
峰尾 健一
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『よく眠るための科学が教える10の秘密』眠くならない睡眠本
2015年11月19日人生の3分の1を占めているにもかかわらず、睡眠について知らないことはたくさんある。快眠の秘訣から楽しい夢を見る方法に至るまで、多様な実証的研究とエピソードにより明かされる眠りの秘密は興味深いものばかりで、読んでいて眠くならない。…more
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『スポーツアナウンサー』ことばが武器のアスリート
2015年11月10日時代とともに、実況アナウンサーの役割は徐々に変化してきた。しかし、彼らがスポーツ中継の根幹を支えていることは今も変わらない。仕事風景から細かな方法論に至るまで、なかなか知られてこなかったスポーツアナウンサーの実像に迫る一冊である。…more
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『チベットの焼身抗議』燃えさかる叫び、祈り
中国政府の圧政に対するチベット人の焼身抗議は2009年3月に始まり、2011年3月以降連続しながら今なお続いている。本書はチベット亡命政府の拠点であるダラムサラに住んで30年になる著者が、報道統制により知られることのなかったチベットの現状を伝……more
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『脱出老人』覚悟を決めたら福が来る?
2015年09月29日温暖な気候、物価の安さ、地理的な距離といった点から老後の海外移住先として人気を集めるのが、東南アジアだ。中でも、永住に必要なビザの取得が容易なフィリピンは有力候補である。フィリピン在住11年のノンフィクションライターとして活躍する著者は、そう……more
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『偶然の統計学』その偶然、意外と起こるかも?
当選番号が2回連続で一致した宝くじ、人生で雷に7回打たれた人、同じ選手から2日連続で出たホールインワン。一見きわめてありえないように見える数々の出来事は、実は単なる偶然ではなく「確率的に」起こってもおかしくないことだった。統計や確率の専門家で……more
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『南洋と私』南方から聞こえる、小さな声
かつて日本の占領下にありながら、親日的だと言われる南洋の人々。しかし、統治下にあった時代の南洋について知る人は少なく、埋もれたままの歴史は多い。証言者が高齢化していく中で、消えゆく声を伝える本書は非常に貴重な記録といえる。…more
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『日本とイスラームが出会うとき』新たな角度から見る、日本とイスラーム
2015年07月29日「日本のイスラームについての初の本格的研究」と帯に書かれた本書は、普段メディアで伝えられることの少ない斬新な視点に切り込んだ一冊だ。日本のイスラーム文化の歴史を丁寧にたどるだけでなく、日本人ムスリムへの聞き取り調査から読み取れる日々の生活や、……more
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『再生の島』離島の奇跡に学ぶ
沖縄本島南部、南城市の沖合約5キロに浮かぶ離島、久高島。この島にある「久高島留学センター」には県外からも子供たちが集まってくる。この、いわゆる山村留学に来る子供たちの半数は、地元の学校に馴染めなかった不登校児だ。中学時代をこの島で過ごした彼ら……more
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『世論調査とは何だろうか』バイアスがいっぱい
2015年06月19日世論調査で得られる回答には具体的にどんな偏りが生まれ、どんな操作が加えられやすいのか。どういった質問が回答者を誘導しやすいのか。調査する側はどんなことを考えながら調べ、データを扱っているのか。などなど、世論調査を読み解く時のポイントが、「週刊……more
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『伝説の総料理長 サリー・ワイル物語』読み継がれるべき物語
日本のフランス料理界の発展に大きく貢献しながらも、一般社会だけでなく、料理界からも忘れられかけていた人物がいた。あと少し遅れていたら、少しでもタイミングがずれていたら永遠に明かされることのなかったかもしれない知られざる料理長の物語が、10年ぶ……more
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『マシュマロ・テスト』誘惑をうまくやり過ごすために
2015年05月29日目の前の報酬を取るか、しばし我慢して後でより多くの報酬を得るか。「マシュマロ・テスト」と名付けられたこの有名な実験を考案した第一人者が、誘惑に対峙する時の脳の働きや数々の実験で得られた結果を元に、自制研究について語り尽くした集大成の書。…more
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『メモリアル病院の5日間』カトリーナの被害がもたらした教訓
2005年8月末、巨大ハリケーンのカトリーナがアメリカ南東部を襲い、1800名以上の命が失われた。中でも被害の大きかったルイジアナ州最大の都市ニューオーリンズでは、堤防の決壊により市中の8割が水没し、死者の大半を出している。 そのニューオー……more
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大人も楽しめる『14歳からのケンチク学』
2015年05月09日本書は「ケンチク」について、中学・高校の18教科を起点にして考えていく本である。日々作品をつくり続けるバリバリの建築家や、大学・大学院で建築学を教える教授など建築の専門家たちが、数学・国語・化学・歴史・物理・音楽・美術・などの多様な視点を通し……more
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『悲劇の発動機「誉」』
2015年04月29日第二次世界大戦時の戦闘機開発において、堀越次郎を擁する三菱と双璧をなす存在だった中島飛行機。その歴史の中で終戦後も語り草となってきたのが、奇跡のエンジン「誉」である。当時、世界最高水準とまで評された高性能を持ちながらも、相次ぐトラブルの発生に……more