『キレる女懲りない男』新刊超速レビュー

田中 大輔2012年12月26日 印刷向け表示
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キレる女 懲りない男: 男と女の脳科学 (ちくま新書)
作者:黒川 伊保子
出版社:筑摩書房
発売日:2012-12-05
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男女の脳はつくりが違うとは聞いたことがあったけれど、これほどまでに違うものだとは思わなかった。そもそも男女では見えている景色が違うらしい。女性には見えて、男性には見えない色というものが存在するそうだ。そんなことは考えてみたこともなかった。とすると異性というのは、似て非なる生き物である。多くの大人たちはそのことを理解せず、異性の脳を自分の脳と同じものとして扱おうとするから、ストレスを感じてしまう。著者いわくそれは

“オーブントースターにふっくらご飯を炊くことを期待してはがっかりしている”

ように見えるそうだ。その性能の違いから男女のすれ違いはよく起こる。オーブントースターにはオーブントースターの使い方があるように、男性脳には男性脳の、女性脳には女性脳の使い方がある。その違いを理解することで、異性とのコミュニケーションがより円滑になり、お互いにハッピーになれるのではないだろうか。思ってもみなかったことが異性にとっては地雷だったりする。その地雷を避けるためにもこの本はとても有効である。

女性が料理を準備していて、その間ずっとテレビを見ている男性。そろそろ出来上がりそうだという頃合いになっても、男性はまだテレビを見ている。そして女性から「どうしてそうなの?」と怒られる。こういった風景は容易に想像がつく。私にも身に覚えがある。出来上がりそうだと思って、テーブルを片づけて、取り皿を用意する。そういったことが男性にはできない。なぜなら察して先んじてフォローをする。そういった性能が男性脳には搭載されてないからだ。女性にはまずそのことを理解してもらいたい。決して思いやりがないから、動いていないのではない。脳にその機能がないので、言われないと思い至らないだけである。

こう言われても、できる男もいるでしょ?そんなのは言い訳にしかすぎない。という女性がいるだろう。しかし、これらの能力は後天的に身につけたもので、一般の男性には搭載されてないのが現実だ。いうなればオプションみたいなものなのだ。ではどうしたらいいか?女性から「○○は、あなたにお願いするわね。よろしくね。」といえば、男性がやってくれるようになるかもしれない。男というのは計画的に任務を遂行する能力には優れているから、それが自分の任務となれば確実にやってくれるはずだ。

上記のシチュエーションで、「言ってくれればやったのに」という言葉を、彼女や妻に発したことのある男性はいないだろうか?もし言ったことがあるのならば、この本を読んで悔い改めたほうがいいだろう。そして二度とこの言葉は使わないことをオススメする。この言葉は「夫のムカつく一言」というアンケートで堂々の2位にランキングされている。男にとってはフォローのつもりで言っているのだけど、女性からすると「察することを放棄することば」に聞こえ、言われると想像以上に傷つくそうだ。

女性にとってはこれから起こるべきことを察し、先んじてフォローしてくれるということが、自分をいつも大切に思ってくれているという証になるのだ。だからレディーファーストの精神は理にかなっているし、女性から喜ばれる。モテる男はこういったことをさり気なくやるんだよね。一般の男性にはこの資質は備わってないので、こういうときは「言ってくれればやったのに」ではなく、「気がつかなくてごめん」というべきである。これだけで家庭円満になるかもしれない。

このように、男女の脳の性差とその対処法がこの本には載っている。女性はなぜ突然キレるのかとか、女性に過去の浮気を告白してはいけないだとか、男女間の地雷の回避方法がわかり、個人的にも多いに参考になった。(いままでいかに地雷をどっかんどっかん踏んできたかを大いに気づかされた)

また男性はなぜ目の前のものを見つけられないのか?とか、女性が男性の部下にいってはいけない言葉など、女性からしても、なんで男ってこうなの?といった疑問が解消されること間違いなしである。目から鱗の話もたくさんあるので、ぜひ読んでみてほしい。異性の脳の性能を知れば、きっといまよりも異性のことが愛おしく思えるはずだ。

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