
澤畑 塁
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『眠りつづける少女たち』 集団発生する〈謎の病〉の原因とは
スウェーデンのある地域でのこと。小学校低学年から10代後半までの子どもたちに、〈謎の病〉が発生している。子どもたちは最初、不安になり…more
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『ザ・パターン・シーカー──自閉症がいかに人類の発明を促したか』 if-and-then思考とハイパー・システマイザー
エジソンやビル・ゲイツもそうなのだという。あるいは、ピアニストのグレン・グールドや、バスケットボール選手のコービー・ブライアントも。…more
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うつ病やアルツハイマー病もそれと関係しているのか 『脳のなかの天使と刺客──心の健康を支配する免疫細胞』
つい最近まで、ミクログリアは脳のなかの端役にすぎないと考えられていた。脳内の情報伝達を担うニューロンや、そのつなぎ役を務めるシナプス…more
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友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』
ヒトはどうやって協力的なコミュニケーションを行うことができるようになったのか。 本書は、その問いに対してひとつの回答を与えようと…more
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「意識=制御された幻覚」というアイデア 『なぜ私は私であるのか──神経科学が解き明かした意識の謎』
科学にとって意識ほど難物なものはあるまい。赤いリンゴを見たときの、あの「赤い感じ」はどのようにして生じるのか。身体を所有し、自由意志…more
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『ジェンダーと脳──性別を超える脳の多様性』 女性的な特徴と男性的な特徴が入り混じったモザイク
著者が自らの考え方を一変させることになったのは、ひとつの実験を知ったからだという。ラトガーズ大学の研究者によるその実験では、メスとオ…more
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間違いは学習の原動力である 『脳はこうして学ぶ──学習の神経科学と教育の未来』
2021年4月5日わたしたちは多くのことを頭で学ぶ。すなわち、わたしたちの学習はおもに脳が担っている。しからば、脳がいかにして学ぶかを知れば、わたした…more
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『眠りがもたらす奇怪な出来事──脳と心の深淵に迫る』 夢遊運転病、セクソムニア、非24時間睡眠覚醒症候群
著者のガイ・レシュジナーは、睡眠を専門とする高名な神経科医である。彼が勤務するロンドンの睡眠障害クリニックには、種々の問題を抱えた患…more
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なぜ彼女は逮捕され、自殺してしまったのか 『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ──「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと』
2015年7月、アメリカはテキサス州プレーリー・ビューでの出来事。車を運転していたサンドラ・ブランドという若い女性が、ひとりの警察官…more
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『ステレオタイプの科学』 色眼鏡で見られると本当にできなくなってしまう
2020年5月3日「女性は数字に弱い」「高齢者は記憶力がわるい」「日本人はアフリカ系の人に比べて身体能力で劣っている」。わたしたちはしばしば過度の一般…more
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『最期の言葉の村へ──消滅危機言語タヤップを話す人々との30年』 言語とともに消え去っていくものたち
「言語はなぜ消滅してしまうのか」。1980年代、当時大学院生だった本書の著者は、その謎を明らかにしたいと切望し、単身で熱帯雨林の奥地…more
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『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 農業の優越性という神話、国家の形成をめぐるパラドックス
2020年1月3日かくも行き渡っているそのストーリーに対して、本書は疑問符を突きつける。なるほど、初期の国家はいずれも農業を基盤とするものであった。だ…more
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『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち
具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人…more
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『恐竜の世界史──負け犬が覇者となり、絶滅するまで』 失われた世界の新たな歴史
2010年代に描かれる恐竜は、かつてわたしたちが見聞きした恐竜とはまるで異なっている。というのも、恐竜にまつわる研究がこの20年ほど…more
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『「うつ」は炎症で起きる』 「それは体の問題」という新たな視点
若い医師はあるとき、リウマチ性関節炎と診断されていた女性患者がうつ病をも患っていることに気づいた。そのささやかな発見に気をよくした彼…more