おすすめ本レビュー
-
『白鍵と黒鍵の間に』
2008年09月05日ピアニストという人種はなぜ文章もうまいのだろう。クラシックの中村紘子、ジャズの山下洋輔などは音楽だけでなく文章も玄人だ。エッセイのうまい歌手とかギタリストなんてあまり聞いたことがない。 …more
-
『 キーボード配列QWERTYの謎』
2008年09月04日キーボード配列決定の歴史についてとことん調べた本である。京都の学者夫婦がとことん調べたのである。引用している図版だけでも124枚。明示されている参考文献だけでも495冊だ。あと4枚図版があれば2の冪できりが良かった。本書は夫婦共著なのだ。まさ……more
-
『 アメリカの毒を食らう人々』
2008年09月03日久しぶりに仰天した。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を読んだときも、見えざる毒物の恐ろしさに体が震えたが、この本はさらに悪質な毒物を意図的に放置しているアメリカという国を告発している。 …more
-
『広重と歩こう 東海道五十三次』
2008年09月02日2000年に出版された本書はすでに5刷である。いまだ売れ続けているらしい。豪華な128ページのフルカラー大判本だ。ページ数が2の累乗になっていることがなぜかうれしい。ちなみに英語で2の冪は power of two という。 …more
-
養老孟司のデジタル昆虫図鑑
2008年09月01日昆虫はあまり好きではない。とりわけ、ムカデのように足が無数にあるものは身の毛がよだつ。しかし、蛇はまったく問題ない。人が属する哺乳類は4本足だから、それ以上か以下の足の数をもつ生物のどちらかを嫌うという話を聞いたことがある。自分は4本以上の足……more
-
『先賢諸聖のことば』
2008年08月01日テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」で書や掛け軸を中心に鑑定している田中大の本だ。帯にはハンカチを口にあてるおなじみの本人の顔写真や、目立つように番組名を赤い書体で印刷していてあざとい。しかしその帯を取ってしまうと美しい装丁の本である。 …more
-
『米欧回覧実記』慶應義塾大学出版会 [2]
2008年07月01日久米は教育をもっとも重要な視察目的の一つとして考えていたようだ。普通教育から障害児教育まで熱心に書き込んでいるからだ。アメリカ全体の教育予算、学童数、教員数などはもちろん、各地で教育税、学校数、建物の広さ、教員の給与から用務員の数まで調べてい……more
-
『米欧回覧実記』慶應義塾大学出版会 [1]
2008年07月01日これほど面白い本にはめったにお目にかかれない。明治4年に1年9ヶ月をかけて世界を歴訪した岩倉使節団の旅行記である。著者は久米邦武。天保10年生まれ、昭和6年没の元佐賀藩士である。後に帝国大学教授になる。 …more