『アルバニア・インターナショナル』

2011年1月7日 印刷向け表示
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昨年10月に「いま読んでいる本」をこのブログで紹介した。その中に『アルバニア・インターナショナル』という無茶苦茶にマニアックな国を紹介した本があった。後日、その本の編集者であるハマザキカク氏とツイッターで知り合った。いまだにお会いしたことも会話したこともないのだが、同族であることは確実だ。とりあえずご本人のブログから自己紹介をコピペしてみよう。

「社会評論社の珍書プロデューサー。ブサカル変集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。文系オタク路線(共産趣味+国際関係)、変な物のコレクション、そして珍書の三つの柱を軸に、常時30企画を進めている。手掛けた主な作品は『いんちきおもちゃ大図鑑』『超高層ビビル』『世界飛び地大全』など。これまで編集者「ハマザキカク」個人名義で書店フェアを4回開催した。」

あはは!変だ。その彼が『アルバニア・インターナショナル』を本日のご自分のブログで紹介している。滅法面白いので、本日はそのリンクを張り付けて書評としてみることにした。いささか手抜きだが、それほど面白いエントリである。どうしてもこのエントリを読んでほしいので、少し引用してみよう。

「アルバニアを理解する上で重要なキーワードが「鎖国・無神論・ネズミ講」です。まず日本は近世、鎖国していましたが現代史において鎖国といえばアルバニアというのが常識。その次ぐらいに北朝鮮とかミャンマーが来ると思いますが、冷戦期において「ザ・鎖国」といえばアルバニアというのが定説です。」

「また今はモルドバに首位の座を奪われましたが、欧州最貧国でも有名。白人なのに大貧困。そして資本主義、市場経済に全く慣れていないので、1997年には国民の半分以上がねずみ講ににひっかかってしまい、国家が崩壊の危機に瀕し、全土が無政府状態に! 一挙手一投足が矛盾・ギャップ・違和感だらけです。」

ちなみに国家ネズミ講事件の概略を手っ取り早く知りたいかたは。Wikipediaで「1997年アルバニア暴動」の項を読まれることをおすすめする。この時のドイツの救出作戦名は「ドラゴンフライ」だった。救出された国民を多いほうから並べると、ドイツ人21人、ハンガリー人14人、日本人13人だった。日本は自国民の救助について、イランイラク戦争時のトルコだけでなく、ドイツにも借りがあるのだ。

ぜんぜん関係ないのだが、同じくハマザキカク編集の『エロ語呂世界史年号』の「十本アニメ」氏のアマゾン・レビューもかなり笑える。

「ハマザキカク氏のブログ」

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