
仲野 徹
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アフリカのエイズをなくせ! 『撃ち落とされたエイズの巨星』
サブサハラにおけるエイズ・HIV感染の撲滅を目指してばく進したオランダ人医師ユップ・ランゲの物語である。その内容は多くのエイズ本とはかなり異なり、尊き個人の壮絶な戦いの記録である。筆者はランゲに励まされて医師になったイスラム系の女性。その内容……more
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『得する、徳』は令和の「論語と算盤」だ! ということにしておきたい
HONZきってのヨッパライ男、栗下直也が徳を説く。ええ加減にせんかぁという気がしないでもないが、論理は明晰にして内容は爆笑。あなたもきっと徳を施したくなるはずだ。そして、そのおかげで、あなたも日本もよくなっていく。「令和の『論語と算盤』」と呼……more
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医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』
難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)に冒され動かなくなった身を、自らが策を弄して設立した湘南鎌倉病院に横たえている『ゴッドドクター 徳田虎雄』。かつて、医療革命の風雲児として喝采を浴びた男の一代記だ。その壮絶な生き様から、昭和から平成にかけての……more
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赤裸々な告白から学ぶアホと性悪からの脱出法『ほんのちょっと当事者』は世の中を良くするための処方箋だ!
2019年12月27日いろいろな問題を考えるとき、ほんのちょっとでいいから当事者として捉えればいいのではないか。そうすることによって、まわりの人たちの小さな問題から社会が抱える大きな問題まで、さまざまな問題を自分のこととして考えることができる。アホで性悪(?)だっ……more
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楽しく読めて役に立つ『からだと病気のしくみ講義』はサルでも読める医学書だ!(←自著誇大広告です)
2019年12月25日近年、医学は飛躍的に進歩し、昔だったら治らなかった病気も治せるようになってきました。大きく進歩した分、ある意味ではややこしくなってしまったのですが、その現代医療の恩恵をきちんとうけて、健康で長生きするためには、これまで以上に自分の体のことを理……more
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日本の科学は失速状態 『誰が科学を殺すのか 科学技術立国「崩壊」の衝撃』
日本が科学立国というのは看板だけなのか。海外の諸国に比べ、この十数年の間、日本の科学は失速したかのように下降の一途を辿っている。何が悪いのか、どうすればいいのか。いますぐ手を打たなければ墜落必至である。…more
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天才プログラマーにして闇社会の帝王、超大金持ちにしてドケチ。その男の名はル・ルー。ドラマ化決定の『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』は超弩級のノンフィクションだ!
天才プログラマーであったル・ルーが次々と犯罪に手を染める。ドラッグ、武器、殺人、なんでもありだ。巨万の富を築き上げたが、麻薬捜査官の手が迫る。かつての部下が主役を演じたおとり捜査にまんまと引っかかり逮捕される。ル・ルーは何を証言し、どのような……more
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真の教育、オックスフォード大学にあり『教え学ぶ技術 問いをいかに編集するのか』
2019年10月27日オックスフォード大学・苅谷剛彦教授によるチュートリアル(個人授業)の模擬講義。学生に、いかに気づかせ、いかに考えさせるのか。膨大な資料を読み込み、自分の頭で考え、アウトプットさせる。真の教育がここにある。…more
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恐竜ってなんでこんなにおもろいねん!の三冊 『恐竜の世界史 負け犬が覇者となり、絶滅するまで』
2019年10月26日恐竜研究のエキスパートが、恐竜がいかに出現し、栄え、絶滅していったかをつぶさに語る。それは決して無味乾燥な歴史ではない。この本を読めば恐竜学の今がすべてわかる。そして、そこにいたるには、熱き恐竜ハンターたちの信じられない幸運と凄まじい努力があ……more
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悲劇のランナーが遺したことば『円谷幸吉 命の手紙』
2019年10月10日円谷幸吉、ある年齢以上の人にとっては決して忘れることのない名前だ。東京オリンピックのマラソンで三位になり、次のメキシコオリンピックをめざすも自殺する。はたして円谷になにがあったのか。そして、謎の女性とは。彼が遺した大量の手紙を一次資料にひもと……more
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幸福になるためのワンコイン投資(ただし税別) 『逃げろ 生きろ 生きのびろ! 』
2019年09月27日『ガンジス河でバタフライ』のたかのてるこの『生きる』シリーズ第二弾。幸せになるのは何も難しいことじゃない。世界各地で撮影した素晴らしい笑顔とともに、その秘訣が授けられる。あなたの家にもぜひ一冊!…more
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出口さんの大著『哲学と宗教 全史』は一気読み
2019年09月24日稀代の読書家、出口治明さんが壮大なテーマに取り組まれた。膨大な知識に基づいて、有史以来の思想が縦横無尽に語り尽くされている。やさしい語り口で各論が紹介され、その繋がりが縦横無尽に解説される。歴史を知るために、哲学を知るために、宗教を知るために……more
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「性」を選んで生きるということ~桜木紫乃の『緋の河』、モデルは同郷のカルーセル麻紀だ
パイオニアはすべからく苦悶するのだろう、「明日にならねば、開かぬ扉がある」と。『緋の河』は、ニューハーフの新時代を切り開いたカルーセル麻紀をモデルにした、直木賞作家・桜木紫乃による小説だ。…more
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「ついで」に回す香港のアングラ経済 『チョンキンマンションのボスは知っている』
2019年08月27日香港の自称「チョンキンマンションのボス」、カラマは愛すべき中古車ディーラーだ。母国タンザニアからやってきた交易人の世話を焼きながら、じつにいい加減な生活をしている。カラマの周囲で、香港のタンザニア人たちはどのようなコミュニティーを作っているの……more
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老舗×伊勢×ADHD×空手×酵母 =『発酵野郎!: 世界一のビールを野生酵母でつくる』
伊勢にある老舗餅屋の21代目がクラフトビール造りを始めた。酵母を愛し、伊勢を愛する発酵野郎こと鈴木成宗社長だ。その根拠なき発想と、汗と涙の努力、そして成功。世の中にこんな男がいると知っただけで、なんだか明るい気分になってくる。みんな、読んで飲……more