仲野 徹
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/nakano/
ノンフィクション、とりわけ伝記が好き。それが昂じて専門誌に「なかのとおるの生命科学者の伝記を読む」を連載。単行本(学研メディカル秀潤社)として上梓したところ、成毛代表の目にとまりHONZに参加。書籍購入費の抑制、および、仕事と飲酒と読書のバランスとれた鼎立、が永遠の課題。
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山の本にはずれなし!『アルピニズムと死』
2014年11月5日この本にはいろいろなことが詰め込まれている。若い頃の事故、数少ないパートナーたちのこと、墜落と雪崩、ギャチュンカン、クマの襲撃、そし…more
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スポーツの秋はこれを読め!氏と育ちのどっちが大事?『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?』
『氏か育ちか』というのは、生物を語る上で永遠の課題だ。もうすこし学問的な言い方をすると、遺伝素因と環境要因、どちらが重要か、というこ…more
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そんなことまでわかるのか! 『データの見えざる手 : ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』
2014年9月14日ウェアラブルセンサーで個人の活動を計測し、そのビッグデータをコンピューターで解析するという内容だ。そんなもんで何がわかるんや、と思わ…more
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スパコン「京(ケイ)」はカイコ蛾脳の夢を見るか 『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う』
2014年8月14日素直に驚いた。こんなことができるのか。こんなおもろい研究があるのか。若い頃に戻れたら、こういう研究をしてみたい。いずれ役にたつ、と書…more
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『辻静雄』を知っていますか? 新刊超速レビュー
2014年7月18日グルメという言葉が根付いた頃、後に直木賞を受賞する海老沢泰久が書いた『美味礼賛』を読んだ。辻がなくなる少し前に出版されている。面白か…more
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いずれ劣らぬ地獄絵図 『捕食者なき世界』と『ねずみに支配された島』
捕食者のいない世界というのを考えてみてほしい。なんとなく、平穏でのどか、緑ゆたかな桃源郷のような景色が思い浮かばないだろうか。『捕食…more
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そこまできてる『1000ドルゲノム』の時代に備えよ! 新刊超速レビュー
分厚い本である。内容もやさしくはない。しかし、10年後には、自分の健康が気になるすべての人が理解しなければならない内容を含んでいる。…more
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ペペロンチーノを科学する世紀の奇書『男のパスタ道』は「いきの構造」にならぶ(かもしれない)名著である
こんどはペペロンチーノで本を一冊である。さすがにこんどは、ペペロンチーノのレシピを27も紹介する、という愚を犯しはしていない。美味し…more
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思考こそが世界を救う 『ハンナ・アーレント』
2014年5月28日ハンナ・アーレント。どれくらいの知名度なのだろう。恥ずかしながら、昨年、この名を冠した映画を見るまで、その業績はおろか名前すら知らな…more
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”こんな面白いもんがあったんか” 『文楽へようこそ』
この本、人形遣いである桐竹勘十郎さんと吉田玉女(たまめ)さんが、文楽ファンを開拓するために作られた本だ。いくつものセクションに分かれ…more
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捏造を知るにはこれを読め!
『背信の科学者たち』の緊急再版を訴える⇒再販が決定しました!『背信の科学者たち』、この刺激的なタイトルの本が出版されたのは四半世紀前。1988年のことである。かけだし研究者であったころにこの本…more
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よく生きるために学べ『フィンランド理科教科書 生物編』
教育といえばフィンランドである。国の大きさや条件が違うので比べるのは難しいだろうけれど、かねがね、すぐれた教育がなされていると噂には…more
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挑め!世紀の難問『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』
2014年2月24日この本が問いかけるのは、ドーナツを穴だけ残して食べることができるか、という哲学的命題だ。この、まったくどうでもいい問題を聞いておもし…more
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究極の私ノンフィクション『セラピスト』
"最相さん、今回は心理療法である。本の帯にあるように、河合隼雄と中井久夫という二人の偉大な『セラピスト』が主人公だ。臨床心理学をすこ…more
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あらすじだけでも知ってほしい本がある 『種痘伝来』
地味といえば地味な学術書である。はっきり言って4千円は高いし、ほとんどの人は買おうと思わないだろう。しかし、この本のあらすじは知って…more