新刊超速レビュー
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『百田尚樹の新・相対性理論』
2021年04月07日著者は放送作家であり、『永遠の0』や『海賊と呼ばれた男』などを手がける小説家でもある。タイトルに相対性理論とあるように、本書では新たな時間の概念について考察している。その特徴は、「時間」を全ての基準に置き、社会を「時間の売買」で成り立っている……more
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『AとZ アンリアレイジのファッション』新刊超速レビュー
ファッションが突然、僕を襲った。それまでにない感覚だった。「ファッションには伝える力がある。そして伝わる力がある。服は言葉を持つ」。そんなことを考えたことはかつて一度もなかった。 アンリアレイジのデザイナーである森永邦彦が、彼のファッション……more
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真打ち登場!テレビを見るならこれを読め『新型コロナウイルスを制圧する』
いわずとしれた新型コロナウイルス。さまざまなことについて百家争鳴といってもいいような状態だ。我々が知るべきなのは、なにがわかっていてなにがわかっていないのか、そして、確実なエビデンスに基づいてどう考えるべきなのか、である。文字通り日本を代表す……more
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バイリンガル・アート情報紙『ON BEAT』
2019年11月17日本書は今世界が注目するアートや展示など美術全般を網羅した情報誌だ。 vol.11となる今回は、森美術館にて来場者数60万人を突破した塩田千春の展示会とアートにおけるブロックチェーンの特集だ。また元サッカー日本代表の中田英寿による紀行や、メデ……more
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悲劇のランナーが遺したことば『円谷幸吉 命の手紙』
2019年10月10日円谷幸吉、ある年齢以上の人にとっては決して忘れることのない名前だ。東京オリンピックのマラソンで三位になり、次のメキシコオリンピックをめざすも自殺する。はたして円谷になにがあったのか。そして、謎の女性とは。彼が遺した大量の手紙を一次資料にひもと……more
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信じられないけれど奇跡ではない ”みんなの学校” 『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』
「自分がされて嫌なことはしない。いわない」それだけを唯一の約束とする『みんなの学校』。「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」のが最大の目的だ。発達障害、不登校、問題児、さまざまな子どもを受け入れて育ててきた大阪市立大空小学校。その初……more
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郡司芽久の『キリン解剖記』は研究の真骨頂だ!
2019年07月08日女子東大生・郡司芽久は遺体科学を専門とする遠藤秀紀の指導の下、キリンの解剖にとりかかる。理由は、子どもの頃からキリンが好きだったから。そして、キリンの”首の骨”の秘密を明らかにする。好奇心と研究。忘れられがちな研究の真髄がここにある。…more
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「『こわいもの知らずの病理学講義』につまずいた人、必読!」ってどういう意味やねん! 『おしゃべりながんの図鑑 病理学から見たわかりやすいがんの話』
2019年07月07日おしゃべりなおばちゃん病理医による「がんの図鑑」。著者自らのイラストを駆使しながら、がんとはどういう病気か、が、わかりやすく解説されていきます。日本人の二人に一人が、がんになる時代です。読んでおいて決して損はありません!…more
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『苦しかったときの話をしようか』新刊超速レビュー
2019年04月17日事業縮小により会社を退職し、4月から求職活動中の自分にとって、『苦しかったときの話をしようか』というタイトルにはとても心惹かれるものがあった。どんな内容か確認もせずに買ったところ、これが素晴らしい本だったので紹介したい。仕事がうまくいかず、自……more
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では、あの犠牲とは何だったのか?『生かされなかった八甲田山の悲劇』
日露戦争を前にした訓練で、厳冬期の青森県八甲田山麓に入った陸軍歩兵第五連隊が遭難。199人もの死者を出した、八甲田山雪中行軍遭難事故。大惨事の教訓は、その後の日本に生かされたのか? それが『八甲田山消された真実』の続編にもあたる本書のテーマで……more
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『こころ傷んでたえがたき日に』村上春樹もそこにいた
2018年09月25日国分寺の書店主。かつて書店の斜向かいでジャズ喫茶を営む若い夫婦がいた。書店主と夫婦は同年代ということもあり、3年にわたり親交を深めた。夫婦は千駄ヶ谷に店を移し、店主が体調を崩したこともあり、交流は途絶える。夫はしばらくして『風の歌を聴け』とい……more
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『死ぬこと以外かすり傷』新刊超速レビュー
2018年08月29日今日発売した本を仕事帰りに購入し、帰りの電車で貪るように一気に読んで、いまこの原稿を書いている。久しぶりにここまで熱狂しながらビジネス書を読んだような気がする。この本は予約の段階でamazonの総合ランキングで1位を取っていた。そのせいか発売……more
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『県都物語』新刊超速レビュー
2018年03月21日本書は都市計画の第一人者が、47の県庁所在地(東京都については東京駅周辺)の成り立ちを、実際に訪れた経験と豊富な資料をベースにたどり、各県都の個性を浮かび上がらせていく1冊だ。漠然と歩くだけではわからないが、どの都市の構造にも何らかの特色があ……more
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『ラーメンを科学する』つけ麺はなぜ「ぬるい」のか
2018年02月20日あのラーメン店に行列ができるのも、飲み会の帰りにラーメンを食べたくなるのも理由があるのだ。本書はその理由に科学の力で迫った一冊だ。「科学」というと仰々しいが、机上の分析ではなく、著者が足と舌を使いながら取材を重ね、専門家に意見を求める構成なの……more
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『文春にバレない密会の方法』サラリーマンの護身術
2017年07月10日「文春にバレない」。政治家も芸能人もアスリートも、ことごとくバレてしまっている今、「文春にバレない」は「誰にも知られない」と同義だろう。知りたいではないか、そんな術。「いや、あんた、一般人だから別に文春に狙われないだろ」と多くの人は突っ込むだ……more