さて、4回にわたってお送りした本連載(①シャークジャーナリストは、死を覚悟した! ②サメのふしぎと、謎とロマンの古代ザメ ③サメは安全?サメはおいしい? ④インドネシアで危機一髪!?……ガチで「ほぼ命がけ」)。いかがでしたか?
最後に番外編として、沼口さんのサメイベントに参加してきたレポートと、取材直後におこったシャーク・セレンディピティ体験、そして沼口さんのオススメ本を紹介します。
番外編も、よろシャーク!!
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サメとの出会いは興味フカい! サメイベントに参加してみた
沼口さんは、サメのトークイベントやワークショップなどでも活躍されています。取材の直前、天狼院書店池袋駅前店さんでもサメのイベントが行われると聞き、参加してきました。
集まったのは老若男女、13人ほど。今回のテーマは「サメの歯で遊ぼう」。沼口さんを中心に、サメの歯の実物を使って工作したり、サメについて語り合ったりします。
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参加者のみなさんの、サメに目覚めたきっかけはさまざまです。
「小学校高学年くらいのとき、ヘミングウェイの『老人と海』を読んで……」
「2歳くらいの頃、テレビに5秒くらい映ったシロワニの映像に心奪われて……」
「子どもの頃、イルカとサメのぬいぐるみをもらって、姉妹でイルカの取り合いに。でもサメがかわいそうになってきて、サメについて調べてみたら、ハマってしまって……」
ひとりひとりに、フカーい、シャーク・ストーリーがあるのですね!
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机には、いろいろなサメの歯やアクセサリーのパーツ、工作キットに、なぜか魚肉ソーセージまで!
この魚肉ソーセージ、何に使うのかというと……。
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あの巨大古代ザメ・メガロドン(第2回参照)の化石の歯で、ソーセージを試し切りすることができる!!! な、なんと贅沢な!
ちなみにメガロドンの歯では、押すだけではダメで、のこぎりのようにひかないとうまく切れません。サメの食べ物によって、歯にもそれに適した特徴があることがわかります。
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こちらはホホジロザメの歯の化石ですが、切れ味抜群。いろいろなサメの歯で試し切りすることで、同じ「サメ」でも、ずいぶん違うんだなということが体験的に理解できます。
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こちらはウミガメの甲羅も砕いて食べる、イタチザメの下あごの歯(第3回参照)。生えかわるためのスペアの歯がぎっしり。
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こちらはアオザメの下あごの歯。串刺し系の歯で、イカや魚などすばやく動くものを捕まえて食べるそうです。
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左右に返しがついているのが、ネズミザメの歯(右)。左のアオザメと比べると返しの有無がよくわかります。
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みなさん、自分のサメグッズを取り出して、サメ談義にも花が咲きます。
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好きなことでつながって、好きなことを語り合うって、とってもステキですね! みんなキラキラして見えます。
私も、サメの歯を使ったペンダントヘッド作りに挑戦しました。
以前、沼口さんがウェブ連載に
「サメの歯のネックレスをつけたまま寝たら、首が血まみれになってしまった。サメの歯って本当によく切れるわ♡」
みたいなことを書いておられましたが、今回はその危険がないように、歯を樹脂でコーティング。
型にサメの歯を含めたパーツを並べて、樹脂を流し込み、専用の機械で固めます。
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できた! (でも、欲張ってパーツを盛り込みすぎた~。)
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2回目、うまくできたんじゃない??
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よく見ると、ひもを通す穴が下に。ということは……、上下逆だったあああ(泣)。
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みんな真剣です。
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なかなかステキなアクセサリーができましたよ! サメの歯がエッフェル塔のようで、オシャレに見えてきます。
実際に歯を触って親しみながら、沼口さんのサメ解説やいろんな人たちのサメへの想いをうかがって、とっても楽しいイベントでした!
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沼口さんはサメ好きな人たちをつなぐハブのような存在になっているのだなと、実感しました!
ちなみに、天狼院書店さんの本店は、イベントも盛んで、こたつのある個性派書店として有名です。駅前店は今回始めて訪れましたが、小スペースながら遊び心のある工夫された棚が魅力的!
ぜひ、池袋にお越しの際は、本店ともども足を運んでみてください。
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池袋駅前店
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棚がおもしろい! この棚は効能別に本が分類されていて、その効能は「承認欲求が満たされる」「秘密結社になる」「エロくなる」って……。
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POPなども工夫されていて、見ごたえあります!
サメはサメを呼ぶ? セレンディピティ
さて、沼口さんの取材を終えて、ビルの前でお別れし、別々の方向に歩き出したそのとき。
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ん? なんかイベントやってる? 歩道に、たくさんの出店が。ふらっと見物してみると、食べ物、本、アクセサリーなどさまざまなものが売られています。
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そのなかで1軒、なんとなく気になるお店があって、吸い寄せられるように近づいてみると……。
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ん、米のソーセ……、サ、サ、「サメ~!」????
なんと、ディープなサメ話をうかがった直後、まさかのサメ肉販売車に遭遇!
思わずお店のお兄さんたちに話しかけます。
「あの、サメって……?」
「ああ、友人が気仙沼でサメ肉を扱っていて、それを出しているんですよ!」
おお、さっき沼口さんのお話でうかがったばかりの、気仙沼のサメ(第3回参照)!
すかさずバッグから『ほぼ命がけサメ図鑑』を取り出し、お兄さんたちに表紙を見せて
「私、サメ好きなんです!!」
大爆笑するお兄さんたち。
「写真撮ってもいいですか?」と言われ、『ほぼ命がけサメ図鑑』を持ってキッチンを見上げる私をお兄さんが激写。
「私も写真撮らせてください!」と、私もお兄さんたちを激写。
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サメを売っていたお兄さんたち(もし写真掲載NGだったら、HONZまでご連絡ください~)。
思わぬところでシンパシーを感じつつ、せっかくの機会、サメ肉をいただきました!
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こちらがそのサメ肉料理。さっぱりとした白身で、少し身がつまっているかんじが、ツナっぽい食感。
沼口さんのサメパワーが感染したとしか思えない、セレンディピティな体験でした。すごいな、サメ!
みなさんもぜひ、イベントでも、食べるでも、サメに親しんでみてください。沼口さんのご著書『ほぼ命がけサメ図鑑』を読んでシャーキビリティ(「サメに対する知識や熱い気持ち」という意味の、沼口さんによる造語)を高めてからなら、きっとそのサメ体験は、何倍も深く楽しいものになりますよ!
沼口さんのおすすめ本
最後に、沼口さんの好きな本を何冊か教えていただいたので、それをご紹介します。
……って、書目がHONZっぽくて、これまたびっくり。最初から最後まで、驚くことばかりの、サメ取材でした。
今後、旅先であやしい人に出会ったら、沼口さんを見習って、私も写真を撮っておくことにします(第4回参照)。
世界でただ一人のサメ専門ジャーナリスト・沼口麻子さん。突き抜けているところもあるけれど、生物学的な知識に裏打ちされた、まじめで真摯な方でした。これからも「サメをする」沼口さんを、応援しています!!
☆沼口さんオススメの本
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細長い体がたくさんの節で分かれており、そのひとつひとつに卵巣と精巣がそれぞれ格納されている! でも、頭はひとつ。生物って……多様だ。
(完)