『犬の力』 メキシコの麻薬戦争は小説を凌駕しつつあるようだ

2010年4月2日 印刷向け表示
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犬の力 上 (角川文庫)

作者:ドン・ウィンズロウ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2009-08-25
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  • 紀伊國屋書店
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犬の力 下 (角川文庫)

作者:ドン・ウィンズロウ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
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本ブログでは小説の書評をするつもりはないのだが、あえて自己ルールを曲げて本書を紹介しておこう。昨年読んだ小説の中では圧倒的にNO.1だった。内容は1975年から2004年までのDEAと麻薬カルテルのサーガである。紹介する理由は、事実が小説を追い越しつつあるからだ。メキシコの麻薬カルテルの動きが激しくなってきたのだ。

まずはまとめだ。

「米国への麻薬密輸増加、メキシコのカルテルの活動拡大と報告書」@CNN 2010.3.29

http://bit.ly/az2geV

米国の麻薬による経済コストは年間20兆円におよぶ。メキシコの麻薬カルテルは最大かつ唯一の密輸組織だ。

今年2月あたりから激しくなる

「メキシコのパーティー襲撃事件、麻薬組織の殺し屋集団の犯行か」@AFP 2010.2.3

http://bit.ly/aO0ueT

北部の都市チワワで10代20代の若者のパーティに麻薬密売組織の殺し屋集団「ロス・アステカス」が殴り込み16人が殺された。チワワでは昨年だけで2660件の殺人事件が発生しているという。wikipediaによればチワワの人口は50万人だから杉並区とほぼ同規模だ。

死亡者数が増えてくる

「メキシコ麻薬抗争、前週末だけで100人以上死亡」@AFP 2010.3.16

http://bit.ly/dh2fxb

アカプルコのあるゲレロ)州では麻薬組織「ラファミリア」が活発に活動をしており、前週末だけで45人が殺害された。また、チワワ州でも36人が殺害された。そのうち20人の殺害はシウダフアレスで発生している

ついにアメリカ政府関係者も殺される

「メキシコで対麻薬戦争が深刻に 米政府関係者も犠牲に」@msn産経 2010.3.15

http://bit.ly/cCIoyD

3月13日にはエルパソに近いシウダファレスで、アメリカの総領事館関係者が3人殺された。これを受けてアメリカはスウダファレスだけでなく、ティファナ、ノガレスなど6都市の在外公館職員の家族を退避させている。

ヒラリーも乗り出す

「クリントン米国務長官がメキシコ訪問 麻薬需要の削減に向け取り組み強化」@msn産経 2010.3.24

http://bit.ly/ah5QSO

そしてついに3月23日にはクリントン国務長官がメキシコを訪問した。ゲーツ国防長官、ナポリターノ国土安全保障長官、マレン統合参謀本部議長らも参加したというのだから、もはや戦争である。

常設カウンターも登場する

「殺人カウンター」@ロサンゼルスタイムス 2010.3.30

http://bit.ly/NIzv

IT’S A WARという特集ページがあり、2007年から今日までメキシコの麻薬戦争で殺された人数が表示される。3月30日現在で10,031人が殺されている可能性があるという。INTARACTIVE NEWSのページでは親分衆のリストとその支配地域が表示される仕組みだ。

おまけ

「黄金の武器に最強の猛獣、政府に押収されたメキシコ麻薬王のものすごい資産」@カラパイア 2009.7.28

http://bit.ly/VWqDY

このブログの管理人はどこからこの画像を入手したのだろう。メキシコマフィアから押収した「黄金の武器」や個人動物園付きの豪邸の様子がスゴイ。

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