『ココロの盲点』新刊超速レビュー

田中 大輔2013年12月07日 印刷向け表示
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自分では気づかない、ココロの盲点
作者:池谷 裕二
出版社:朝日出版社
発売日:2013-12-06
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認知心理学や行動経済学といったジャンルの本が好きで、書店でみかけるとつい買ってしまう。『経済は感情で動く』、『世界は感情で動く』、『予想通りに不合理』、『ずる』(村上のレビューはこちら)、『ファスト&スロー』(山本のレビューはこちら)、『ダニエル・カーネマン心理と経済を語る』、『ヤル気の科学』。ぱっと思いつくだけでも、これだけの本を過去に購入している。ここにあげたものは、どれもおもしろく、とても素晴らしい本だ。特に『経済は感情で動く』はオススメである。この本を読んだことがきっかけで、私は行動経済学にはまった。

この手の本は大好きなのだけど、読むのにものすごく時間がかかるので、飽きっぽい私は、途中で他の本に目移りし、そのまま放置、積読になるというパターンが多い。私と同じような飽きっぽい人には、今日紹介する本はとてもオススメだ。なぜなら全部で124ページしかないからだ。1時間もあればすぐに読めてしまうだろう。さらにドリル風で、問題のページと、それに対する答えのページというようなわかりやすいつくりになっている。イラストも多く、絵本のような体裁なのでとても読みやすいのだ。

認知心理学や行動経済学の何がおもしろいのか?それは人間の脳が、とある条件下ではいとも簡単にダマされてしまうというのがわかるからである。認知バイアスと呼ばれる脳のクセが原因だ。マジシャンはこれをつかって、人の意識をそらす。メンタリストのDaigoは、このスペシャリストである。これを利用して、相手を誘導し、あたかも自分で意思決定したかのように仕向けていく。認知バイアスを知らないと、人って簡単に騙されてしまうものなのだ。

確証バイアス、後知恵バイアス、ハロー効果、フレーミング効果、サンクコスト効果、バンドワゴン効果、というように有名な認知バイアスが30個この本では紹介されている。「だからいっただろ!」と、すぐ言う上司をみて、それって後知恵バイアスじゃん!とか思ったり、なかなか別れられないズルズルなカップルをみて、サンクコスト考えたほうがいいよねとか思ったり、ブランド志向の人や肩書を重視する人を見て、それはハロー効果だよねとか思ったり、認知バイアスを知ってるだけで、ほんの少し世界の見え方が変わってくるかもしれない。

さくっと読めるけれど、これ1冊で認知バイアスのことはおおむね理解できるはずだ。認知バイアスを知らない人には入門書として最適だろう。また私のようにこのジャンルの本をすでに何冊か読んでいる人には、どれだけ自分が認知バイアスを理解しているか確かめるという使い方もできる。巻末にはこの本で取り上げられていない、代表的な認知バイアスが183リストで掲載されているので、ある程度認知バイアスについて知っている人でも、楽しめることまちがいなしだ。

認知バイアスを知ることで、自分や他人に対して優しくなれると著者は言っている。脳がそういうクセを持っているんだから仕方ないよね。と思えることが増えれば、楽観的に物事を考えられるようになって、人生がちょっと楽になるかもしれない。

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
作者:マッテオ モッテルリーニ
出版社:紀伊國屋書店
発売日:2008-04-17
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