オモシロ本を求めて42年「本の雑誌厄よけ展」に行ってきた(東えりかのオススメ本付き)

東 えりか2017年05月16日 印刷向け表示
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本の雑誌408号2017年6月号
作者:
出版社:本の雑誌社
発売日:2017-05-11
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 大げさな話でなく「本の雑誌」が無かったら、今の私も無かっただろう。

本の虫だった高校時代、何人かの本好き友人はいたものの新しい情報に飢えていた時、週に数回通っていた書店で新しい雑誌を見つけた。「本の雑誌」というシンプルなネーミングで中を開いてみると、新しい本の情報や本にまつわるモロモロの話が書かれているではないか。とりあえずと買い求め、読んですぐファンになった。

創刊2号だったので、創刊号が欲しいと思ったのだが電話をするのが恥ずかしくて、結局手に入れずじまいだった。それからあとはその書店に予約して、入ったら連絡を受けて買いに言ったり、定期購読をしたりして何十年と取っていた。

大学が長野の僻地だったので、新刊情報は「本の雑誌」だけが頼りだった。1か月に一度、松本に本を買いに行くときに、付箋を貼った「本の雑誌」を携帯していった。北上次郎さんのオススメ本をいったい何冊買っただろう。田舎にいても新刊から遅れずについていけたのは「本の雑誌」のおかげなのだ。書評という仕事があることを知ったのも「本の雑誌」からだった。

それから約20年後、敬愛する「本の雑誌」で連載を持たせていただけると聞いたとき、「ああ、本を読んできて本当によかった」と心から思った。HONZ代表、成毛眞もかつて「本の雑誌」の愛読者であり三角窓口へ投稿も行っていたと聞き、おお、仲間だ!と感激した。HONZもいわば「本の雑誌」があったからこそ、立ち上げられたサイトなのだ。

現在、町田市民文学館「ことばらんど」で『本の雑誌厄よけ展』が4月22日から6月25日まで開催されている。私も寄稿と参加を求められたので、どのような展覧会か出かけてみた。「椎名誠×目黒考二」トークショウ(終了)、「本の雑誌」編集者による座談会(終了)、北上次郎講演会、坪内祐三講演会、沢野ひとし×木村晋介対談、などイベントも人気を博しているようだが、私は平日の午後、ひっそりとしているだろう会場へ足を運んだ。

入り口には大きな看板が!

予想通り先客はひとりだけ。文学館の2階全部が展示になっており、思ったより大規模だ。創刊号からずらりと並んだ表紙の展示が迫力満点。関係者の写真とコメントも壁いっぱいに貼られている。

表紙の展示は壮観!

関係者多数。私もいます!

早逝した吉野朔美さんの原画が涙を誘い、目黒さんがかつて住んでいた本に囲まれた魔窟の写真が恐ろしい。本屋大賞第1回目の授賞式の映像が流されており、12年前の若い書店員や編集者の顔が見える。

入口で諭される。

このイベントのために、何人かがオススメ本30冊を選んでいる。私もそのひとりだが、会場にはその本は揃えられておらず、ご自由にお持ちくださいの紙が1枚あるだけ。せっかく選んだのだから、ここに紹介する。

 

 

 

 

 

(なお、写真は文学館の了解を得て撮影しました。本の紹介も了承されています)

