『僕たちが結婚できない理由』-編集者の自腹ワンコイン広告

版元の編集者の皆様2014年12月20日 印刷向け表示
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僕たちが結婚できない理由
作者:大宮冬洋
出版社:日経BP社
発売日:2014-12-03
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「結婚できない」のか「結婚しない」のか。30代、40代の独身男性が増え続けている。少し前のデータになるが、2010年の国勢調査では30歳から34歳の男性の未婚率が47.3%に達している。ほぼ2人に1人が未婚という状況だ。

電子書籍「僕たちが結婚できない理由~ロスジェネ未婚男22人の本音~」は30代の独身男性にフリーライターの大宮冬洋さんが取材し、恋愛や結婚に対する本音を引き出したインタビュー集だ。

この世代は大学3、4年生で就職氷河期を経験したことから「ロストジェネレーション(失われた世代)」と呼ばれている。同世代の大宮さんが友人や仕事仲間など気の置けない人々と酒を飲みながら、恋愛や結婚について本音で語り合うコラム企画としてWebに連載され、絶大な人気を集めた。掲載は2008年から2009年で、独身男性50人に話を聞いた。

2011年からはその50人を追跡取材し、再びコラムとして連載した。取材に応じてくれたのは38人。毎月1人ずつ取材して3年余りで連載を終えた。大宮さんのアイデアで両連載をまとめて、未婚だった男性22人のインタビューを電子書籍化した。

未婚者のインタビューだけを集めたのは受け答えのダメっぷりが読んでいて面白いこともあるが、作品としてまとめることで、男性たちが結婚しない、できない理由が見えてくるのではと思ったからだった。
 

当初は年収で区分し2冊にする構想もあった。22人を年収順に並べ、2分した場合区切りは550万円だった。男性の結婚において、年収は非常に大きな要素だ。男性の年収と婚姻率には因果関係があることは「男性不況」(東洋経済新報社、永濱利廣・著)でも指摘されている。実際に大宮さんのコラムで取材したケースでも、男性の年収が多いほど結婚している確率は高いし、独身でも彼女がいる割合は高い。

結局、年収では分けなかった。22人のインタビューを繰り返して読んでいると、収入の問題ではないな、との実感を持ったからだ。登場人物には年収2000万の弁護士や医師、キャリア官僚もいる。むしろ、読めば読むほど、登場人物の自己愛の強さを感じる。とにかく、自己中心的な人々なのだ。恋愛でも結婚でもまずは自分優先という人ばかりだ。
 

大宮さんは「あとがき」で、結婚できない、というより「しない」男たちと総括した。校正のために読み直して、そう感じたそうだ。大宮さんが指摘するように、彼らは他者を切実には求めていない。誰かと一緒に住んで、気遣いをするぐらいなら独身生活の方が気楽で自由に過ごせるのだ。確かに今どきの結婚は彼らにとって必須ではなくて「趣味嗜好の一つ」に過ぎないのかもしれない。

私もあとがきをもらった後、いったんは書名を変更しようかとも考えた。彼らは「結婚しない」ことを自ら選択していると感じたからだ。悩んだ末に「結婚できない」を選択した。彼らの生活は気ままで楽しそうではあるが、読んでいてそう幸せそうには見えない。積極的に「結婚しない」ことを選択しているとは思えず、どこか逃げていると感じた。だから「結婚できない」の方が彼らにはよりふさわしいのではと考えた次第だ。

登場人物は「結婚相手に出会えない男」「結婚に踏み切れない男」「結婚に積極的になれない男」など6タイプに分類した。友人、同僚、部下など、あなたの周囲の独身男性と比べてみてほしい。彼氏が登場人物にどこか似ていると感じた女性は特に注意が必要だ。

西村 勝彦 日経BP社 nikkeiBPnet編集長
日経ビジネス、日経ロジスティクスなどの雑誌記者を経て、Webサイトのコンテンツ編集を手がける。2013年4月より現職。
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