今月読む本

7月の今月読む本 その1

4年目に入りました!

東 えりか2014年7月2日
ノンフィクションはこれを読め!  2013 - HONZが選んだ110冊

作者:成毛 眞 編著
出版社:中央公論新社
発売日:2013-10-24
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2011年7月に立ち上がったHONZは無事に4年目を迎えました。パチパチパチ!

みなさまのご愛顧に感謝し、レビューアー一同、なお一層面白いノンフィクションを捜し、読み、書いて多くの方に興味を持っていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

3冊目となる『ノンフィクションはこれを読め!2014!』(仮題)も編集を開始いたしました。昨年よりも面白い本にするため、いろいろ企画を練っています。どうぞお楽しみに。

昨日、成毛眞が司会をする『紙つなげ!』のイベントがあり、疲れ果てた代表はお休み。とはいえ、自宅では必死で原稿を書いているらしいです。もうひとり、ペペロンチーノで『いきの構造』を書いた土屋敦も、次の原稿に追われて欠席。高村、栗下も家庭の事情でお休みをしています。

最初は引っ越し以来、ひさびさにスカイプ参加の鰐部祥平

 

開高健ノンフィクション賞受賞の藤原章生は毎日新聞の記者。ジャーナリストが見た世界を鰐部も追体験したいそうだ。ジャンクフードを消費者に買い続けさせるテクニックを描いた恐ろしい話も面白そう。「経済学の祖」の評伝を選んだのは人間性に興味があるからだという。

村上浩

先月、成毛が紹介した『遅い光と魔法の透明マント』もそうだが、透明人間につながる技術がすすんでいる。一方方向からなら、見えなくなる技術はかくりつされているらしい。新幹線は宇宙への技術の結集した賜物であったそうだ。その関連から『NASA』。ドイツから亡命してきた技術者の力が大きかったとか。

久保洋介

HONZでゴルフをやるのは、成毛、内藤、そして久保。なんとか上手くなるコツをつかみたいとこの本を選んだのは帯に書いてある惹句だった。“これはゴルフの「マネー・ボール」だ!”日本だけでなく理科系男子のオタク加減が面白そうなロボコン。そして泣く子も黙る極道取材の第一人者、溝口敦がたどりついた「オレオレ詐欺」の帝王って?

刀根明日香

ROADSIDE BOOKS ── 書評2006-2014

作者:都築 響一
出版社:本の雑誌社
発売日:2014-06-24
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都築響一の本を取り上げることが多いHONZ。大学生(未だ)の刀根はこの本から昭和に興味を持って、演歌の本など買っているらしい。麻木が若かった頃、ラジオのDJ(今のDJとは違うけど)の修業に歌のイントロで曲紹介をする修行をしたそうな。エアチェック、オープンリール、などの言葉をいちいち説明しなきゃならないのはしんどい…

峰尾健一

理想の花嫁と結婚する方法: 児童文学作家トマス・デイの奇妙な実験

作者:ウェンディ ムーア
出版社:原書房
発売日:2014-06-13
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『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』を書いたウェンディ・ムーアの新作はイギリスの光源氏の物語。少女を自分の好みに育てて結婚しようとした小説家。「なんか気持ち悪いよね~」と内藤は苦々しげだった。意外にノーマル。

山本尚毅 

サッカーのワールドカップ真っ盛りだが、ホームレスだけで構成されたチームのワールドカップがあるのを知っているだろうか。「野武士ジャパン」と命名されたメンバーの奮闘を描く。上の近くの下町に住む山本なら、森まゆみの本ははずせないだろう。四国の内子町の職員の仕事ぶりを取材。世界中のお祭りカタログは、忙しい日々の合間に、息抜きで眺めたい。

新井文月

ニューヨークの個展も無事終了。体験記を希望する!

『空き家問題』はあちこちでかぶっていた。地方ばかりでなく都内でも大きな問題になっている空き家だが、その活用方法を新井は考えているようだ。ポロックは芸術家らしい芸術家なんだそうだ。最期は交通事故で亡くなったとか。中国絵画は気から見た絵画で、それを真似た雪舟などとの違いを熱く語る。

麻木久仁子

今回の一番人気は『ヒトラー演説』。25年分150万語に及ぶ演説を文字化することによって、熱狂の一端が見えるかもしれない。LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランズジェンダー)カップルで初めてディズニーランドで結婚式を挙げた元タカラジェンヌの告白記。日本人にとって、歴史的に肉食をするとはどういうことかを考察した一冊。

東 えりか

『バカの壁』から11年。個性を大事にしろという教育に真っ向から立ち向かう養老先生。自分探しなんてムダだと喝破する。夏場に怪談は欠かせないが、強い霊感を持つ作家が物語の現場を訪れたらどうなるか?これが、なかなか……。張学良には6人の愛した女がいた、という告白を調査したノンフィクションは、すごく濃ーい。

内藤順

「今回はこれだけ紹介できたらいい!」と言い放った『テクニウム』は5,000円近くする本で、内藤にしては珍しく持ち歩いたような形跡が見える。人間はテクノロジーに欲されるように動き、進化論に似ているのだそうだ。なんだかおもしろそうだぞ。「中二病」が有名だが、大学にはいっても自己顕示欲が強い人たちの生態。アメリカ各地にある博物館は、確かに奇妙なところがいっぱい。

塩田春香

ネットに疎い塩田は、HONZに参加するため悪戦苦闘中。私がかつて来た道だわ~。ゴールはもうすぐよ!

重そうにカバンから出してきたのは図鑑2冊。電子顕微鏡で見た植物の一部分は、思いがけないほど美しい上に、生き残るための姿をしていた。子供用の図鑑も進化していて、塩田のオススメは小学館のNEOシリーズ。これで2000円なら全部そろえたい。最後はダーウィンの伝記を絵本にしたもの。そういえばダーウィンの伝記は結構出ているのに、読んだことないなあ。

田中大輔

今回一番サッカーワールドカップを熱く語ったのは田中だった。ベッカムが大好きでずっと見続けてきたそうで、この自伝も飛びついたとか。だんだんお酒が飲めるようになると、いろんなルーツが気になるらしい。日本で初めてビールを飲んだのは誰でしょう?ウォーホルの本は新井の紹介したポラックと同じシリーズ。もう一冊出ているのは『僕はダリ』

今回のオススメはここまで。みんな手元のスマホやPCでポチポチ買っているのは3年前と変わらない。積読山脈はチョモランマ級なのに、いまだ増殖を続けている。面白い本の種は尽きまじ。「今月読む本 その2」も近々アップしますよ~