12月20日東京屈指の人気の街、代官山。おしゃれなイメージを持っている人も多いだろう。実はこの街は、丹念に手入れされ、長年の努力の積み重ねでできあがっている。重要文化財指定の和風建造物があり、街自体が建築の有名な賞を受賞した、と聞けばどうだろう。その歴史……more
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『パワースポットはここですね』あなたにもきっと「ここ」と思える場所がある!
2019年11月17日どうやら今の日本はパワー不足のようだ。元気のない状態が常態になりつつある。高度成長期のイケイケを知っている世代は若者に「覇気がない」だの「やる気がない」だのうだうだいうが、先行きに希望が見えないのなら、元気など出しようがないではないか。…more
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『マゾヒストたち 究極の変態18人の肖像』
2019年10月31日SMに関わる人たちをS女性・M女性・S男性・M男性の4種に分けると、もっとも興味深いのがM男性なのだ。興味深くはあっても、一人一人に直接話を聞ける機会は決して多くはない。それこそ、新潮社の社員だった天野哲夫さんなど、著名なマゾが著書を出してい……more
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『亜細亜熱帯怪談』前代未聞の新ジャンル!現代アジア怪談ルポルタージュの誕生
本書はタイを中心に東南アジア一帯の怪談を集めたいっぷう変わったルポルタージュである。著者はもともと死体に興味があり、博物館に死体を見に行ったり、インドまで足を運び、ガンジス河のほとりで焼かれる遺体を眺めたりしていた。死後の魂の行方よりも、死後……more
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ヒョウ柄に金箔押しのド派手カバー『仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう』は”真の大阪”を知るためのバイブルだ!
みんなが気づいていない大阪の良さ。大阪人、大阪弁、かつての色街、大阪城、大阪の私鉄、食、音楽、おばちゃん、落語、ソース文化、大大阪時代、そして、東京と大阪の違い、という12のテーマについて語り尽くした対談本です。むっちゃおもろいこと、保証しま……more
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『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』バカ売れのヒントは経営学ではなく民俗学?
霞ヶ浦のレンコン農家に生まれ、社会学で博士号を取得し、民俗学の研究者となり、二刀流ではじめた超高級レンコンの商品開発に成功したアラフォーの物語だ。いまではニューヨークやパリのレストランでも使われているという。…more
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『「盛り」の誕生』世界に広がる女の子発のカルチャー
女の子が現実とは違うビジュアルへと自分を加工する技術。これを「盛り」という。スマホなどで写真を加工することはいまや珍しくないが、ここでいう「盛り」はもっと奥が深いものだ。デジタルの加工技術だけでなく、メイク道具を駆使してビジュアルを手作りする……more
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『人喰い ロックフェラー失踪事件』マイケルはなぜ喰われたのか?
2019年04月05日1961年11月20日、マイケル・ロックフェラーはニューギニア南部で消息を絶った。 この地を訪れていた23歳の若者の父親は、ニューヨーク知事で後に副大統領となるのネルソン・ロックフェラー。地球で一番の金持ちで、スタンダード・オイルの創設者ジ……more
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二度と帰らない 昭和ノスタルジー『夜間飛行』
「ビートルズがタラップを降りて来た翌年には、青白い顔にソバカスを散らしたツイッギーがやって来た。」時は昭和40年、女性の色気ある仕草やお客との目配せ、弾む会話に香水の香りなどとともに東京銀座の華々しい世界観を本書は詳細に描き出し、読者はまるで……more
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『東海道ふたり旅 道の文化史』エッセイの名手が読み解く知的でビジュアルな東海道五十三次
久しぶりに出会った、上品にして趣深いエッセイとして読んでいる最中だ。読み終えるのがもったいないのだ。全35章。3章ほどをゆっくりと読むために、わざと場所と時間を変えている。早朝のカフェでクロックムッシュと、午後はおにぎりをほおばりながら公園の……more
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『陸軍と厠』もし、あなたが戦場で便意をもよおしたら
2019年01月10日戦場は危機に満ちている。いつ敵の襲撃があるかわからない。やるかやられるか。だが、危機は敵だけではない。過酷な環境下、自らの体調を崩すこともある。大病に至らないまでも張り詰めた空気の中、兵士だって行軍中に戦闘中にお腹がいたくなることもある。一体……more
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『美酒復権』NEXT5のその先へ
2018年12月03日「NEXT5」というグループをご存じだろうか?日本酒が好きな人ならきっと一度は耳にしたことがあるだろう。ゆきの美人の小林忠彦。白瀑(山本)の山本友文。福禄寿(一白水成)の渡邉康衛。新政の佐藤祐輔。春霞との栗林直章。秋田の蔵元5人が2010年に……more
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『青線』かつて存在した非合法売春地帯を歩く
2018年11月20日非合法の売春地帯「青線」はかつて日本に広く存在した。現状はさまざまだ。すでに旧観を失った街もあれば、細々と営業を続けている街もある。共通して、関係者の証言から浮かび上がるのは、諦念だ。行き場を失った女性たちは、青線に未来がないことを悟りながら……more