東えりか・オススメ31冊「女の一代記(評伝文学含む)」

村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝
作者:栗原 康
出版社:岩波書店
発売日:2016-03-24
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文盲: アゴタ・クリストフ自伝 (白水Uブックス)
作者:アゴタ クリストフ 翻訳:堀 茂樹
出版社:白水社
発売日:2014-09-23
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文庫 女盗賊プーラン 上 (草思社文庫)
作者:プーラン・デヴィ 翻訳:武者圭子
出版社:草思社
発売日:2011-08-05
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文庫 砂漠の女ディリー (草思社文庫)
作者:ワリス・ディリー 翻訳:武者圭子
出版社:草思社
発売日:2011-04-12
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鹿鳴館の貴婦人 大山捨松―日本初の女子留学生 (中公文庫)
作者:久野 明子
出版社:中央公論社
発売日:1993-05
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かの子撩乱 (講談社文庫)
作者:瀬戸内 晴美
出版社:講談社
発売日:1974-12
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女流作家 (朝日文庫)
作者:西村 京太郎
出版社:朝日新聞社
発売日:2002-07
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サンダカン八番娼館 (文春文庫)
作者:山崎 朋子
出版社:文藝春秋
発売日:2008-01-10
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アジア女性交流史―明治・大正期篇
作者:山崎 朋子
出版社:筑摩書房
発売日:1995-04
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アジア女性交流史 昭和期篇
作者:山崎 朋子
出版社:岩波書店
発売日:2012-11-07
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あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史 (角川文庫)
作者:山本 茂実
出版社:KADOKAWA/角川学芸出版
発売日:1977-04-01
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李香蘭 私の半生
作者:山口 淑子
出版社:新潮社
発売日:1987-07
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原節子の真実
作者:石井 妙子
出版社:新潮社
発売日:2016-03-28
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私が死んでもレシピは残る 小林カツ代伝
作者:中原 一歩
出版社:文藝春秋
発売日:2017-01-26
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流転の王妃の昭和史 (中公文庫)
作者:愛新覚羅 浩
出版社:中央公論新社
発売日:2012-06-23
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アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
作者:アガサ クリスティー 翻訳:乾 信一郎
出版社:早川書房
発売日:2004-10
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ローラ・ブッシュ自伝 - 脚光の舞台裏
作者:ローラ・ブッシュ 翻訳:村井 理子 
出版社:中央公論新社
発売日:2015-05-08
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狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ
作者:梯 久美子
出版社:新潮社
発売日:2016-10-31
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吉野朔実は本が大好き (吉野朔実劇場 ALL IN ONE)
作者:吉野 朔実
出版社:本の雑誌社
発売日:2016-07-12
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飾らず、偽らず、欺かず――管野須賀子と伊藤野枝
作者:田中 伸尚
出版社:岩波書店
発売日:2016-10-22
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再発! それでもわたしは山に登る
作者:田部井 淳子
出版社:文藝春秋
発売日:2016-12-19
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徳川慶喜家の子ども部屋 (草思社文庫)
作者:榊原喜佐子
出版社:草思社
発売日:2012-04-03
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宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして
作者:高谷 朝子
出版社:ビジネス社
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転生―古代エジプトから甦った女考古学者
作者:ジョナサン・コット 翻訳:田中 真知
出版社:新潮社
発売日:2007-11-21
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ナツコ 沖縄密貿易の女王 (文春文庫)
作者:奥野 修司
出版社:文藝春秋
発売日:2007-10
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一〇〇年前の女の子 (文春文庫)
作者:船曳 由美
出版社:文藝春秋
発売日:2016-07-08
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男装の麗人・川島芳子伝 (文春文庫)
作者:上坂 冬子
出版社:文藝春秋
発売日:1988-05
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文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)
作者:古川智映子
出版社:潮出版社
発売日:2015-09-05
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ひとりでは生きられない ある女医の95年 (集英社文庫)
作者:養老 静江
出版社:集英社
発売日:2016-09-16
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岡田嘉子―悔いなき命を (人間の記録 (108))
作者:岡田 嘉子
出版社:日本図書センター
発売日:1999-12-25
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 著名な作品が多いが、そのなかでもオススメは…

・西村京太郎『女流作家』は盟友でありパートナーでもあった山村美紗を描いたもの。赤裸々さに度肝を抜かれた。

・山崎豊子『アジア女性交流史』は作家のライフワーク。

・『吉野朔美は本が好き』早すぎる死を悼む。

・ジョナサン・コット『転生ー古代エジプトから蘇った女考古学者』この本を読むと輪廻転生を信じたくなる。

・養老静江『ひとりでは生きられない ある女医の95年』養老孟司の母で、恋愛一途な女医の奔放な物語。再刊されていた。(リストを作ったときには気づかなかった)

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