『代替医療の光と闇』繰り返される悲劇に巻き込まれないために

山本 尚毅2015年11月26日 印刷向け表示
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
代替医療の光と闇 ― 魔法を信じるかい?
作者:ポール・オフィット 翻訳:ナカイサヤカ
出版社:地人書館
発売日:2015-09-30
  • Amazon
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

電車の中吊り、雑誌や新聞の紙面、テレビCM、Web、一日の生活でサプリメントの広告を目にしないことのほうが難しい。それもそのはず、市場規模は世界で1000億ドル(国内の2014年度コンビニ市場が約10兆円)を越え、2020年には2000億ドルに近づくと予測されている。れっきとした成長産業だ。

いったいサプリ産業はどのような手立てをつかって、現在の地位を築いていったのだろうか。本書の舞台であるアメリカでの政府、メディア、医薬品業界を巻き込んだ紆余曲折の物語は、1800年代にさかのぼる。

当時、薬の行商人は薬を欲しがる人たちには、何を言っても構わなかった。お客が信じたいと思っている限り販売に規制がない無法地帯だった。しかし、その状況を憂いていた一人のジャーナリストが薬のサンプルを化学者に送り、成分分析を依頼した。その結果はあまりにも杜撰なもので、誌上で「偉大なるアメリカのぺてん」という連載に仕上げた。そこでは、246の企業と人をやり玉にあげ、50万人以上が購読し、一般大衆は怒りを露わにした。

この機を逃さなかったのが、以前から食品業界と薬品業界の無規制により、頭を悩ませていた農務省の化学局長だった。生産者にすべての成分を表示するように義務づけ、処方箋なしで麻薬を売ることを禁止しようと連邦法を提案した。これに、業界の圧力団体は激怒し、圧力運動により法案は廃棄された。

しかし、リングサイドからタイミングよく救世主が現れた。

記事へのコメント コメントする »

会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。

※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。

コメントの投稿

コメントの書き込みは、会員登録ログインをされてからご利用ください。

» ユーザー名を途中で変更された方へ
 変更後のユーザー名を反映させたい場合は、再度、ログインをお願いします。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
  • Amazon
  • Amazon Kindle
  • honto
  • e-hon
  • 紀伊國屋書店
  • 丸善&ジュンク堂
  • HonyzClub

電子版も発売!『ノンフィクションはこれを読め! 2014』

HONZ会員登録はこちら