先月出た本 2020年12月

古幡 瑞穂2020年12月03日 印刷向け表示
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今年の年間ベストセラーが発表されました。今年は鬼滅と巣ごもり需要に沸いた年でしたが、そうこうしている間に、コロナウイルスの感染も再燃。不安な毎日が続きます。

ここでは先月出た本(ノンフィクション)ランキングを発表!日販オープンネットワークWINから11月発売のタイトルとHONZのレビュー対象となるノンフィクションジャンルのタイトルを抽出しランキングを作成しています。(2020/11/1~2020/11/30の売上)

ユヴァル・ノア・ハラリの名著『サピエンス全史』がマンガで読めると話題の『漫画サピエンス全史』など話題の本が多い中、単行本で2位につけたのが『競艇と暴力団』。

競艇と暴力団 「八百長レーサー」の告白
作者:西川 昌希
出版社:宝島社
発売日:2020-11-02
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八百長事件を起こし、懲役3年という判決を言い渡された元競艇選手が、その手口と生い立ち、そして業界に巣くう闇を語り尽くしたという1冊。告白本をめぐっては事実無根と競走会側がコメントするなどまだまだ全貌が明らかになっていない部分も多いようです。暴力団との関係を描いたことから、ヤクザ物を好んで読む読者に多く手にとられている模様。

  銘柄名 著訳者名 出版社
1 『息子のトリセツ』 黒川 伊保子 扶桑社
2 『スマホ脳』 アンデシュ・ハンセン 新潮社
3 『部長って何だ!』 丹羽宇一郎 講談社
4 『歴史のIF』 本郷和人 扶桑社
5 『漫画サピエンス全史人類の誕生編』 ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社
6 『2025年を制覇する破壊的企業』 山本康正 SBクリエイティブ
7 『競艇と暴力団』 西川昌希 宝島社
8 『「嫌いっ!」の運用』 中野信子 小学館
9 『教養としての「軍事戦略家」大全』 黒井文太郎 宝島社
10 『感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた』 さ-たり KADOKAWA
11 『新型コロナ-専門家を問い質す』 小林よしのり 光文社
12 『ブラック霞が関』 千正康裕 新潮社
13 『ウッドロー・ウィルソン 全世界を不幸にした大悪魔』 倉山満 PHP研究所
14 『自分の頭で考える日本の論点』 出口治明 幻冬舎
15 『暗殺の幕末維新史』 一坂太郎 中央公論新社
16 『コモンの再生』 内田樹 文藝春秋
17 『SDGs――危機の時代の羅針盤』 南博 岩波書店
18 『オードリー・タン自由への手紙』 オ-ドリ-・タン 講談社
19 『もののけの日本史-死霊、幽霊、妖怪の1000年』 小山聡子 中央公論新社
20 『独裁の世界史』 本村凌二 NHK出版

ランクインしていない中にも興味深い本は盛り沢山。ここからは11月発売の本から注目タイトルを紹介していきます。

禍いの科学 正義が愚行に変わるとき
作者:ポール・A・オフィット
出版社:日経ナショナルジオグラフィック社
発売日:2020-11-19
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今では考えられない事ですが、優生学が当たり前の事のように受容れられ、ロボトミー手術が認められていた時代もありました。科学が間違った方向に進んでいたことは後の世の中になってからようやく理解できることで、その時々は皆「良いことをしているつもりだった」とこの本は説いています。専門家が間違うことがあるからこそ、十分な検証が必要なのでしょう。先が見えないコロナとの戦いの中で、私たちが考えておくべき事も多そうです。
 

地球が燃えている : 気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言
作者:ナオミ クライン
出版社:大月書店
発売日:2020-11-18
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著者、ナオミ・クラインは『ショック・ドクトリン』『ブランドなんか、いらない』等で有名な世界的ジャーナリスト。気候崩壊まで残された時間はない、人類存亡の危機を前に今やるべきことはなんなのか。戦争と格差を生み出す資本主義からの転換方法はあるのか。「グリーン・ニューディール」の具体的なビジョンが示されていると話題になっている1冊です。
 

築地本願寺の経営学: ビジネスマン僧侶にまなぶ常識を超えるマーケティング
作者:安永 雄彦
出版社:東洋経済新報社
発売日:2020-11-06
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コロナ禍は葬儀や法要の形を変え、宗教の場のあり方も変えつつあります。400年の伝統のある築地本願寺は今驚くような形で進化を遂げていると言います。変わりゆく時代のなかでも仏教の教えを伝える、守るという役割は変わりません。しかしその方法は変えていかねば続いていかない。と著者は説きます。昔ながらの企業だから、という停滞感を打ち破りたい時のヒントが溢れているはず。
 

ロッテを創った男 重光武雄論
作者:松崎隆司
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2020-11-25
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お菓子メーカーとして、野球チームとして、私たちにとっては身近な存在のロッテですが、その創業者の姿はほとんど目にすることがありません。日本・韓国を渡り歩き、それぞれで存在ある地位を確立した大企業はどうやって作られて、どうやって大きくなったのか。その裏側と活躍がわかる注目作。
 

羊の人類史
作者:クルサード,サリー
出版社:青土社
発売日:2020-11-24
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人類は多くの動物と関わり合いながら生きてきましたが、羊との付き合いは1万年以上になるそうです。そののんびりした姿とはうらはらに、羊は人類の生活を劇的に変化させてきました。服になり人間を守る羊毛は、帆となって世界に人間をつれていきました。一方で、ペスト菌を広めたのも羊毛に絡んでの事だとか。そういった歴史のなかの羊毛に注目したときに新しい発見が見えてきたようです。

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例年、年末年始はもっとも重厚な本が売れる時期になります。今年はまだまだ巣ごもりが必要になりそう。じっくり時間をかけて読む本を今から探してみてはいかがでしょう。書店店頭には面白い本がいっぱいですよ。

ノンフィクションはこれを読め!  2014 - HONZが選んだ100冊
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
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『ノンフィクションはこれを読め! 2014』電子版にて発売中!

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