
首藤 淳哉
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『パスポート学』私が私であること、それを証明すること
2017年02月07日本は迷わず買うほうだが、それでも店頭だとパラパラとページをめくってみたり、少しだけ前書きや後書きを読んでみたりする。そんな中、表紙を見ただけで脊髄反射的にジャケ買い購入してしまうのが、類書がないと思われる本だ。この手の本は例外なく新しい知見を……more
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『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か 』本当に恐れるべきなのは失望感
2017年01月31日本書は、ポピュリズムの主張にはデモクラシーの理念そのものと重なる部分が多いと指摘する。事実、欧米のポピュリズム政党は、直接民主主義的な手法を積極的に活用しようとする傾向がある。たとえばフランスの国民戦線は、国民投票や比例代表制の導入を通して国……more
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『寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑』ブラジャーの寿命は、本当に13ヶ月なのか?
冒頭の「動物の寿命」からして、子どもにとっては衝撃的なようだ。ハツカネズミのかわいいイラストとともにいきなり「寿命1年」と出てくるのだから。「ぼくの心臓はちいさい」と見出しがあって、「哺乳類は、小さな動物ほど心臓の音が速く、心臓の音が速い動物……more
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『東大VS京大 入試文芸頂上決戦』国語の入試問題から、時代の流れが見えてくる
2017年01月15日戦後教育がはじまった年から2016年の春までに、わが国の最高学府の2トップをなす東大と京大で出題された国語の入試問題を読んでみたというのが、『東大vs京大 入試文芸頂上決戦』である。 本書を読むと、国語入試問題はやっぱり昔もわけがわからなか……more
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『ヒットの崩壊』聴取から体験へという大変化
2017年01月14日音楽の受容形態が「聴取」から「体験」へと大きく変化したことで、コンテンツの創り手がより頭を悩ませるようになったのは、この「体験」の中身が極めて多様なことだろう。フェスで仲間たちと夜通し語らう「体験」もあれば、ソーシャルメディアで動画などを共有……more
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『コンピュータが小説を書く日 AI作家に「賞」は取れるか』書くことを通して人は「何か」を生み出す
2016年12月27日「書くこと」とは何か。人は「書くこと」を通して物事への理解を深める。書く前にはわからなかったことが、書くことによって理解できるようになる。だとするならば、書くという行為には、頭の中にあることをただ文字の連なりとして表に出したということ以上の何……more
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『使用人たちが見たホワイトハウス』秘密のベールに隠された、ホワイトハウスの日常とは?
2016年12月26日HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 首藤 淳哉はラジオ局で朝の番組を担当する、敏腕プロデューサーだ。ラジオ業界きっての読書家で、「嫁に隠れて本を買う」と題したブログは業界の内外を問わずファンが多い。一週間前に面接したばかりなのに、既に……more