『パパは脳研究者』科学的視線で子供の成長を分析 「そうだったのか!」が満載

麻木 久仁子2017年10月23日 印刷向け表示
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パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学
作者:池谷 裕二
出版社:クレヨンハウス
発売日:2017-08-10
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ただいま子育て真っ最中の脳研究者・池谷裕二さんが、親バカぶりを遺憾なく発揮しつつ、一方で科学的な視線で子供の成長を分析する。そのバランスが素晴らしい。「あるある!そんなこと!」と引き寄せられつつ、いつの間にか知識を得られるのだ。

出産時に大量に分泌されるオキシトシンというホルモンは母親を「何があってもこの子を守ろう」という気持ちにさせ仲の良い人をより強く信頼するようにさせるが、それ以外のものには強い警戒心を抱き攻撃的にさえなる。子供を守るためにこそ大切な作用なのだが、さて、パパさん。もしママさんから「この人はともに子育てする頼れるパートナー」とみなされなければ大変なことに。「子供が生まれてから妻が冷たい」などと愚痴をこぼしているパパさんは、妊娠・出産の過程でママさんの「信頼できる人」の枠に入りそびれているのかも。が、男性でも子育てに積極的に関わるとオキシトシンが出るそうだから諦めずにがんばって追いついて!

褒めて育てるか、叱って育てるか。これはもう結論が出ていて、褒めて育てるのが一番。しかし褒め方にもいろいろあって、たとえばお絵描きで「上手だね・偉いね」と「行為」そのものを褒めてしまうと、子供はかえって意欲を失うのだそうだ。ではどうするかといえば「この絵はいいなあ」と「成果」を褒める。そうだったのか!

そのほか「三つ子の魂百まで」は本当か、イヤイヤ期に甘やかすことは是か非か、嘘をつくようになることでわかる子供の成長、「虐待を受けた子供は虐待する親になる」という世代間連鎖は現在では統計学的に否定されていることなど、目から鱗が満載である。子育てしていたときにこの本があったらなあ。いや孫にでも恵まれたらそのときこそ!

人間とはなんて面白く、ワクワクする存在なのだろう。子育て奮闘中の方のみならず、皆さんにおすすめである。

※産経新聞書評倶楽部より転載

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