8月の最後になって稲盛和夫さん、ミハイル・ゴルバチョフさんと大きな訃報が続きました。ミハイル・ゴルバチョフについては以前このコーナーでも紹介した『我が人生 ミハイル・ゴルバチョフ自伝』が注目を集めています。
稲盛和夫さんについては、世界的にも注目されている著書も多くありますが、今後自伝などの出版があるのかどうか気になるところです。
8月はどんな本が発売され、売れていたのでしょう。8月に出た注目作品をいくつか紹介していきます。
クレプトクラシーとは泥棒政治家のこと。世界中いたるところにいる泥棒政治家たちは様々な違法なお金を合法的資産に変えようとしています。
この資金洗浄の最強の拠点はアメリカでした。いったいどんな手法でマネーロンダリングが行われているのか、そしてなぜそんな体制が構築されたのか。巨大な闇に挑み真実を明らかにします。
地球の誕生からの生物の歴史を400ページに圧縮した話題の書。生物の絶滅の歴史、誕生の歴史、どうやって進化してきたのか、私たちホモ・サピエンスはどういった生き物で、今後どういう未来が待っているのか。
ぎゅーっと圧縮された完全保存版と言っていい1冊
現代のレイチェル・カーソンと呼ばれる著者による警告の書が発売されています。『沈黙の春』で話題になったのは鳥でしたが、今回のテーマは昆虫。地球環境の悪化は進み続けています。土壌、河川の汚染により昆虫の生態環境は大きく悪化しました。でも人間の生活は昆虫あってのたまもの、作物の受粉、他の生物の餌になる存在、様々な活躍をしてくれています。昆虫との共存を訴える1冊。
データをもとにマネジメントをするというのは現代ではあたりまえの話ですが、実はこの技術は奴隷制度下で確立したものだったそうです。
奴隷の労働は記録され、管理され、成績にされていました。目次にある” 人間を減価償却する“という言葉などを見るとゾッとします…
新型コロナウイルスの蔓延により、人と人との距離が広がっています。ですが、人は太古の昔から握手とともに生きてきました。なんと握手の起源は人類誕生の前だそう。なんで人は握手をしてきたのか?今のカタチの握手ができるまでに、どんな握手があったのか(なかなか衝撃的な形のものもあったようですよ)
パンデミックで失われつつある握手文化は今後どうなっていくのか。古今東西の握手を読み解く1冊。
昭和を動かしたフィクサーと言われている田中清玄。過去に自伝も出ていますが、虚実が入り交じっているため本当の姿は見えてこないままだったそうです。今回、著者が終戦直後から秘書を務めた人物に出会ったことで、これまで見えてこなかった姿が見えてきました。
ノンフィクションとは思えない破天荒な生き方はどこまでが本当の話なのか、葬儀に右翼、左翼、そして暴力団大幹部までを参列させたフィクサーはどんな人生を歩んできたのか。気になる評伝です。
*
9月に入り、酷暑が通り過ぎたと思ったら今度は台風。天候に恵まれない日々が続いています。
家から出たくない日にはゆったりとした読書の時間をもって知識を蓄えてみてください。