
成毛 眞
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『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正』シャープの盛衰を決めた「伝説の技術者」
2016年05月25日佐々木はどのように電卓戦争を指揮したのだろうか。いやそれ以前に、大正4年生まれで太平洋戦争中には軍需産業のエンジニアだった佐々木は、どのような経緯でシャープに入社したのだろうか。そして、電卓戦争後の電子産業はどこへ向かおうとしていたのだろうか……more
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『「全世界史」講義 教養に効く! 人類5000年史』 学びを超えた知的エンターテインメント
2016年01月25日本書を読むときのイメージは「人類5000年史」という名前が付けられた、一辺が100メートルほどの体育館のようなものがあって、その中をツバメになって自由に飛翔するという感覚が近いように思う。底面には世界地図、側面に5000本の年代ラインが描かれ……more
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【TV】『山中伸弥教授が語るiPS細胞研究の今』人類の未来に明るい展望を感じることができる番組
今回紹介するのはNHKが制作した「山中伸弥教授が語るiPS細胞研究の今」だ。この番組はサイエンスに興味がある人だけを対象にしているのではない。パーキンソン病、心筋梗塞などによる心不全、軟骨無形成症などの難病、そして肝臓疾患などを抱える患者やそ……more
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『時を刻む湖 7万枚の地層に挑んだ科学者たち』奇跡的な万年時計の研究
2015年10月24日水月湖が奇跡の湖と言われる理由は毎年1ミリの堆積物が間断なく湖底に降り積もり、その縞を数えることで正確に年代を特定できることにある。この湖のおかげで各分野の研究者たちは5万年前に起こった天変地異や人類の進化などについて、より正確な時間を知るこ……more
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『地球の履歴書』本物の知がここにある
2015年09月27日本書はタイトルのまま、地球の履歴書である。全八章にわたって地球の誕生から、いま日本人がもっとも気にかけている地震の予知などまで、縦横無尽に語り尽くしている。著者にとってはエッセイを書いたつもりなのだろうが、一般の読み手にとっては最良の地球科学……more
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連続殺人犯は遺伝するか『暴力の解剖学』
本書は神経犯罪学の権威が丁寧な解説を試みた良書だ。読者は読み進めるにつれ、多数の驚くべき重犯罪事例に呆然とし、著者の知見に唖然とするであろう。しばらくぶりに本当におススメできる本に出会った。…more
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金髪とカルチャーセンターと核兵器『ミリタリーテクノロジーの物理学〈核兵器〉』
2015年08月22日タレントで金髪といえば所ジョージ、ジャーナリストで金髪といえば津田大介、物理学者で金髪といえば「SHOさま」こと、多田将である。しかもロン毛だ。見た目はロックンローラー内田裕也を若くして、すこしJK風味を付け加えたようなものだと思ってもらえば……more
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『気仙沼ニッティング物語 いいものを編む会社』
100年続く会社を作ること。100年続く老舗をめざすこと。100年続く事業を育てること。本書には100年という言葉が何回も出てくる。学ぶべき先輩企業は創業180年目を迎えようとしているエルメスや、室町時代からつづく和菓子の虎屋だという。この気……more
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『マスタリー 仕事と人生を成功に導く不思議な力』
凡百の自己啓発を超えた、「未来を変えたい人」の必読書2015年06月28日『マスタリー』はロバート・グリーン5冊目の最新作だ。グリーンの作品の特徴は自己啓発書でもないし、ビジネス書でもない。歴史読み物でもないし、評伝エッセイでもない。制御された薀蓄ともいうべき、独特なスタイルを持つところにある。歴史上の人物の生きざ……more
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『超ひも理論をパパに習ってみた』
2015年04月27日本書は、理解しにくい超ひも理論を驚くほど簡単に説明しようと試みたものである。副題の「70分講義」は誇張ではなく、3時間もあれば読めるであろう。じつは冒頭に紹介したシャープペンシルに使われる力の質問も本書から抜き出したものだ。身近な事柄から難し……more
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「逆張りの思考」拡大版 週刊新潮2015年3月5日号掲載
2015年03月04日週刊新潮で好評連載中の成毛眞「逆張りの思考」、2015年3月5日号(2月26日売り)は特別拡大版。今回は『メガ! 巨大技術の現場へ、ゴー』の発売を記念し、特別にHONZ上にて全文を掲載いたします。北は苫小牧から南は長崎まで、さらにはフランスと……more
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『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』
2015年01月20日2014年のノーベル物理学賞は3人の日本人学者が受賞した。それぞれに強い個性があり、劇的な歴史があり、微笑ましい物語もあり、日本人の一人として誇りを感じるだけでなく、ある意味で大いに楽しませてもらった。天才たちは研究成果や創作物だけでなく、そ……more
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『チェンジング・ブルー』文庫解説 by 成毛 眞
2015年01月16日本書は、ひとたび英訳されることがあれば、英米でも間違いなくベストセラーになるであろう素晴らしい科学読み物に仕上がっている稀有な本なのだ。スムーズだが起伏にとんだ章立て、文章と構成の快適なスピード感、読書家特有の語り口のうまさ、膨大だが正確な科……more
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『理系の子 高校生科学オリンピックの青春』巻末特別対談:成毛眞×田中里桜
2014年10月28日この『理系の子』を読んでいても、それぞれにいろんなアプローチがあります。廃品から温水器をつくり出す創意工夫型みたいな人もいれば、いろんなタイプの人たちがいて、その意味ではバラバラ。発表する側も、採点する側の先生たちも、バラッバラな人たちが集ま……more