今月読む本

2月の今月読む本 その2

東 えりか2013年2月10日

そろそろスギ花粉が舞い始めているらしい。

私は花粉も誇りも霊感も感じない鈍い人なので、全く普段と変わらないが、毎年周辺で「クシャンクシャン」とする人が増えている。のんきに「そろそろ春だねえ」なんて言っていると恨まれそうである。

大雪の予想が幸いにも外れた2月6日(水)のHONZ朝会の続き。欠席のメンバーのオススメ本から紹介しよう。

勤務先が遠くなったため、今回は万全を期して欠席の鈴木葉月

20世紀の椅子たち―椅子をめぐる近代デザイン史

作者:山内 陸平
出版社:彰国社
発売日:2012-12
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本人のコメント「お高めですが、カバーが気に入りました。」

統計学が最強の学問である

作者:西内 啓
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2013-01-25
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本人は統計学が好きなんだそうだが、メンバーのなかにすでに読み終わった者が複数あり。書店でもとても売れているそうだ。

世界で一番おもしろい地図の読み方大事典

作者:
出版社:青春出版社
発売日:2013-01-25
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全379ページ地図トリビア満載で1050円は安いのでは。

大きなプロジェクトに参加中の久保洋介

江戸の都市プランナー

作者:小林 信也
出版社:柏書房
発売日:2013-01
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天保の改革から安政年間に活躍した江戸の名主「熊井理左衛門」。これは即ポチ!

ミュージアムの未来への展望、らしい。

水族館で珍に会う

作者:
出版社:エンターブレイン
発売日:2013-01-10
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こちらは水族館。個人的に大好き。ぼーっと見ていたい。

「ヨメがコレで」(蒲田行進曲!!)お休みの高村和久

日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩

作者:リ・ハナ
出版社:アジアプレス出版部
発売日:2013-01-20
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「北朝鮮からの移民として初めて大学に進学したハナさんのブログを本にしたもの。こういう人がいるんですねえ。どうでもいいですが、表紙の「消しゴム付き鉛筆」、久しぶりに見ました。」私も現在併読中。

妖怪学の祖 井上圓了 (角川選書)

作者:菊地 章太
出版社:角川学芸出版
発売日:2013-01-24
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「日本各地で膨大な数の怪異談を収集して検証したお方らしいです。勝海舟が師匠で、日本には哲学が必要だと意見して今の東洋大学をつくったそうで。もしかして、有名?知らなかったの私だけ?」

ちなみに土屋から「表紙が奇妙なヒゲおやじのノンフィクションは面白い」というセオリーが発表された。

山靴の画文ヤ辻まことのこと

作者:駒村 吉重
出版社:山川出版社
発売日:2013-01
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「辻潤と伊藤野枝の子にして自由人、辻まことさんについて。『歴程』に連載した風刺画が、むちゃくちゃかっこいいです。というか、かっこいいです。」この著者、駒村吉重さんの本は、毎回HONZに取り上げられている。

愛知県在住なので、朝会参加がなかなか難しい鰐部祥平

暮らしのイギリス史―王侯から庶民まで

作者:ルーシー・ワースリー
出版社:エヌティティ出版
発売日:2013-01-25
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「生活に焦点を当てたイギリス史。中身云々より装丁の美しさで即買いしました。納戸色のような落ち着いた青に水色でアラベスク模様が描かれた裏表紙とサー・エドワード・ポインターの絵が印刷された表紙を見たとき、「自分の本棚に納めたい」という衝動が沸々と湧き上がりました。」相変わらず、装丁の綺麗な本に弱いらしい。

バルザックと19世紀パリの食卓

作者:アンカ ミュルシュタイン
出版社:白水社
発売日:2013-01-23
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「バルザックの作品を元に19世紀のパリの食卓と人間性に迫ろうと試みた一冊。食事の風景を通じて人間性を描く手法はバルザック以前には見られないとする、著者の主張に純粋に驚き、且つ食事という行為から人間の内面が透けてみえるとう考えに、何となく納得するものがあります。」ヨーロッパの歴史、好きだよねえ。

プルトニウムファイル   いま明かされる放射能人体実験の全貌

作者:アイリーン・ウェルサム
出版社:翔泳社
発売日:2013-01-18
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「アメリカが国費でおこなった、プルトニウムによる人体実験を暴く作品。人権が非常に重きをなすアメリカで、自国民を使ったこのような人体実験が行われていたことに衝撃をうけました。暗い穴の中に蠢く国家の暴力的な面を覗いた気分です。」

娘さんの受験の朝、母としては見送りたい麻木久仁子

大原孫三郎―善意と戦略の経営者 (中公新書)

作者:兼田 麗子
出版社:中央公論新社
発売日:2012-12-18
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「クラボウを中心とする大原財閥を築き上げた経済人であると同時に、病院・孤児院・美術館の設立したり、労働問題にも力を尽くした社会福祉事業家でもある大原孫三郎の生涯。戦前、マルクス経済学の牙城として特高にも睨まれた「大原社会問題研究所」(今は

