「解説」から読む本
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『<脳と文明>の暗号 言語と音楽、驚異の起源』文化と人間の「共進化」
2020年12月03日本書は、Harnessed: How Language and Music Mimicked Nature and Transformed Ape to Man(BenBella Books, 2011)の全訳である。著者のマーク・チャンギー……more
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『ワクチン・レース〜ウイルス感染症と戦った科学者、政治家、そして犠牲者たち』
2020年10月26日細胞の分裂回数が有限であるという画期的な発見をした「マッドサイエンティスト」、レオナルド・ヘイフリック。その樹立した細胞株から、ワクチン開発競争に巻き込まれていく。新型コロナウイルスのワクチン・レースまっただ中の今、読まれるべき一冊だ。…more
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『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦 』
2020年10月21日何度も何度も、我々の常識や思い込みを鮮やかに裏切ってくれる言説の数々、そこに圧倒的なリアリティを付加してくる二人のガイド。本を読むことだけでなく、語り合うことの面白さも存分に堪能できる一冊と言えるだろう。…more
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『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来
脳機能を操作する深部脳刺激(DBS)。すでにパーキンソン病の治療などに用いられているが、精神疾患の治療や心理操作など、さまざまな応用が可能だとされている。その先駆者である精神科医ロバート・ガルブレイス・ヒースはどのような人物でいかなる「人体実……more
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『生と死を分ける数学 人生の(ほぼ)すべてに数学が関係するわけ』
2020年09月30日著者は、読者に数学と現実との強い結びつきを皮膚感覚でわかってもらうために、1本の式も使わず、次々にアナロジーを繰りだして、現実と数学がどのように関わっているのか、そのさまざまな接点を説明している。したがってこの作品は、原書が刊行された2019……more
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『自閉症は津軽弁を話さない』文庫版著者あとがき
2020年09月26日妻の何気ない「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」というひとことに、私は10年ものあいだ「本当に?」「どうして、なぜ?」と問い続けました。そして同時に湧き上がった疑問。 「なぜ、他の人は目の前にあることを不思議に思わ……more
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『合成テクノロジーが世界をつくり変える』生命・物質・地球の未来と人類の選択
2020年07月02日本書は、人類の及ぼす惑星規模の変化を、テクノロジーの面から探究する。今や人類は、自然の仕組みの最も奥深くまで手を延ばし、それをつくり変えようとしている。原子・遺伝子・生命・種(しゅ)や生態系・人類自身・気候に至るまで、思い通りに設計し合成(人……more
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『フューチャー・ネーション 国家をアップデートせよ』
2020年06月24日本書はすっかり色あせてしまった従来のグローバリズムの問題点を洗い出し、新たなビジョンと方法論を提唱する、いわば「新生グローバリズムのマニフェスト」だ。著者が浮世離れしたドン・キホーテではないことは、本書を読めばわかる。むしろ欧米諸国の視点だけ……more
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『つかこうへい正伝』”記憶”を”記録”へ
2020年06月10日単行本で550ページを超える本書は、4年の歳月をかけて書き上げられました。「つか以前」「つか以後」という表現を生んだ70~80年代の”つかブーム”。演劇界に革命をもたらした不世出の劇作家・演出家であったつかこうへいと日々行動をともにし、その強……more
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『人間に向いてない』きっとあなたは三回嘔吐く。その後暖かいなにかに満たされる。
『人間に向いてない』の文庫が発売されるタイミングで、このパンデミックが起こったことに、因縁めいたものを感じてしまう。本書に描かれる「異形性変異症候群」という奇病が荒唐無稽なものだとは到底思えなくなってしまったのだ。 一夜のうちに人間を異形の……more
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『組長の妻、はじめます。 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録』裏社会に咲いた愛の物語
2020年04月13日面白い物語ではあった。しかし、予想は完全に裏切られた。エピソードの迫力は段違いで、半笑いで読み飛ばせる話はほとんどない。極めて重厚、ハードな犯罪ノンフィクションといって差し支えない。…more
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『ヒトの目、驚異の進化』「視覚の進化革命」がここから始まった
2020年03月06日著者のマーク・チャンギージーは、1969年生まれの進化神経生物学者。カリフォルニア工科大学の特別研究員、レンスラー工科大学准教授などをへて現在はヒューマンファクトリー・ラボという研究所を主宰。認知と進化についての独創的な研究で世界的……more