社会
-
『映画を早送りで観る人たち』是か非かではなく、もはや不可逆
2022年5月16日本書はかつて「『映画を早送りで観る人たち』の出現が示す、恐ろしい未来」という記事を書いた著者が、その反響の大きさに驚き、あらためて倍…more
-
『中野ブロードウェイ物語』文化を生み出す異空間
中野の街にはランドマークがふたつある。ひとつは「アイドルの聖地」として知られる中野サンプラザ。もうひとつは中野ブロードウェイだ。 中…more
-
『マイホーム山谷』福祉の新たな可能性を描く 小学館ノンフィクション大賞受賞作
2022年5月5日(知らなかった。こんなことになっていたなんて……。) 読みはじめてすぐにそう思った。かつて脚光を浴びた人物の驚くべきその後が記されて…more
-
ありのままに書く。『妻はサバイバー』
ありのままに書く。その業を感じさせる。新聞記者の著者が、妻との20年あまりを記録する。摂食障害、性被害、アルコール依存、認知症にいた…more
-
『ぼけますから、よろしくお願いします。おかえりお母さん』認知症の悲しい現実を乗り越えるユーモアの力
2022年5月2日「ぼけますから、よろしくお願いします。」――これは2017年のお正月に著者の母親が言った言葉です。当時87歳の母親は、この時すでに認…more
-
『「ちがい」のある子とその親の物語』世界23か国で読まれる当事者とその家族の声
2022年4月30日本書は欧米で活躍するノンフィクション作家・アンドリュー・ソロモンが10年間に300組以上の親子を取材した壮大な記録だ。2012年に出…more
-
『道徳教室 いい人じゃなきゃダメですか』これっ学ぶものですか?
2022年4月29日私の小学校時代、「道徳」の授業はあったろうか。本書を前にして思い出してみる。あった。確かにあった。だが2018年度から始まった(中学…more
-
『キャッチ・アンド・キル』女性たちに「別の扉」を開いた画期的スクープの裏側
映画業界の性加害報道が相次いでいる。週刊文春の報道をきっかけに被害にあった女性たちが次々に声をあげ、業界にはびこる性暴力の実態が明る…more
-
『ベリングキャット』デジタルジャーナリズムの最前線
ジャーナリズムの使命は、「人々が本当に知りたいこと」を伝えることである。 それが唯一にして最大の役割といっていいかもしれない。だが「…more
-
『家族』『旧皇族の宗家・伏見宮家に生まれて』あるふたつの《家族の形》
2022年4月8日標準家族(世帯)という概念は、1960年代、家族構成としていちばん多かった会社員の夫と専業主婦の妻、子どもが二人の四人家族をいい、そ…more
-
「他人の価値」から自分を取り戻す『当事者は嘘をつく』
人間が、人間の形を保つことは難しい。私たちの自我は、ふとした瞬間に境界を失う。深く傷つけられたなら、なおさら形は保てない。だからとい…more
-
『最後の砦となれ』未知のウイルスとの闘いの記録
「あなたはこの先、コロナ禍のことを忘れてしまうだろう」 もし面と向かってこんな予言をされたら、あなたはどんな反応を示すだろうか。「そ…more
-
『逢える日まで 3.11遺族・行方不明者家族10年の思い』心はあの時から地続きなのだ
“十年ひと区切り”と人は言う。時間的な里程標として、十年は目安になりやすいのかもしれない。 2021年3月、「震災から十年」という文…more
-
『自分で始めた人たち』人を通して地域を知る面白さと、「民主主義」を自分の言葉で語ること
本書『自分で始めた人たち』では、政治に頼らず、市民が自治体と手を繋いで、地域を変える旅に出る。コロナ騒動の最中、また個人の尊厳が注目…more
-
『ヒトの壁』ミクロとマクロを行き来する柔軟な脳ミソでヒト社会を考察
2022年3月13日ウィルスの大きさでヒトを見てみたら? こうきたか。これが、養老孟司の視点だ。新型コロナウィルスの顕微鏡写真がテレビ画面に映し出される…more