ビジネスと恋愛って似てる?『ブスのマーケティング戦略』

田中 大輔2019年02月28日 印刷向け表示
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ブスのマーケティング戦略
作者:田村麻美
出版社:文響社
発売日:2018-12-07
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この本はブスの自虐エッセイではない。れっきとした実用書である。

という前書きから始まるこの本を私はビジネス書コーナーでみつけた。『ブスのマーケティング戦略』完全にタイトル買いだ。帯には入山章栄氏推薦との文字もあり興味を引いた。入山氏は2016年に『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』でベスト経営書を受賞している。ブスのマーケティングとはいったいどんな本なのだろう?

この本がめざしているのは下記の2つである。

1. ブスの幸せな結婚
2. ブスの経済的な自立

ブスだと自覚をした著者が幸せな結婚を掴むために、様々なマーケティング手法を用いていく話だ。面白おかしく書かれた個人の体験談が中心のため、マーケティングを学ぶためにこの本を読んでもあまり役には立たないだろう。ただモテるためにマーケティングの手法を用いるというのは確かにありかもしれないと思わされる1冊だった。

まずはプロダクト分析からスタートする。自分という商品が本質的に提供しているサービスがどんなものかを知るのだ。学生時代の集合写真を見て、商品という観点で自分を見たらどう見えるか?そしてなぜ自分を買いたいと思わないのかを検証する。また見た目だけでなく、経済力(仕事)、学歴、居心地(人柄)、相性(個性)といった様々な指標で自分がどんな商品なのかを知ることも大事である。

次に、セグメンテーション。ターゲットを絞るのだ。著者は偏差値の高い男という1点にターゲットを絞った。勉強をして偏差値の高い学校に進学をした。すると、中学時代は学年のトップでも、周りが頭のいい人だらけという市場に変化し、「偏差値の高いブス」が「ただのブス」になってしまった。市場が変わると競合も変わってくるので、別の武器が必要になってくる。そこで著者は一芸をみにつけた。また話しかけやすいブスをめざしていった。

そして大学に入り彼氏ができる。著者はとにかく告白しまくったそうだ。いろんな恋愛本に共通していることなのだけど、とにかく数を増やすのは大事らしい。言葉は悪いが下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるというのは恋愛において有効な手段の一つだと思う。

そこからは合コン三昧。合コンはチームで行うものなので、いちばん重要なのはメンバー構成らしい。男の趣味が被らないこと、お互いが引き立て合える関係でないといけない。また合コンはただ行うのではなく、PDCA(Plan,Do,Check,Act)を回すことが大事だという。さらにセグメンテーションを意識することも必要だ。自分という商品が売れる市場を見極めなければ、いくら合コンをしてもうまくいかないからだ。

合コンにおいてはリーン・スタート・アップが使えるという。多くの人は完全な状態になってから市場にものを出したいと思うが、とにかくまずは市場に出してみて、トライ&エラーを繰り返すことによって商品の精度をあげていくのだ。合コンにおいても、とにかく場数を踏んでみて、たくさんの傷を負い、フィードバックを得ることが何よりも学びになるそうだ。

さらに合コンではエレベーターピッチ(エレベーターに乗る間にクライアントにプレゼンを行い、ビジネスチャンスを手に入れるテクニック)を意識するのもよいという。相手の印象に残るような自己紹介のテンプレは必須だ。

合コンの会話の際に自己PRはいっさい必要がないというのも目からうろこだった。それよりも相手の話を引き出すことが重要なんだそうだ。ほめ続ける会話で相手をいい気分にさせるのもいいだろう。

そして合コンで知り合った人と結婚に至る。結婚には4Pがフィットすることが必要だ。4PとはProduct,Place,Promotion,Priceのことである。自分のスペック、4Pとターゲットがフィットすればどんな人でも結婚ができるそうだ。白馬の王子様がいつか迎えに来てくれるなんてことはない。とにかくサイコロを振り続け、トライ&エラーを繰り返すしかないのだ。

著者が行ってきたことは「自分を客観視し、相手の気持ちを想像して、行動すること」これに尽きるそうだ。これって恋愛でなくビジネスにおいても必要なことだと思う。そう考えるとビジネスと恋愛って結構似ているのかもしれない。だからこのような本が成り立つのか……。

LOVE理論
作者:水野敬也
出版社:文響社
発売日:2013-12-14
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 この本を読んでいて文体がとても似ているな~と思った本がこちら。

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