朝日新聞公式ブログ「ベルばらKidsぷらざ」に連載している「世界史レッスン」をまとめた本だ。これではなんのことだか判らない人が多いだろうが、『怖い絵』の著者だといえばお判りになるだろう。80編ほどの歴史エピソード集なのだが、取り扱っているテーマはフランス革命をはさんで前後100年と狭くて濃い。マリー・アントワネットはもちろん、エカテリーナもピョートル大帝もナポレオン3世もモーツアルトも、ともかく出てくる人物たちが魅力的な時代だ。モーツアルトにまつわる一篇では彼の蔵書に触れ『ローマ・ドイツ帝国史序論』や『論理学基礎の手引き』なども読んでいたし、『モリエール喜劇全集』やシェークスピアも読んでいたと調べあげる。そして、モーツアルトがもう少し長生きしていたら『守銭奴』や『ハムレット』もオペラ化していたかもしれないとまとめる。たしかにそうだよなあ。ともかく、通勤電車のなかで数編を読みきることができる楽しい本だ。本書は『危険な世界史』第2弾。第1弾はこちらだ。
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第2回:「女陰」方言のきれいな円

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