社会
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『介護民俗学という希望 「すまいるほーむ」の物語 』
2018年06月01日リハビリや身体介護といった直接的な介入は身体機能がどの程度改善したかといった計測が比較的容易にできるのに対し、こうした心を支えるケアの評価は難しい。しかし、だからといって、その重要性は勝るとも劣ることはない。むしろ基本となるものであろう。本書……more
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『世界を変えた14の密約』
2018年05月31日「企業の密約が世界を変えた」と言えば、ありがちな陰謀説だと思われるかもしれない。しかし、本書はそんな陰謀説を掲げてスキャンダルを暴露しようとする本ではない。むしろ、それとは正反対だ。この本は、今わたしたちをとりまくこの世界が、偶然の産物ではな……more
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『不合理だらけの日本スポーツ界』日大タックル問題はなぜ防げなかったのか
日大タックル問題が米国では起こりえない、指導者が間違っても起こそうと思わないことが本書を読むとわかる。厳罰が処せられるため、あまりにもリスクが大きいからである。では、なぜ厳罰が処せられるか。一言で言えば、大学スポーツがビジネスとして成立してい……more
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『カミングアウト』伝えられない想い。伝える希望。
2018年05月29日勝間和代さんが現在同性のパートナーと暮らしていることを「カミングアウト」した。異性カップルであれば、ここまで「勇気をもって公表する」必要はなかっただろう。 セクシュアルマイノリティが、「そのままの自分」を他者に伝えるとき、どんな障壁があり、……more
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『コンビニ外国人』身近だけどよく知らない、ではすまされない
2018年05月19日もはや毎日のように顔を合わせている人たちについての話だ。数多くのインタビュー、数字から見る規模感と潮流の変化、そして社会的な受け入れ体制のいびつな現状など、外国人労働者をとりまく状況が200ページちょっとで大づかみできる。読めば、身の回りの生……more
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日本の原子力政策のドラマが詰まった『電力と政治』
新電力として期待されていた原子力はどのように日本に導入されたのか。導入を進めた政治家・官僚・企業家はどのように絡み合って大きなうねりを作り出していたのか。本書が記録するのは日本の原子力政策のドラマである。…more
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『遅刻してくれて、ありがとう』加速の時代に「ほどほどの人生」をいかに取り戻すか
2018年05月14日本書でフリードマンが目をつけるのは、「加速化」だ。世界はいま信じがたいスピードで変化している。その速さは私たちの思考や制度が追いつかないほどだ。フリードマンによれば、その節目となった歴史的な年は2007年だったという。フリードマンはこの年以降……more
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『老いぼれ記者魂 青山学院大学春木教授事件四十五年目の結末』執念の追跡の果てに
昭和48年(1973年)3月、青山学院大学で後世に残る一大スキャンダルが噴出した。「大学教授が教え子に暴行した」と朝日新聞がすっぱ抜いたのだ。 逮捕されたのは、当時の法学部教授、春木猛(63)で被害者は同学部4年生のA・T子さん。被害者の証……more
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『子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。』
ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグも、本書を「読むべき本」として取り上げた。ザッカーバーグは自身のFacebookに、「一部の人がなぜワクチンを疑問視しているのか、この本を読んでよくわかった。そしてその疑問に確たる根拠がないこと、ワクチンが……more
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衰退は楽しんだもの勝ち!『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』
2018年04月30日「衰退はかなしいことではない。ポジティブに受け入れ、楽しむべきものなのだ。」 消滅自治体、縮退都市、限界集落…。成長を追い求め続ける経済・社会の限界については、日本国内だけでなく、世界で問題視されている。そうした「限界」や「衰退」に日本より……more
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『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』
2018年04月27日本書で描かれるパイパーの不撓不屈の日々を、私自身も経験することとなった。彼女の決して諦めない姿勢にどれだけ励まされたかわからない。パイパーの力強い歩みが、入退院を繰り返す日々を送る私を支えてくれた。出所の日、パイパーが感じた心からの喜びを、私……more
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『巨人ファンはどこへ行ったのか?』あの頃、みんな、ジャイアンツが好きだった
2018年04月20日巨人ファンでなければ人にあらずのような時代から、巨人ファンというのが少し気恥ずかしい時代を経て、巨人に無関心な人が大半になった。果たして巨人は何を目指しているのか。私のような巨人と距離を置いていた元野球ファンも本書を読むと気になってしまう。…more
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驚愕のクライム・ノンフィクション!『ウルフ・ボーイズ 二人のアメリカ人少年とメキシコで最も危険な麻薬カルテル』
2006年、アメリカのテキサス州ラレドという国境の街でメキシコ系アメリカ人のガブリエル・カルドナとバート・レタという二人の少年が逮捕された。アメリカで最も貧しい街のひとつで起きた不良少年の逮捕劇。一見するとありふれた事件だが、この一件はアメリ……more
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『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』戦慄、衝撃のルポルタージュ!
2018年04月16日2017年7月、安倍晋三首相が「将来の首相候補」として守り続けてきた政治家、稲田朋美防衛大臣が南スーダン平和維持活動(PKO)の日報隠蔽の監督責任を取って辞任したことを覚えているだろうか。破棄された文書の存在が発覚し、関係者の嘘が晒された末……more
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『定年入門 イキイキしなくちゃダメですか』ワタシのこれからの拠り所はどこ?
2018年04月16日フリーランスの物書き、高橋秀実には定年がない。だが同年代の会社員である編集者は次々と定年を迎え去っていく。では定年って何?という素朴な疑問を解消すべく取材が始まった。 定年は会社員でなくなる期日である。そこですっぱり新しい人生を模索する……more