『伝え方が9割』新刊超速レビュー

田中 大輔2013年03月04日 印刷向け表示
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伝え方が9割
作者:佐々木 圭一
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2013-03-01
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ここだけの話、この本はめちゃくちゃいい本だ!めちゃくちゃいい本なんだな、これが!

HONZ読者むきの本ではないけども、HONZの読者にもぜひ読んで欲しい!と思う素晴らしい本である。この技術を知ると知らないとでは、人生が大きく変わってしまうかもしれない。ちょっと大げさかもしれないが、それくらいの力を秘めた本だと私は思う。

この本は池上彰さんのベストセラー『伝える力』のような、ものごとをわかりやすく伝える力を養うといったものではない。数々の賞を受賞しているコピーライターの著者が、トライアンドエラーを繰り返した末にうみだした、強いコトバを生みだすシンプルな法則をまとめた本だ。この本はコミュニケーション術の本ではない、相手の印象に残るコトバを生みだすレシピの本だ。

就職活動やプレゼンなど、人生の重要なシーンにおいて、伝え方が成否を分けることは多々ある。それなのに、だれもその伝える技術というものを鍛えてはいない。著者曰く、世の中大勢の伝え方は温泉でピンポンをやっているレベルだという。それが伝え方のシンプルな技術を知ることで、人生の決め所で的確にスマッシュが打てるレベルになるという。伝え方には技術があるのだ。

この技術を知れば、あなたも気になるあの子を簡単にデートに誘えるようになるかもしれない。ってそんなよこしまな内容の本ではないけども、伝える技術を使えば、ノーをイエスに変える確率をあげることができるのだ。

例えば気になる女性をデートに誘うとき、ストレートに「デートしてください」といった場合、OKしてもらえる確率はそんなに高くないだろう。では「驚くほど旨いパスタ屋があるんだけど、いかない?」と聞いてみたら?行ってもいいかもと思う確率はぐんと上がる。2人きりで食事にいく。これってデートとどこが違うんだろう?

ちょっとした言い方の違いで、ノーをイエスに変えることができるのだ。このように人の心を動かすコトバには法則があるという。料理本のレシピのように、手順通りに作れば、プロに近い味を出せる言葉が簡単に作れるようになるというのだ。

人の心を動かす「強いコトバ」を作るには5つの技術がある。そのうち2つを紹介しよう。実はこのレビューの冒頭ではその技術を活用しているのだが、少しは効果があっただろうか?

まずは、リピート法。5つの技術のうちで最も簡単な方法だ。名前の通り強調したいところをくり返す。それだけである。「うまい」というのを「うまい、うまい」というと後者の方が強い印象を残す。さらにアレンジを加えて「うまっ、うまいなこれ」といったら、より美味しそうな感じがしてこないだろうか?

次はクライマックス法。これは聞き手の集中スイッチを押すような言葉を、言いたいことの前につけるという方法だ。「ここだけの話ですが、」とか「これだけは忘れないでください、」といった言葉をつけることで、聞いている人の意識を集中させる。講演などで使うとより効果的かもしれない。

さて、冒頭の文がどうなっていたか、確かめてみよう。

ここだけの話、この本はめちゃくちゃいい本だ!めちゃくちゃいい本なんだな、これが。

ここだけの話で意識を引きつけ、めちゃくちゃいい本を繰り返して強調することを意識してみたのだが、少しは効果はあっただろうか?あとの3つの技術のうち、もう一つの技術も使っているのだけど、それはこの本を読んでのお楽しみということで。HONZ向きの本ではないかもしれないけれど、HONZの読者にもぜひ読んで欲しい1冊だ!

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出版社:中央公論新社
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