社会
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なぜこの学校の生徒たちは生き生きしているのか?――『東大よりも世界に近い学校』
2023年3月16日「こんなんじゃ売れない。全然ダメ」 初校になるかならいかというタイミングの原稿とタイトル案を見て、ある人はこう言った。 これは誰のた…more
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『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』情報社会の「災い」の構造を読み解く
東京五輪直前の猛バッシングを覚えている人も多いだろう。世間から指弾されたのは、国際的にもその音楽性を高く評価されていたミュージシャン…more
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『テキヤの掟 祭りを担った文化、組織、慣習』「暴力団博士」が調査する、共同体を成し、落伍者でも受容する商売人たちの貴重な回顧録
露天商――テキヤを暴力団と同一視するのは誤りである、と著者は力説する。犯罪社会学・社会病理学の研究員で、法務省委託の保護司としても活…more
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『武器としてのエネルギー地政学』エネルギーの超基本を徹底解説
日本でエネルギーがここまで話題になるのは2011年の東日本大震災以来だろうか。ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した天然ガス価格高騰…more
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『安倍晋三 回顧録』歴代最長政権の舞台裏を明かす
注目の一冊がついに刊行された。巻末の人名索引まで含めると472ページだが、厚さはまったく気にならない。面白すぎて一気呵成に読み終えた…more
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『スラッジ: 不合理をもたらすぬかるみ』悪い行動経済学
スラッジ(SLUDGE)、直訳すると、泥、ぬかるみである。 煩雑な申請、長い待ち時間、何を書けばいいのかよくわからない書類など、摩擦…more
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『傷つきやすいアメリカの大学生たち』「自分の気持ちの安全」が育む激しいキャンセル活動の根源を探る
2023年2月7日著者2人が問題提起するのは、2013年以降、アメリカの大学内で度々発生する、言論の自由、学問の自由が脅かされる事態についてだ。それも…more
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『ある行旅死亡人の物語』あなたは誰?身元をたどる渾身のルポルタージュ
2023年2月4日「行旅死亡人」とは病気や行き倒れ、自殺等で亡くなった身元不明の死者を表す法律用語である。死亡人は身体的特徴や発見時の状況を官報に公告…more
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『ネット右翼になった父』「なぜ?」の先に「分断」を解消するヒントが見えてくる
2023年2月3日身近な人が豹変してしまうのを見るほど辛いことはない。家族が認知症になったとか、カルトに入信したとか、そんなハードな話なら聞いたことも…more
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「家族という密室」に戦慄する『母という呪縛 娘という牢獄』
母親とは、家族のルールの大本であるという恐ろしさに気づく。何も考えておらず気持ちの赴くままに生きている母親から、さっぱりわからないル…more
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わからない、でも考えるべきだ。『死刑のある国で生きる』とはどういうことなのかを
2023年1月27日あなたは死刑に賛成ですか? 賛成、反対、あるいは、どちらでもない or わからない。 はたして即答できるだろうか。決して身近な問題と…more
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『母という呪縛 娘という牢獄』異常な母娘関係を描いた事件ノンフィクション
殺人はけっして許されない。人を殺せば刑事罰に処される。それがこの社会の当たり前のルールである。だが時に、その「当たり前」が揺らぐこと…more
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『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』子どもたちは生きている。父親に切り捨てられても。
2023年1月20日アフリカ中部に位置するコンゴ民主共和国(旧ザイール)は地下資源に富んだ国だ。1970年代、日本企業はこの地に進出し鉱山を開設、多数の…more
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「最近あいつヤバそうだ感」を出そう! 『聞く技術 聞いてもらう技術』
2023年1月10日この本は面白かった。専門知と世間知の間で葛藤する臨床心理士の「現代版赤ひげ先生」が、自慢のヒゲを撫でながら捻りだした一冊だ。わかりや…more
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『国商』権力と一体化した男の実像
政商という言葉はあるが、国商は聞いたことがない。 政商とは、時の権力と結託して特別な利益を貪る商人のこと。国商はさしずめ国家と一体化…more