法政大学内にあります)の設立者でもあると知り興味が湧きました。大金持ちの息子で若い時には放蕩三昧。一転、経済合理性の追求と、使命感に基づく社会改良事業の両立への挑戦。なかなか濃ゆいお方のようで、おもしろそうです。」

森林飽和―国土の変貌を考える (NHKブックス No.1193)

作者:太田 猛彦
出版社:NHK出版
発売日:2012-07-26
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「森林の減少が土砂崩れなどを引き起こし国土を荒らしている。針葉樹林が増え、自然林が減少したことが山の保水力を失わせている等々、良く言われている「常識」がちょっと違うのかも、という。むしろ今は森林が飽和状態にあり、そのことが海岸線の崩壊に繋がっている?らしい。古代から現代に至るまでの日本の森林の変化を辿りながら、新たなフェーズに入ったこれからの国土保全を考える本のようです。「土砂災害がないように山崩れを起こさせ、海岸線に土砂を供給するにはどうすれば?」という、発想の転換を提起しています。」

アメリカが劣化した本当の理由 (新潮新書)

作者:コリン・P.A. ジョーンズ
出版社:新潮社
発売日:2012-12-15
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「民主主義の本山を自認するアメリカ。しかしそのアメリカが本質的に抱えている「民主主義の欠陥」を、独立戦争当時から繙く本。オバマケア議論の背景も理解出来そう?な本です。」

インフルエンザで欠席の刀根明日香。就活、どうなってる?

図説世界史を変えた50の鉱物

作者:エリック シャリーン
出版社:原書房
発売日:2013-01-24
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『世界を変えた~』シリーズからこれをチョイス。

「鉱物を人類の歴史とリンクさせて読み解きます。写真、図版豊富で見応えたっぷりです。」って本当に鉱物に興味あるの??

今日まで待ちましたが、栗下直也から何もなし。インフルエンザ、ひどいのかな?

ここからはおまけの本。コメントなしでずらずらっと。

井上卓磨

新訳 ヒトラーとは何か

作者:セバスチャン ハフナー
出版社:草思社
発売日:2013-01-17
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山本尚毅

グラフィックデザインで世界を変える

作者:アンドリュー・シー
出版社:ビー・エヌ・エヌ新社
発売日:2013-01-24
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新井文月

ほんとうの「和」の話

作者:広田 千悦子
出版社:文藝春秋
発売日:2013-01-25
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麻木久仁子

原発と政治のリアリズム (新潮新書)

作者:馬淵 澄夫
出版社:新潮社
発売日:2013-01-17
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闘う区長 (集英社新書)

作者:保坂 展人
出版社:集英社
発売日:2012-11-16
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鈴木葉月

HOW TO 花贈り

作者:
出版社:朝日出版社
発売日:2013-02-02
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はやく勉強の成果を見たい。

土屋敦

脳の中の経済学 (ディスカヴァー携書)

作者:大竹 文雄
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2012-12-29
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仲野徹

成毛眞

日本唐揚協会のつくりかた-オンリーワンビジネスで成功するための思考法

作者:安久鉄兵(一般社団法人日本唐揚協会会長)
出版社:メタモル出版
発売日:2013-01-14
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「中卒」でもわかる科学入門

作者:小飼 弾
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2013-02-09
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東 えりか

せまいぞドキドキ

作者:ヨシタケ シンスケ
出版社:講談社
発売日:2013-01-17
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だれが原子をみたか (岩波現代文庫)

作者:江沢 洋
出版社:岩波書店
発売日:2013-01-17
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医療幻想: 「思い込み」が患者を殺す (ちくま新書)

作者:久坂部 羊
出版社:筑摩書房
発売日:2013-02-05
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内藤順

コピーキャット: 模倣者こそがイノベーションを起こす

作者:オーデッド シェンカー
出版社:東洋経済新報社
発売日:2013-02-08
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村上浩

世界を先駆ける日本のイノベーター

作者:
出版社:オーム社
発売日:2013-01-26
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田中大輔

相対性コム デ ギャルソン論 ─なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか

作者:五十嵐太郎
出版社:フィルムアート社
発売日:2012-12-17
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深津晋一郎

足立真穂

一億総ツッコミ時代 (星海社新書 24)

作者:槙田 雄司
出版社:講談社
発売日:2012-09-26
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今回もバラエティに富んだ選本になりました。

朝早く、それも雪交じりの悪天候の中、足を運んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。

公開朝会、ご要望がありましたらまた行いたいと思います。

他に、HONZへのイベント要請やご希望などどしどしお寄せください。

書店さんからのご要望もぜひぜひ。

来月は通常の朝会になる予定です。ではみなさん、すばらしい読書生活を!