『ボクのつぶやき自伝:@yojikuri』を連続ツイートでレビューする!

仲野 徹2012年03月24日 印刷向け表示
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ボクのつぶやき自伝: @yojikuri
作者:久里 洋二
出版社:新潮社
発売日:2012-02-24
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「おはようございます。今日はこれから久里洋二さんの『ボクのつぶやき自伝:@yojikuri』について連ツイします。あっ、連ツイと聞いて、すっとばそうとしないでください。だって、リアルツイッターじゃないんですから。正しくは、バーチャル連ツイ+連リツイになりますけど、よろしく。」

「『ボクのつぶやき自伝:@yojikuri』は、世界初の本でしょう。だって、ツイートを編集して自伝にしあげてしまっているのですから。もちろん久里さんのつぶやきがむちゃおもろいからこそできた本です。」

「久里洋二といっても知らない人が多いかもしれませんが、たくさんの国際的映画賞コンクールで賞をとった世界的アニメーターです。『いくつ受賞したか、覚えていない』どころか、『重いので、トロフィーを置いてきたこともある』らしいから、すごすぎますね。というか、いきなりちょとかわってますなぁ。」

「中年以上の人は、その昔、11PMでながれていた、線で描かれたちょっとエッチなアニメーションの作者といえば覚えておられるのではないでしょうか。Youtubeでいくつか見られますが、すこしも古びていなくてポップです。 http://p.tl/Ntnv 」

「その久里さん、もう84歳ですが、その老人がツイッターをされるというだけでもかなりのことです。もちろん編集者の着眼と凄腕があってのことですが、『アニメーター久里洋二』、『交友録』、『青春記』、『身辺雑記』『東日本大震災』の5章からなる内容、感心させられて考えさせられて、笑えます。」

「久里洋二、文字通り、アニメの先駆者です。 RT @yojikuri:アニメーションという言葉を唱えたのは、真鍋博と柳原良平と僕の三人。… アート・アニメーションを盛り上げて行こうとした矢先、テレビ用アニメに道を閉ざされてしまった。」

「RT @yojikuri:「アニメ三人の会」ができたきっかけは、当時、若い芸術家たちの集まりが…石原慎太郎を中心とした作家、画家、建築家で結成した「若い日本の会」が出来たことです。開高健、大江健三郎、曾野綾子、平岩弓枝、羽仁進、真鍋博、柳原良平、その他の芸術家と、そして僕です。」

「およそ50年前、このメンバー、すごすぎる会ですよね。あとでリツイートしますが、大人のアニメ、誰に閉ざされたかというと、あの手塚治虫なのです。」

「RT @yojikuri:最初、若い生徒にアニメを教えるなんて、僕は嫌っていた。僕の秘蔵のアイディアを提供する羽目になるからだ。まあ、頼まれたので来ているが、本心は、できるだけ教えたくない。だって、六〇年の知識を、たった10回の講義で学べちゃうんだからな。」

「こうぼやきながらも、『僕が生きているうちに、僕からアニメを学び取ってほしいんだけどな。』と、若い人にケーキをごちそうしたりしながら阿佐ヶ谷でアニメを教えておられるようです。えらいです。意外な交友録もいい話ばかりです。」

「パリでデヴィ夫人と会った時の話は、こんな調子。 RT @yojikuri:日本人で、パリの社交界で顔のきく『デブ夫人』とやらに予約を頼んだ。パリに、デブの食通の日本人女性がいるとは思わなかった。…その『デブ夫人』に頼んだら、一発で『トゥール・ダルジャン』の予約がとれてしまった。」

「オノ・ヨーコとはこんな感じ。これだけでオノ・ヨーコという人がわかるような気がします。RT @yojikuri:オノ・ヨーコさんと五〇年ぶりに会った。ヨーコさんは「あら、前に会ったのは、昨日じゃなかった?」そうか昨日だったのだ。五〇年が一瞬にして一日に短縮されたのだ。」

「名作『楢山節考』は、深沢七郎が丸尾長顕からヒントを得たから書けたのではないかと訝ったりもしています。丸尾長顕という名前、ほんとうに何十年ぶりかで聞きました。子供心にちょっとエッチなおっちゃん、という記憶がありましたけど、ヌード界の大家やったんですね。」

「なかなか洒脱な久里さんですが、手塚治虫とはうまくいかなかったようです。ちなみに、久里さんは昭和三年生まれ。」

「RT @yojikuri:『僕は大正十五年生まれだ』と、いつも言っていた手塚君。昭和三年生まれの仲間達から尊敬されていた。年功序列の時代。ところが手塚君が亡くなった時、初めて昭和三年生まれだとわかった。仲間を見下ろしたかったのか。大人の漫画家の中に食い込んだ手塚君、水と油だった。」

「てきびしい。自分が手塚治虫をアニメに誘ったにもかかわらず、裏切られて、子ども向けのアニメだけになってしまったのが残念でならないようです。RT @yojikuri:手塚君は突然、『久里君、僕は子供アニメを作ることにする。だけど久里君は子供のアニメは作らないでくれないか』と言った。」

「最近の久里さんの様子は素適です。が、ボケか本気かわかりません… RT @yojikuri:家内が『たまには温泉に行きたいわ』と言ったので、『年をとってから行こう』と言ったら『あなた、もう八三歳よ、もう年寄りじゃないの』。家内が笑っている。ツイッターをやっていると三〇歳くらいの頭。」

「たしかにそのお歳でツイッターというのはえらいもんです。次にリツイートするエピソードって、おかしくもほろにがい。でも、近所にこんなじいさんがいたら楽しそうやなぁ。」

「RT @yojikuri:朝、近所のホテルの前を通ったら、陽に焼けた強そうな青年たちが立っていた。…あまりに精力的なので、『SEXしてますか?』と聴いたら、『お~い、みんなSEXしてるか?』『オオオオー』と元気な声。僕はしょぼしょぼと歩いた。」

「本を読んで久里さんのフォロワーになったけど、体調があまりよろしくないのか、最近はあまりつぶやかれていないみたいですね。こんなにおもろいのにフォロワーが3200名あまりとはおかしいやないか、責任者でてこいっ!(人生幸朗風)。これを書いている時点での最新ツイートは5日前の3月18日。」

「RT @yojikuri:家内が見て、「あなたって、へそ曲がりね」と言われちゃったな。 (あっ)と言われて(かっ)と返事するほどボクは雄弁ではない。ボクは多くの言葉をしらない。無グチなのだ。有名な画家、パウレクレーは語るなかれ、まず描けと言っている言葉が氣に行っている。」

「安心しました。まだまだご健在のようです。」

「内容がおもろいだけではない。久里さんのパラパラ漫画が欄外にふたつついている。パラパラ漫画だけでも500円くらいしてしまうのであるから、超格安である。表紙カバーもすばらしい。広げてみればよくわかるけれど、じつは、お尻(たぶん女性のお尻)から顔を出している久里さんなのである。」

「この本、京都の恵文社 @keibunshabooks で見つけたとき、絶対、すぐにベストセラーになると思った。HONZの朝会でもかぶると思った。でも、予想ははずれた。むちゃくちゃおもろいのに、書評などでもあまり見ない。どこかから圧力でもかかっているのではないかと疑いたくなる。」

「RT @yojikuri:僕が新潮社から本を出たことが知らない諸氏先輩が多いのではないかと、気兼ねしています。みなさん、よろしくおねがいします。ああ、まるで選挙に立候補しているみたい。」

「3月8日のツイートである。こんなすばらしいじいちゃんの本を買わずにいていいのかっ!わたしからもよろしくお願いいたします。指がうずうずしてきたかと思います。いますぐポチってください。これにてバーチャル連ツイによる、『ボクのつぶやき書評:@handainakano』おわります。」

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おすすめ本とおすすめアニメ

なにわのアホぢから (講談社文庫)
作者:中島 らも
出版社:講談社
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中島らもの最高傑作と思う。パラパラ漫画も傑作。

カフカ田舎医者
作者:山村 浩二
出版社:プチグラパブリッシング
発売日:2007-11-01
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久里さんも絶賛するアニメーター山村浩二の本。もちろんアニメもあります。

頭山 山村浩二 (アニメ)

落語の頭山をアニメ化。国際的な賞を総なめ。

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